PWC:2台のアキュラNSX GT3、変則3レースのスプリントX戦で計5回のトップ10

2017年9月11日(月)17時53分 AUTOSPORT web

 北米で開催され、都合10メーカーのマシンが参戦するハイレベルなGT3カテゴリーとなっているPWCピレリ・ワールドチャレンジ。そのスプリントX形式でのイベントが9月1〜3日にテキサス州のF1トラック、COTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で開催され、2台体制で参戦するリアルタイム・レーシング(RTR)のアキュラNSX GT3が、都合5度のトップ10フィニッシュを飾った。


 シングルドライバー形式の本戦とは異なり、ドライバー交代を義務付ける60分のセミ耐久方式で争われる『スプリントX』は、このイベントでラウンド8、ラウンド9が開催されるスケジュールとなっていたが、5月に開催されたカナディアンタイヤ・モータースポーツパークでのラウンド4が悪天候で順延となっていた影響もあり、急きょ、このCOTAの金曜に代替戦を開催することが決定。週末に60分レースを3ヒートこなすという変則的なスケジュールとなった。


 その他のスプリントXラウンドと同様に、RTRはライアン・エバースレーのアキュラNSX GT3の43号車にトム・ダイアー、ピーター・コックスの93号車にマーク・ウィルキンスを起用。ラウンド3のリザルトがそのまま適用されたグリッドとなり、それぞれ11番手、15番手からのスタートとなった。

レース開始早々にボンネットが吹き飛ぶアクシデントに見舞われた93号車のピーター・コックス


 その金曜夕刻の代替戦で93号車のスタートドライバーを務めたコックスだったが、彼のマシンはスタート早々にボンネットが吹き飛ぶアクシデントが発生。チームはボンネットを剥ぎ取った状態でレースを続行しようと試みるも、適切なクーリングチャンネルがない状態でマシンを走行させると、エンジンの冷却にも影響が及ぶとの判断からマシンをストップ。早々のリタイアとなってしまった。


 一方、43号車をドライブしたダイアーは、クリーンにスタートを決めていったものの、ドライバー交代を目前に控えた中盤に他車との接触からスピン。


「誰にぶつけられたかわからない」とマシンを降りた直後に語ったダイアー。


「それは僕らのマシンをストップさせるほどではなく、ダメージもなさそうで命拾いしたが、それでも僕らは多くのタイムを失った」と、まさかのアクシデントに不満げ。


 しかしバトンを引き継いだエバースレーは、夕闇が迫る後半スティントで猛チャージを見せ、9位まで挽回することに成功。「何台かとバトルも楽しめたし、ファンもナイトレースのアクションを満喫できたんじゃないかな」と、こちらは対照的に満足した表情を見せた。

代替戦となったRd.4は58号車のパトリック・ロング組ポルシェ911GT3Rが勝利


 続く、COTAでのオン・スケジューリングとなるラウンド8の予選が、灼熱となった土曜の正午過ぎに行われ、エバースレーが9番手、コックスが14番手のグリッドを獲得。


 その3時間後にシングルグリッドからスタートした43号車エバースレーは、前半スティントでポジションを上げ、6番手まで上がったところでダイアーにスイッチ。

土曜のRd.8はスタート早々に多重クラッシュ発生でフルコースイエローに


 しかし、この際のピット作業で停止時間に違反があったとしてドライブスルーのペナルティが課され、ダイアーは予選グリッドと同じ9位でチェッカーをくぐることに。


 一方、リスクを避けるように慎重なドライブに徹していたコックスの93号車は、ドライバー交代の作業もノートラブルで乗り切り、ウィルキンスが7位でフィニッシュ。前日の“凡ミス”ともいうべきトラブルからの雪辱を晴らすトップ10入りとなった。


 明けた日曜のラウンド9は今季のスプリントX最終戦となり、前日のベストラップ順のグリッドポジションからのスタート。43号車は14番手、93号車が16番手から上位進出を狙う戦いに。


 43号車のスタートドライバーを務めたダイアーは、グリーンとともに抜群のダッシュを決めると、2コーナーで発生したキャデラックATS-V.R.GT3とフェラーリ488 GT3のクラッシュをすり抜け、大幅なポジションアップに成功。このアクシデントですぐさまフルコースイエローとなったトラック上で、7番手に浮上する。


 一方、こちらも好スタートを切っていた93号車のウィルキンスだが、アクシデントを回避するためハードブレーキングを強いられ13番手までポジションダウン。


 その後、グリーンフラッグでレース再開後は、ドライバー交代までに2台のマシンをオーバーテイクし、コックスへとスイッチする。


 そして43号車のダイアーはさらにポジションを上げ、ピットレーンに戻ってきたときには4番手にまで浮上していた。


 迅速なピット作業を行った93号車と合わせて、エバースレー、コックスの2台は7、8番手でトラックに復帰すると、終盤には3番手を走行していたリッキー・テイラーのキャデラックがスピンオフし、それぞれひとつずつポジションアップ。

一時は7番手まで浮上した93号車だが、最後にかわされ8位フィニッシュ


 しかし、最終的にスピンから挽回したキャデラックが93号車を捕まえ、これでNSX GT3は8番手に後退。さらに43号車はフィニッシュ目前に左リヤのパンクにより、裂けたタイヤ片がボディワークを破壊するアクシデントに見舞われながらも、なんとかポジションキープのまま6位、8位でチェッカー。2日連続で2台揃ってのトップ10フィニッシュを達成した。

日曜のRd.9は2号車、ライアン・ダルジル組のメルセデスAMG GT3が制した


 これで初のスプリントXを終えたRTRはランキング7位。ドライバーズでは、43号車エバースレー/ダイアー組が9位、93号車コックス/ウィルキンス組が12位でシリーズを終えた。

スプリントX単独での初タイトルは、8号車のキャデラックATS-V.R.GT3、マイケル・クーパー/ジョーダン・テイラー組が獲得


 続くPWCは通常のGTチャンピオンシップに戻り、残り2戦。第8・9戦として9月15〜17日に、ソノマで開催される。


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