アプト・クプラXE、IAAで2022年向け『タヴァスカン・エクストリームE・コンセプト』を発表

2021年9月10日(金)16時0分 AUTOSPORT web

 電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』に参戦しているスペインの自動車ブランドCUPRA(クプラ)は、現在ドイツのミュンヘンで開催されているIAA Mobility 2021(IAAインターナショナル・モビリティ・ショー)にて、来季のワンメイク車両『オデッセイ21』に実装する予定の新形状デザインスタディ『Tavascan Extreme E Concept(タヴァスカン・エクストリームE・コンセプト)』を発表した。


 今季創設の新シリーズにABT CUPRA XE Team(アプト・クプラXEチーム)として参戦中のSEAT(セアト)高性能部門は、チャンピオンシップで共同戦線を張るマネージングパートナー、アプト・スポーツライン代表のハンス-ユルゲン・アプトと、同スポーツマーケティング代表ハリー・アンフラス、そしてチームの女性レギュラードライバーを務める“砂漠の女王”ことユタ・クラインシュミットが同席して、この新型コンセプトモデルのアンベイルを実施した。


 このデザインスタディは、2024年にクプラが市場投入を予定するブランド第2弾のフルEV『CUPRA Tavascan(クプラ・タヴァスカン)』のエクステリアを示唆するもので、最大出力400kW(約544PS)の電動パワートレインを搭載する現行の『e-CUPRA ABT XE1(eクプラ・アプトXE1)』に架装し、2022年シーズンでの実戦投入が計画されている。


「正確に言えばほぼ1年前、我々はクプラとのパートナーシップを発表し、現在マティアス・エクストロームやユタがドライブする『eクプラ・アプトXE1』の設計デザインを発表した。それ以来、このパートナーシップはトラックの内外を問わず、ともに多くの注目を集めてきた」と語るのは、アプト・スポーツラインのCEOであるトーマス・ビエルマイヤー。


「クプラのデザイナーとエンジニアによる独自のボディワーク開発は、緊密で成功したコラボレーションの次のステップになる。このタヴァスカン・エクストリームE・コンセプトは、現時点で細部に至るまで突き詰められたデザインを持っているし、すぐに最初のトロフィーを獲得するのが我々の仕事になるだろうね」


 シリーズの車両規定により、ワンメイクEVの前後ボディワークはブランドごとに量産車との関連性を想起させる独自デザインの採用が許されており、すでにSEGI TVチップ・ガナッシ・レーシングは北米の巨人、ゼネラルモーターズ(GM)傘下のブランド『Hummer(ハマー)』のファミリーフェイスを採用している。

2024年にクプラが市場投入を予定するブランド第2弾のフルEV『CUPRA Tavascan(クプラ・タヴァスカン)』のエクステリアを示唆するデザインに
エッジの効いた複数の三角形を、それぞれLEDテクノロジーを用いた灯火類に採用。3Dプリンターによる造形が用いられる
ボディワークも「地球環境保全とその啓蒙」を掲げるシリーズのビジョンに対応し、亜麻科の植物から抽出された繊維により成形


■TCRカーと同様に、3Dプリンター技術を多用したボディワーク


 このためボディシェイプを変化させることなく前後デザインを大幅に変更したクプラは、ブランドのデザインアイコンにもなっているエッジの効いた複数の三角形を、それぞれLEDテクノロジーを用いた灯火類に採用し、フレームには3Dプリンターによる造形が用いられた。


 その製造時間はわずか6時間と効率的な進化を果たし、事故によるものであれ、ライトの位置変更によるものであれ、チームは面倒で高価な工具を必要とせず「非常に迅速にコンポーネント変更に対応可能になる」とされている。


 そのボディワークにも「地球環境保全とその啓蒙」を掲げるシリーズのビジョンに対応し、カーボンを用いる炭素繊維素材を置換して亜麻科の植物から抽出された繊維により成形。この繊維素材を用いた材料は従来のカーボンと同じ方法で加工できることから、エンジニアが必要とする形状を再現することも可能になり、同時に車体製造上の環境負荷も軽減するという。


「このクルマはクプラブランドのDNAと将来の方向性を示唆するデザインを備えている。次世代への進化形としての役目もあるんだ」と語ったのは、クプラ・レーシングの技術開発責任者であるシャビ・セラ。


「我々のTCRマシン同様に3Dプリンターを多用したボディワークは、要素の復元を可能な限り効率化するとともに、ボディ全体に亜麻繊維を使用して持続可能性をさらに高めているんだ」


 性能面では総電力量54kWhのバッテリーをシート後方に搭載し、1780kgもの車両重量を抱えながら0-100km/h加速で約4秒以下のパフォーマンスを実現する。この点で『オデッセイ21』からの変更点はないものの、クプラ・レーシングはこのIAAにて「未来の都市型電気自動車のプロポーションをレーシングカーに変換した」というスタディモデル『CUPRA UrbanRebel Concept(クプラ・アーバンレーベル・コンセプト)』も同時発表。


 こちらも2025年投入予定の電気自動車を示唆するスタディながら、全長4080mm、全幅1795mm、全高1444mmというBセグメント級のボディサイズに、ピーク時最大320kW(約435PS)を発生するEVパワートレインを搭載し、0-100km/h加速3.2秒のパフォーマンスが与えられている。

最大出力400kW(約544PS)の電動パワートレインを搭載する現行の『e-CUPRA ABT XE1』に架装し、2022年シーズンでの実戦投入が計画されている
同時発表されたスタディモデル『CUPRA UrbanRebel Concept(クプラ・アーバンレーベル・コンセプト)』
ピーク時最大320kW(約435PS)を発生するEVパワートレインを搭載し、0-100km/h加速3.2秒のパフォーマンスが与えられている

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