白鵬の怒りの矛先が貴景勝に? 貴ノ富士暴行事件の余波

9月11日(水)7時0分 NEWSポストセブン

2度目の暴行事件を起こした貴ノ富士

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 横綱・白鵬の日本国籍取得と同じ日に発覚したのが、千賀ノ浦部屋の貴ノ富士(十両5・元「貴公俊」)の暴行事件だった。こちらの事件をより大きく報じたスポーツ紙も少なくなかった。


「白鵬は“今日(帰化が認められた9月3日)が白鵬翔の誕生日だ”と大喜びだったのに、話題を横取りされて憤懣やるかたないでしょう。貴乃花親方とは激しく対立していましたが、その元弟子に晴れの日を汚された格好です。怒りの矛先は同じく貴乃花親方の元弟子で、今場所で大関復帰を目指す貴景勝にも向くのではないか。2人の取組はかなり激しい一番になるはずだ」(担当記者)


 そして、カド番で迎えた7月の名古屋場所を全休し、関脇に陥落した貴景勝もまた、複雑な事情のなかで本場所を迎えている。


 実は、貴ノ富士による付け人への暴行事件からは、「千賀ノ浦部屋の複雑な内情が垣間見える」(ベテラン記者)のだという。


「貴乃花部屋時代の約1年前にも、貴ノ富士は序二段の付け人を殴る暴力事件を起こしている。貴乃花親方が退職するきっかけの一つとなった事件だ。その後、貴乃花部屋は解散し、千賀ノ浦部屋に合併吸収されたわけだが、それによって部屋の中に3つの異なる経歴の力士が併存するようになったのです」(同前)


 もともと千賀ノ浦部屋は出羽海一門の部屋だった(現在は二所ノ関一門)。元関脇・舛田山が2004年に春日野部屋から独立して部屋を興した。その後、2016年に現在の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)が継承。そして昨年、貴乃花部屋を吸収した。そのため「先代の千賀ノ浦親方」の育てた力士、「現在の千賀ノ浦親方」がスカウトした力士、そして「元貴乃花親方」の弟子たちという3つの異なる経歴を持つ力士たちが、一つの部屋に集まっているのだ。


「とりわけ心配されているのは、先代の育てた力士たちと、現千賀ノ浦親方のもとで育ったグループの間に溝があることです。というのも、現在の部屋の建物は先代の所有で、今も先代夫婦が最上階に住んでいて影響力が強い。大阪場所でも先代時代からの弟子たちだけの会食が催されていた。いまは同じ部屋の弟子なのに扱いが違って、きちんと稽古に集中できる環境なのか懸念されていた」(同前)


 もともとそうした構図があったところへ元貴乃花部屋の力士が入ってきたのだ。


「人気と実力があるのは、貴景勝をはじめとする元貴乃花部屋の力士。ただ、彼らは路頭に迷いかねないところを千賀ノ浦部屋に救ってもらったかたち。それなのに番付が上だから、もともと千賀ノ浦部屋にいた力士が付け人になる。今回、貴ノ富士が暴力を振るったのは現在の千賀ノ浦親方のもとで育った序二段力士でした。親方も怒り心頭でしょう」(二所ノ関一門の親方)


 結果として、貴景勝の場所前の調整にも不安が残った。連合稽古などでは関取衆を相手に負け越し、各メディアも調整の不安を報じた。


「貴景勝は夏巡業を全休し、部屋での稽古を避けて、母校の埼玉栄高で高校生相手に稽古をしていた。埼玉栄で膝を専門とするトレーナーらと治療にあたるということだったが、部屋の夏合宿(8月6〜10日)も欠席した。親方のもとではないところで稽古をする状態が続いていたのです。


 千賀ノ浦部屋の女将さんが書いている部屋のブログでは、貴景勝の誕生日(8月5日)にわざわざ、女将さんから貴景勝への手紙が掲載された。〈師匠と私から目に見えないバースデーケーキを贈ります〉といった内容だが、わざわざネットに掲載されたのは、問題ないとアピールするためだったのではないか」(同前)


 ある千賀ノ浦部屋の後援会関係者は「元貴乃花部屋のグループを疎ましく思う勢力が部屋の内部分裂とか、親方と貴景勝の不仲とかの話を流している」と説明したが、状況はやはり複雑だ。


 カド番で迎えた7月の名古屋場所、膝のケガを抱える貴景勝は強行出場しようとしたが、千賀ノ浦親方との5時間に及ぶ話し合いの末に休場した。


「そのまま大関陥落が決まり、貴景勝は忸怩たる思いもあったでしょう」(二所ノ関一門の親方)


 10勝で大関復帰が叶わなければ、また大関獲りを一からやり直しだ。角界の新星は重いものを背負って秋場所の土俵に臨んでいる。


※週刊ポスト2019年9月20・27日号

NEWSポストセブン

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