「F1初開催のムジェロは、タイヤへの負荷が大きく戦略が未知数」とピレリ

2020年9月10日(木)13時16分 AUTOSPORT web

 今週末にイタリアのムジェロ・サーキットでF1世界選手権が初めて開催される。この2020年F1第9戦トスカーナGPは、フェラーリにとって1000回目の記念すべきF1レースとなる。


 トスカーナの丘に位置するムジェロは、高低差が激しく、幅が狭く、路面にバンプがあるコースであり、こうした特徴が古き良き時代のサーキットという印象を与える。現在の様式のサーキットは1974年に開設されたが、そのルーツは1914年のロードコースにまで遡る。


 15カ所のコーナーは主に中速から高速コーナーであり、1周5.2kmのコース全体には、タイトなシケインやビッグブレーキングポイントといったものはほぼない。


 右コーナーのふたつのアラビアータ・コーナーはムジェロのコースのなかで最速のコーナーであり、おそらくF1マシンは時速260kmから270kmで全開で通過することになるだろう。


 ムジェロのレイアウトは非常に難易度が高く、すべてのコーナーはそれぞれ異なる理由から重要だ。ラップ序盤に位置するルコ、ポッジョ・セッコ、マテラッシの複合コーナーでは、エイペックスで可能な限り高い速度を維持して完璧なレーシングラインを取って走る必要がある。ラップ終盤の高速S字コーナー、ビオンデッティは、次のラップをうまくスタートするために重要な場所だ。


 ムジェロのアスファルトは荒いことで有名で、タイヤには大きな負荷がかかる。コースが最後に完全に再舗装されたのは2011年のことなのだ。


 現在の非公式F1ラップレコードは、2004年にフェラーリのルーベンス・バリチェロが出した1分18秒704だが、この記録は今年破られることになるだろう。ムジェロはF1レースで使用されたことがなく、バイクレースの舞台としての方が有名だが、かつてF1のテスト会場として使用されたことはある。


 トスカーナGPは今年イタリアで3回行われるグランプリの2戦目にあたる。Covid-19感染拡大防止のため、今年のF1は無観客で開催されてきたが、トスカーナGPの週末には2880人のファンの入場が許可される。

2020年F1第9戦トスカーナGPの舞台ムジェロ・サーキット

「ムジェロが世界選手権のカレンダーに加わったのは素晴らしい。ピレリにとってはいっそう特別なことだ」とピレリのF1およびカーレースの責任者であるマリオ・イゾラは語った。


「ここは2010年8月に我々がF1タイヤを初めて走らせた場所なのだ。2011年からF1にタイヤを供給する契約について発表するわずか2カ月前のことだった」


「圧巻の超高速サーキットであり、間違いなくタイヤに大きな負荷がかかる。そのため我々は最もハード寄りのコンパウンドを選択した」


「新たな会場ではどこでもそうだが、ムジェロはほとんどのドライバーにとって未知の場所で、戦略についていえば、完全に白紙の状態だろう。フリー走行はできる限り多くのデータを集めるうえで特に重要だ。各チームは、すべての状況での各タイヤの情報を可能な限り収集するプログラムを組むだろう」


「我々の側では、ムジェロで行われた他の選手権のデータを分析することでも準備を行うことができている。フェラーリが1000レース目という素晴らしい節目を迎えることに祝意を伝えたい。チームをF1で象徴的な存在にするひとつの要素であり、祝賀にふさわしいことだ。さらに、我々がタイトルスポンサーを務めることもうれしく思う」

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