WRC:“助っ人”ミケルセン、シーズン終盤3戦でヒュンダイ加入「選手権争いに必要な決断」

2017年9月6日(水)10時49分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているヒュンダイ・モータースポーツは9月5日、2017年シーズン終盤3戦でチームにアンドレアス・ミケルセンを迎えると発表。ラウンドごとに布陣を入れ替えて戦っていくと明らかにした。


 2017年シーズン、ティエリー・ヌービルとダニ・ソルド、ヘイデン・パッドンの3名体制でWRCに挑んでいるヒュンダイ。ドライバーズランキングではヌービルがトップと17点差の2位につけているが、チームランキングではトップのMスポーツから64点差と引き離されている。


 この状況を受け、チームはマニュファクチャラーズタイトル獲得を目指して、ドライバーラインアップのシャッフルを決断。新たにミケルセンをチームに迎えることとなった。

2017年、ミケルセンはシトロエンからWRCにスポット参戦を繰り返してきた


 チームに加わるミケルセンは2016年までフォルクスワーゲンからWRCに参戦。2017年はWRC最上位クラスでのレギュラーシートを失ったものの、シトロエンからスポット参戦を繰り返しており、第10戦ドイチェランドでは2位表彰台を手にしている。


 また、シーズン序盤にはヒュンダイのプライベートテストに合流。グラベル(未舗装路)でヒュンダイi20クーペWRCをテストしていた。


 なお、チームによればヌービル、ソルド、パッドンとの契約は維持したままだと言い、ラウンドごとに起用するドライバーを変更していくという。10月5日開幕の第11戦ラリー・デ・エスパーニャにはヌービル、ソルド、ミケルセンのラインアップで挑む。


「この決断を下すのは簡単ではなかったが、チャンピオン争いを考えた上では必要なことだった」と語るのはチームを率いるミシェル・ナンダン代表。


「アンドレアス(・ミケルセン)とは、彼がレギュラーシートを失ったときから話をしていたが、具体的なオファーはしていなかった。我々のドライバーラインアップはすでに決まっていたからね」


「しかし、チームタイトル争いが厳しくなってきたことで戦略の再考を迫られた。(これまで起用してきた)3人のドライバーも交えて議論を重ねたし、我々の決定も伝えた」


「(次の)スペイン戦についてはドライバーラインアップを確定したが、残りの2戦については状況に合わせて判断していくことになる。とにかく、アンドレアスを歓迎するし、ラリー・デエスパーニャからチャンピオン争いで巻き返しを図っていく」


■ミケルセン「チームとの長期的関係の始まりだと願う」


 シーズン残り3戦でヒュンダイに加わったミケルセンは「ヒュンダイ・モータースポーツに加わり、WRC終盤の3戦に出場できることになり、本当にうれしいよ」と語っている。

ヒュンダイが投入しているi20クーペWRCは、これまで3勝を挙げている


「チームには才能豊かな人ばかりだし、これまでの結果からヒュンダイi20クーペWRCはグラベルとターマック(舗装路)のどちらでも勝てるマシンだと証明されている」


「シーズン序盤には、チームのグラベルテストに参加したけど、その時マシンにいい感触を得ていた。僕が出場する3戦でも同じフィーリングを得られるといいね」


「僕の目標は全力を尽くして、チームのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献すること。チームとマシンを信頼しているから、戦うのが楽しみだ。僕たちの準備は整っているし、これがチームとの長期的関係の始まりになることを願っているよ」


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