BMW、早くもM4 GT3の“EVO”アップデートを開発中。2025年に投入予定

2023年9月2日(土)9時35分 AUTOSPORT web

 BMWは、M4 GT3用のEVOキットの開発を開始し、2025年のデビューに先駆け、アップデートしたマシンをカスタマーに展開する計画だ。


 ミュンヘンに本拠を置くBMWは、2022年シーズンに向けて最新型のGT3マシンを発表、現在は2シーズン目に突入している。今シーズンは、ローヴェ・レーシングとともにクラウドストライク・スパ24時間レースで優勝、またニュルブルクリンク24時間レースで2位を獲得した。


■開発の焦点はドライバビリティとタイヤ摩耗の改善


 BMW MチームRMGによって開発され、現在スパ・フランコルシャンでテスト中のアップデート版M4 GT3は、来年後半にカスタマー向けに展開される予定である。これは、BMWが初めて導入するGT3車両のEVOキットとなる。


 BMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースはSportscar365に対し、同社は当初から、車両のライフサイクルの最初の3年間が終了した後にEVOバージョンを導入することを計画していたと明かしている。


「基本的にこのクルマは3年間使うわけで、2022年、2023年、2024年と走った後、これが2025年に登場するEVOパッケージとなる」とルースは語った。


「純粋に開発期間、生産期間などすべての面から見ても、我々はすべてを1年という短期間に詰め込みたくないと言っていたんだ」


「当初の計画では、2023年末に開発を終えて、2024年に発注、生産、すべてを開始し、2024年末にカスタマーに提供する予定だった」


「我々が少し先行して作業を行うことで、みんなが楽になるし、カスタマーも楽になる」


「確かに、すべてを(短期間に)詰め込んで、『最初の半年はすべてのテストをして、そのあとに(発注・生産を)スタートする』とすることもできるだろう」


「でも、開発において『もっといいものができるかもしれない』と思ったら、急に時間が足りなくなるものだ。そうると予算がかかるし、急な変更を余儀なくされる」


「いま、我々は本当に開発段階を終了した、と言いたい。その後部品を承認し、『これがEVOバージョンのパーツである』と言う。それから、生産発注のプロセスに入るのだ」




 ファクトリードライバーのイェンス・クリングマンによれば、ドライバビリティとタイヤの摩耗が、主な開発エリアであると説明している。


「M4は総合的に見て扱いやすいクルマだと思うけど、とくにタイヤの摩耗に関しては、まだ若干の(改良の)余地があると思う」とクリングマン。


「アンダードライブとオーバードライブの間のウインドウはさらに広げる必要があるし、僕らのように毎週レースをしているスーパー・プロフェッショナルなドライバーでなくとも、最大限のパフォーマンスを引き出せる」


「誰にとってもさらに運転しやすくする、というだけさ。 これはハードウェアや空力だけでなく、たとえばABSやトラクション・コントロールの面でも同様だ」


「しかし、これはまだ開発中であり、今年すでにいくつかのテストを行っている」


 このアップデートされたマシンが、カスタマーへの展開に先立ってレースで使用される可能性はあるかと尋ねると、ルースはBMWが「まだ決定していない」と答えた一方、M4 GT3 EVOが2023年末までに活躍する可能性は否定した。


「それは2024年になるので、2023年にはEVOマシンによるレース出場は、私の知る限りではないだろう」と彼は語った。


「我々はいま、開発に集中しているので、来年にはその成果が見られるかもしれないが、それはニュルブルクリンク24時間の後になる可能性が最も高いと思う」

優勝した98号車BMW M4 GT3と(左から)フィリップ・エング、マルコ・ウィットマン、ニック・イェロリー 2023スパ24時間

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