穴党記者が京成杯AHを徹底分析。開幕週でも狙いは末脚自慢の4頭だ

9月7日(土)6時37分 Sportiva

 いよいよ秋競馬が開幕。関東では9月8日にGIII京成杯オータムハンデ(中山・芝1600m)が行なわれる。

 ハンデ戦ということもあって、波乱の決着への期待が膨らむが、ここ3年間はいずれも1番人気が勝利。過去10年を振り返っても、1番人気3勝の他、2番人気が4勝、3番人気が1勝と、比較的手堅いレースといった印象が強いかもしれない。

 しかし、1番人気が馬券圏内(3着以内)に入ったのは、直近3年に勝った3頭だけ。2着には過去10年で6番人気以上の伏兵が8回も突っ込んできていて、何度となく波乱を演出している。穴党の出番も十分にあるレースと言えるだろう。

 では、どんな馬を狙えばいいのか。開幕週の定石としては先行馬だが、日刊スポーツの松田直樹記者はそうした考えに異を唱え、こう語る。

「開幕週の芝レースでは馬場がいいため、どこのコースでも『先行有利の前残り』と、誰もが思いがち。しかし、それはあくまでもイメージにすぎません。

 それに中山競馬場では、2012年の京成杯AHのレコード決着を受けて、2013年以降、秋開催の前には芝コースのクッション性を高めるため、路盤に穴を開けるエアレーション作業を施しています(※2014年秋は路盤改修のため、中山開催なし)。その効果もあってか、昨秋の最初の芝レース(2018年9月8日/2歳未勝利)では、勝ち馬が豪快な外差しを決めました。

 クッション性が高くて柔らかい芝は、スピードだけではとても押し切れません。中山の芝コースは以前よりも、差し・追い込み勢の台頭が目立つ舞台に姿を変えました。実際、過去4年はメンバー最速の上がりを繰り出した馬が連対を果たしています」

 そして、松田記者がまず狙うのは、ストーミーシー(牡6歳)だ。前走のオープン特別・朱鷺S(8月25日/新潟・芝1400m)でも、メンバー最速の上がりタイムを駆使して快勝している。

「今年に入ってから、9戦中6戦でメンバー最速の(最速タイも含む)上がりタイムをマークするほどの脚力自慢の馬です。前走の、直線に向いてからの加速には、鳥肌が立ちました。脚質的にどうしても展開に左右されてしまいますが、ここ数年の傾向どおりであれば、決め手を生かしての直線ごぼう抜きがあっても不思議ではないでしょう。

 さらに、ストーミーシーは中山・芝1600mが舞台の重賞で好走を繰り返しています。2016年のGIIニュージーランドトロフィーでは、ハナ差の2着。2018年のGIIIダービー卿チャレンジトロフィーでは、勝ち馬からコンマ2秒差の3着でした。昨年のこのレースも、着順は7着でしたが、勝ち馬とはコンマ4秒差と僅差の勝負を演じています。一発を期待したいですね」


重賞初制覇を狙うプロディガルサン

 松田記者はもう1頭、プロディガルサン(牡6歳)にも目を向ける。全兄にリアルスティール、全妹にはオークス馬のラヴズオンリーユーがいる良血馬。同馬も初の重賞タイトルがほしいところだろう。

「プロディガルサンは、抜け出すと走るのをやめてしまったりする、難しい気性の持ち主ですが、血統的にも素質が高いのは確かです。勝ち味に遅いのも気になりますが、ペースが流れるマイル戦のほうが集中力は持続できます。

 6着に終わった前走のGIIIエプソムC(6月9日/東京・芝1800m)は、同馬にとっては、速すぎる上がりを求められる不運に泣きました。2走前、3走前に2着となったように、後方勝負にかければ、今回は展開がハマってもおかしくありません。ハンデ55㎏というのもいいですし、楽しみな存在です」

 翻(ひるがえ)って、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、このレースの行方を占ううえで「目安となるポイントがひとつある」と言って、こう語る。

「ひとつのポイントというのは、前半3ハロンのラップがどれぐらいになりそうか、それを見極めることです。それによって、全体時計が2〜3秒、変わってきますから。

 そして今年のメンバーでは、道中は折り合い重視で、終(しま)いの脚を生かしたい馬が多く、引き締まったラップにはならない見立てとなります。ということは、全体時計はあまり速くならず、勝ち負けを演じるには、どれだけ鋭い切れ味が使えるか。仕掛けひとつでは、前が残ることも考えておきたいです」

 そんな吉田記者が最初の名前を挙げたのは、ディメンシオン(牝5歳)だ。

「時計が速い決着だった前走のGIII関屋記念(8月11日/新潟・芝1600m)でも、勝ち馬とコンマ1秒差の4着と好走。これまで、12戦して掲示板(5着以内)を外したことが3度ありますが、そのうち2回は3歳時のもの。もう1回は半年ぶりの実戦だった前々走のオープン特別・米子S(7着。6月16日/阪神・芝1600m)で、万全であれば、常に安定した力を発揮します。

 上がり勝負に強いディープインパクト産駒というのも魅力。5着に敗れた昨年12月のGIIIターコイズS(中山・芝1600m)と同じハンデ53㎏ですが、当時よりも気性面での成長が見られますし、もうひと押しが利けば、タイトル奪取は目前ですよ」

 実は、吉田記者はこのディメンシオンよりも注目している馬がいると言う。

トロワゼトワル(牝4歳)です。これまで、馬の成長を妨げることなく、無理のないローテーションで使ってきたことが奏功して、ようやく心身のバランスが良化。体質がしっかりとしたことで、口向きやハミ受けもスムーズになりました。その結果、ここ3走は好位でレースを進めて、1着、2着、1着。本格化の兆しを見せています」

 ただし、同馬はこれまでマイル戦を5戦して1勝、2着1回、着外3回。1勝を挙げたデビュー戦以来、勝ち星を挙げられていない。その点に不安はないのだろうか。

「確かに、同馬のベストは芝1400m戦の印象がありますが、前々走のマイル戦で2着と好走。距離については、そこまで心配する必要はないと思います。

 52㎏の斤量で、いいところから立ち回れることは優位に働く公算が高いです。およそ2カ月ぶりのレースになりますが、そもそも一戦必勝のスタイルですから、何ら不安はありません。重賞挑戦は3歳春以来となりますが、いきなり通用するんじゃないでしょうか」

 秋の競馬シーズン。GIシリーズも間近に迫ってきた。その資金を確保するためにも、ここに挙げた馬たちで高配当を狙うのも悪くない。

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