稀代の巧打者・鉄平が見た大谷翔平の”凄み”。右足に乗れるから「バットに当たるし、パワーも活きる」

2022年9月7日(水)15時15分 ココカラネクスト

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 MLB史上初の「10勝&30HR」を初め、数々の歴史的偉業を達成し続けている大谷翔平。彼の規格外な能力は十分に知れ渡っているが、元プロ野球選手の目に、この男の活躍はどう映っているのだろうか。現役時代にパ・リーグ首位打者(2009年)に輝くなど巧打者として活躍し、2020、21年には東北楽天ゴールデンイーグルスで打撃コーチも務めた鉄平氏に、大谷の”凄さ”を語ってもらった。

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 打者としても投手としても超一流の結果を残している大谷について、鉄平氏は「僕は打撃の方が衝撃的」だと強調する。とりわけ、「メジャーリーガーを凌駕する日本人バッターが、生きている間に出て来るとは思いませんでした。しかも、それが二刀流という形ですからね。特にパワー。松井秀喜さんより速いペースでホームランを打ってるわけですから」と、大谷の打者としてのパワーに魅力を感じているそうだ。

 さらに、そのパワフルな打撃を可能にしている要因を「あれだけの大きい体なのに、しっかり体を使える。パワーはあるのに体の使い方や活かし方を理解していない人もいますが、大谷選手にはそれがない」と語り、自身の体を思い通りに使えていることが、衝撃的な打撃を生み出していると分析した。

 同じ左打者として、特に目を引かれるのが「右足の使い方」だという。

「めちゃくちゃアッパースイングだけど、左足でテークバックして、打つ瞬間に右足に一瞬だけ体重がしっかり乗りますよね。この一瞬、右足に体重が乗るのがとても大事なんです。ずっと左足に重心を置いておくと、間が取れなくて、ボールとバットの接点がかなり少なくなってしまいます。結果的に対応力が低くなるわけです。でも、大谷選手は打つ前に右足に体重が乗りますよね。こうしたバットに当てる高い能力を持っているからこそ、パワーも活かせる。やっぱり下半身の使い方は上手いですね」

 また、鉄平氏は、大谷が二刀流を成功させたことで、野球は新たな局面を迎えたのではないか、とも言う。彼の活躍によって、日本のみならず世界でも二刀流の波が来ると感じているのだ。

「(二刀流は)増えるんじゃないですか。松坂大輔さんも、そういう文化があればできたかもしれないです。大谷選手は究極の野球の形。その扉を開いてくれています」

 新たな時代の先駆者。大谷には大きな期待が寄せられているが、その道のりは想像するよりもずっと険しい。同じプロの世界に身を置いて来た鉄平氏だからこそ、感じられる事もある。

「大谷選手の前に道はないので、彼の歩いた道が道になっていく。簡単ではないところを一人で進んでいるので、ぜひ行けるとこまで頑張って行ってほしいですね。何年後になるか分かりませんが、大谷選手と同じような選手が出てきたら、良い道しるべになってくれるといいなと思います」

 大谷の歩む道の険しさに理解を示しつつ、野球界の未来や子供たちの為にも「頑張ってほしい」とエールを送った。鉄平氏自身も「いちファンとして注目しています」と、別次元の野球選手になった二刀流の活躍を楽しみにしているようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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