「何度も受けるものじゃない」大谷翔平もトミー・ジョン手術か MLB213勝の大投手が語った懸念「普通じゃない!」

2023年9月4日(月)15時30分 ココカラネクスト

右肘の故障により「投手」としては今シーズンを終えた大谷。その現状にスモルツ氏は黙っていない。(C)Getty Images

 はたして、再びマウンドに立つ日はいつになるのか。先月23日に右肘の側副靭帯損傷が判明した大谷翔平(エンゼルス)の状態が懸念されている。

 怪我が判明してから球団は投手としての今シーズン断念を決定。通常であれば、ここですぐに治療を施す準備に入るのだが、大谷は代理人と相談したうえで「打者」としての出場を継続。メジャー6年目のレギュラーシーズンを完走しようとしている。

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 そんな偉才の状態について往年の大投手も危惧する。MLB通算213勝&154セーブを残し、野球殿堂入りも果たしているジョン・スモルツ氏だ。

 かねてから大谷を「最高のアスリート」と評してきたスモルツ氏は、現地9月2日に米スポーツ専門局『FOX Sports』のアナリストであるベン・バーランダー氏のポッドキャスト番組『Flippin’ Bats』に出演。そこで「オオタニは修復の治療を受けると思う。私は彼が修復せずにこのまま行くとは思わない。ということは、また1年間は投げないことになる。そこからどうなるかは時が経てば分かることだ」と語った。

 かく言うスモルツ氏も肘の腱を再建する「トミー・ジョン手術」の経験者だ。リハビリを含めた再起の道のりの厳しさは熟知している。だからこそ、大谷のように2度目の同手術を受ける選手が増加傾向にある球界の現状を嘆かずにはいられない。

 スモルツ氏は「最近の選手たちを見ていると、トミー・ジョン手術がかなり増えるというのも普通のことだと思っている」とし、強い言葉で警鐘を鳴らした。

「最近は2回もトミー・ジョン手術をしている選手が何人もいる。これは普通じゃないよ!そもそも手術に至るまでの怪我自体が野球界で起こるべきことではないのに、誰も気にしてない。誰も聞き入れない。誰も何もしないんだ。ドクターはチームや選手に警告しようとしているが、ね……。こういう状態がすぐには変わるとは思わない。トミー・ジョン手術は何度も受けるものじゃない」

 さらに大谷を「とんでもない球を持った男だ。94マイル(約151.3キロ)のスプリットやスライダー、99マイル(約159.3キロ)の速球を投げるんだ。そのような投球に、どうやって身体が耐えられるのか分からない。毎日プレーしていることは言わずもがなね。彼はバケモノだよ」と評したスモルツ氏は、球界の在り方に懸念を示した。

「今のトレーニング方法、もしくは投球方法がより多くのトミー・ジョン手術を生むキッカケにつながると思っている。私はこれを10年も言い続けて、『こうなるぞ』と予想してきた。今の球界で注目されるには誰よりも速い球を投げなくてはならず、誰もがそのために負荷のかかるトレーニング、つまりキャリアを短くするトレーニングをしているんだ」

 21年のメジャーキャリアを過ごした百戦錬磨の大投手による提言は、現役投手たちの耳にどう響くだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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