スーパーGT:GOODSMILE RACING & TeamUKYO 第6戦鈴鹿 レースレポート
2017年9月7日(木)13時10分 AUTOSPORT web
2017年9月吉日
GOODSMILE RACING & TeamUKYO レースレポート 6
最後の鈴鹿1000kmは3度のパンクによりノーポイント
SUPER GT 2017 第6戦
会期:2017年8月26〜27日
場所:鈴鹿サーキット
(三重県)
天候:晴れ
動員:7万2500人(2日間)
予選:4位
決勝:19位
■8月26日(土) 100kg積みながら予選は4位!
うだるような暑さの中、昼過ぎから予選がスタート。今回も谷口選手が予選1回目を担当する。最初は路面やコースの状況を見るため、他のライバルが出て行っても様子見でピットから動かず。クリアラップが取れそうな状況になるとすぐにコースイン。3周走ったところで「1’59.479」を出して8番手タイムとなり、そのまま予選1回目を通過した。
予選2回目は片岡選手がアタック。1回目と同じく、しばらくはピットで様子を見てから出発した。そして3周目に「1’58.235」と先ほどのタイムより1秒以上も縮めて、4位で予選は終了した。100kgのウェイトハンデを詰んでいることを考えると十分すぎる順位となった。この大健闘には右京監督やドライバーたちも驚きを隠せなかった。
重要な1戦である鈴鹿1000kmで、4番グリッドからスタートできるのはかなり有利だ。
■8月27日(日) ノーポイントに終わるもランキングは2位
レース距離がいつもの3倍以上なので、決勝レースはお昼から始まり、日没の18時すぎに終了というスケジュール。朝早めのピットウォークが終了したらすぐにスタート進行となった。
スタートドライバーを務めるのは片岡選手。レースがスタートして1周目に51号車(JMS P.MU LMcorsa RC F GT3)に先行を許してしまい、5位にダウン。その後、前に51号車、後ろに60号車(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)とレクサスに挟まれてしばらくバトルが続く。この膠着した状態から抜け出すため、13周目にルーティーンのピットイン1回目。タイヤを4本交換し、ドライバーは谷口選手に交代してコースに戻る。
アウトラップで27位まで順位を落としたものの、ライバルたちもルーティーンのピットインをしはじめ、32周目には5位まで順位を戻していた。しかし、34周目に再び51号車に抜かれ6位にダウン。38周目には55号車(ARTA BMW M6 GT3)がクラッシュしたため、セーフティーカーが入る。43周目にレースがリスタートとなり、そのまますぐに2回目のピットイン。片岡選手にチェンジして、タイヤも4本交換してピットを出ていった。
19位まで順位は落ちたが、71周目には8位まで上がっていた。74周目には3回目のピットインでタイヤをすべて交換し、谷口選手が再びステアリングを握った。再び17位まで落ち、82周目には12位まで上がってきていたのだが、87周目に31号車(TOYOTA PRIUS apr GT)がクラッシュを喫し、2回目のセーフティーカーが入ったのだった。このとき、トップを走っていた18号車(UPGARAGE BANDOH 86)がマシントラブルのためガレージに入ってしまい(のちほど復帰)、レースの行方はますますわからなくなった。
94周目にセーフティーカーが戻り、レース再開。ミクAMGは徐々に順位を上げ、106周目には4位と、予選と同じ場所に戻ってきていた。そして107周目に4回目のピットインでタイヤ全交換、片岡選手にドライバーをチェンジしてコースに送り出す。
順位は13位になったものの、117周目には11位になり、このまま上がっていくものと思われたが、124周目に右フロントタイヤがスローパンクチャーを起こしてしまい、緊急ピットインをすることに。大急ぎで谷口選手に交代し、タイヤも4本交換してなんとしてもポイント圏内に戻るために追い上げる。135周目には「2’02.263」を記録しベストタイムを更新するなど調子を取り戻しつつあったが、10位を走る11号車(GAINER TANAX AMG GT3)がなかなか抜けず、バトルは終盤にもつれ込んでいった。
しかし150周目、今度は右のリアタイヤがバースト。先ほどはコースの終盤だったためタイムロスは最小限で済んだが、今回はコースの約半周を回らないといけなかったため、これで完全にポイント圏内に戻ることが不可能になってしまった。ピットイン後はドライバーは交代せず、タイヤ交換のみで再びコースに戻るも、すぐに同じ場所がバーストするという悪夢が襲う。谷口選手は再びピットアウトするも、レースは終了時間が来てしまい、19位ノーポイントという痛い結果に終わってしまった。
ただ、レース終了3分前に2位を走っていた25号車(VivaC 86 MC)がクラッシュのため戦線離脱。1位が65号車(LEON CVSTOS AMG)になったことで、ランキングは2位に下がったが1位の65号車とは2ポイント差、3位の25号車とは8ポイント差と、まだまだチャンピオンは十分射程距離内にある。
次戦タイはウェイトが半分になるので、大量ポイントを獲得してチャンピオンシップを優位に進めたい。
■チーム関係者コメント
安藝貴範 代表
重さがすべてに効いていたんでしょうね。このせいで無理するところも多かったでしょうし、予選が良かっただけに期待が大きくなってしまいました。マザーシャーシは長距離になればなるほど、燃費の良さとかタイヤの耐久性だとか優位になりますね。ピットで20秒くらいあっという間に縮めてきますから。それよりもなによりも重かった。これに尽きます。ウェイトハンデ制がしっかり機能している証拠ですね。チャンピオンシップも2ポイント差ですし、次のタイではウェイトが半分になりますから。といっても50kgもまだありますが。タイではリベンジしたいですね。
片山右京 監督
昨日の予選が良かっただけに、ガッカリ感もハンパないですね。でも、100kg積んでいるのでレースが厳しいのはわかっていたし、65号車に先に行かれたとはいえ、まだ2ポイント差だし、チャンピオンの可能性はまだ十分残っていますから。タイまでに今日ダメだった部分をみんなで検証して、できることを準備して挑むだけです。ただ、タイはライバル勢も強いですからね。去年は25号車がタイヤ無交換で勝っているし、給油速度も速いから、必ず復活してくるでしょう。最終戦はさらに厳しい状況になると思います。ですが、自分たちは自分たちで全力を尽くすだけです。
谷口信輝 選手
予選4位というところからスタートできたので、できるだけポイントをたくさん持ち帰りたいという気持ちで走ったんですけど、やっぱり100kgというウェイトはしっかり効いているらしく、我々としては予定通りのペースで走っていたんですけど、ピットのたびにどんどん順位が下がってしまって。最後のスティントでは連続してパンクしてしまいました。100kg積んで1000km走るという過酷なレースで1点2点を取りに行く勝負になると思っていたのですが、1点も取れませんでした。せめてもの救いはチャンピオンシップでさほど置いていかれなかったことですね。1位とは2ポイント差だし、まだまだ狙えますよ。
片岡龍也 選手
クルマ自体は悪くなかったんですけど、スタートで失敗して抜かれて、そこから僕のスティントは前のクルマのリアを見続けるレースでしたね。クルマの調子が良くてもやっぱり重いので前のクルマを追い越せないんです。ピットに入ればいつもどおりノーミスで送りだしてもらっているのに、なぜかどんどん抜かれてしまう。走れば走るほど順位が下がるという、フラストレーションが溜まる展開でした。最終的にはパンクですから。「す」の付くサーキットはうまくいきませんね。