【気になる一言】ルノーと舌戦を繰り広げたレッドブルF1代表「ホンダとはカスタマー関係ではなく完全なパートナーだ」

2020年9月5日(土)21時18分 AUTOSPORT web

 2020年F1第8戦イタリアGPの金曜日、FIAが開いた会見でルノーF1のチーム代表であるシリル・アビテブールと、レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが舌戦を繰り広げた。


 まずアビテブールは、第7戦ベルギーGPでのルノーの走りから「現時点でメルセデスに次ぐ2番目に強力なパワーユニットと言っていいと思いますが、それに関しては満足しているか?」という質問に対して、こう回答した。


「2番で満足するわけがないだろ!! しかも、4社中2位なんて意味がない!!」


 2020年、ルノーは表彰台の可能性はあるのだろうか?


「いや、それはないだろう。ベルギーGPは今シーズン最大のチャンスだった。それより、まずはどのサーキットでもコンスタントに良い成績を挙げられるようにしなければならない」と、ここまでは控えめなアビテブールだったが、レッドブル・ホンダの話題となると、饒舌になっていった。


 その質問とは、なぜレッドブル・ホンダはここまで苦しんでいるのかについてだ。するとアビテブールはこんな持論を展開した。


「私はレッドブルは素晴らしいチームだと思っている。ただ、彼らは我々と団結することに失敗した。そして、彼らはホンダとも(その点で)、我々のときよりもうまくやれていないように見える。だが、(団結することで)複雑さと完璧さのレベルを高めないとF1の世界では勝てない。特にメルセデスのような強力なチームを倒すためには絶対に必要なことなんだ」

2020年F1第8戦イタリアGP シリル・アビテブール(ルノー)


 ルノーは2010年から2013年までレッドブルとともに4連覇を果たしたが、複雑なパワーユニットが導入された2014年以降は一度もタイトルを取ることができずに、2018年限りで袂を分かつこととなった。この会見の後に、別の場所で行われた非公開の会見に出席したレッドブルF1のホーナー代表は、アビテブールの主張に次のように反論した。


「彼(アビテブール)が出ていた会見は見たよ。なかなか面白かったね。だが、我々はホンダとうまくやっているよ。それは適切なパートナーシップであり、V6のパワーユニット時代になってからは、ルノーと組んでいたとき以上に密接な関係になっている」


 さらにホーナーは、ルノーとの4連覇についてもこう表現した。


「確かに我々は4回のチャンピオンを獲得し、60勝を挙げるためにルノーにエンジン代金を支払ったんだ。だが、ホンダとはそのようなカスタマー関係ではなく、完全なパートナーだ。だから彼の意見は間違っている」


 そして、日本企業であるホンダとの地理的な不利があるのではないかという指摘に対しても、こう反論した。


「パリ(ルノーのエンジン部門)とエンストン(ルノーの車体部門)ほどじゃない(笑)。ホンダのレースチームの本拠地は(レッドブルのファクトリーがある)ミルトンキーンズに構えていて、我々のファクトリーの1ブロック先の角を曲がったところにある。だからルノー時代よりも我々は密接な関係にある」


 ベルギーGPではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが3位を獲得し、ルノーの2台よりも前でフィニッシュしたが、チームメイトのアレクサンダー・アルボンはルノー2台の後塵を拝した。両チームはコース上でも白熱したバトルを展開している。果たして、アビテブールとホーナーの舌戦はこのイタリアGPでさらに熱くなるのだろうか。

2020年F1第8戦イタリアGP クリスチャン・ホーナー(レッドブル・ホンダ)
2013年F1最終戦アブダビGP セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)

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