片山晋呉が深いラフ対策で再びドライバー封印! 『カーボン×カーボン』のウェッジ専用シャフトも投入
2024年9月11日(水)18時53分 ALBA Net
いよいよ明日12日(木)から千葉カントリークラブ・川間コースを舞台に50歳以上の日本一決定戦「日本シニアオープン」が開幕する。片山晋呉はその深いラフへの対策としてドライバーを抜く決断をした。
2008年の「日本オープン」(古賀ゴルフクラブ)でもドライバーをバッグに入れずに、4日間でただひとりアンダーパーをマークして優勝している片山。2016年の日本オープン(狭山ゴルフクラブ)でもドライバーを抜いて5位に入っている。また、昨年のレギュラーツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」では、今平周吾がドライバーを抜いて3番ウッドを2本入れて優勝したことも記憶に新しい。
「(ドライバーを抜くのは)古賀でも狭山でやっていて4回目くらい。僕にはそんなに距離が長くないし、フェアウェイが狭くてラフが深いからね。先週(コマツオープン)はラフからでも打てたけど今週は打てない。ドライバーは飛ぶと転がってラフに入っちゃう。フェアウェイは硬くなるだろうから余計に入っちゃう。だからドライバーは要らないかなと」。片山はその意図を説明する。
一番飛ぶクラブはテーラーメイドのミニドライバー『オリジナルワン』のロフト13.5度で、「メルカリで2万3千円。昨日届きました」という。これに先週までドライバーに挿していたシャフト、50グラム台のTRPX(トリプルエックス)の『Fabulous(ファビュラス) Ni-Ti 50 X』よりも重い60グラム台の『Fabulous Ni-Ti 60 X』の43.5インチを組み合わせた。
「ミニドライバーはティショット用。2つで届かないパー5は諦めている。10番のパー5はドライバーを使ったら2オンするけど、4回打って何回フェアウェイに行くのかっていう話。ラフに入ったらどうせ刻むし、これだったら4回フェアウェイに行く。左に行かないシャフトで1個重たくしたから安定する。18番パー5(520ヤード設定)は基本的にフォローだから、ミニドライバーでティショットを打ってもセカンドは7Wで届く」
そしてもう1本、ティショット用に入れているクラブがある。古賀での日本オープンでも使っていたナイキ『T-100』の4番ユーティリティだ。「ちょっと曲がったホールがあるので、コーナーまで飛ばしたくないときに使います」。ミニドライバーはキャリー250ヤード、ナイキの4Uはキャリー225ヤード、その下の7Wはキャリー220ヤードという変則的なセッティングとなる。
「球の高さが全然違う。(ナイキの)4Uはライナーで飛ぶから7Wより距離が出る。ティショットで3、4回は使うんじゃないかな。フェアウェイからは使わない」と片山は話す。ナイキの4Uはグリーンに止めるクラブというよりは、ティショットで飛ばすためのクラブ。強いライナー系のドローボールが打てるのだ。たとえティショットがラフに入ったとしても、7番ウッドの下には「ショートアイアンよりもやさしい」というユーティリティが4本入っており、グリーンに届かせる技術が片山にはある。
また、60度のウェッジにはBGT(ブレイクスルー・ゴルフ・テクノロジー)のウェッジ専用シャフト『RED ZNE』(レッドゾーン)を投入する予定。これは太さと機能の異なる2本のカーボンシャフトをつなぎ合わせた構造で、その接合部が硬いのが特徴。クラブ全体の重量のバランスが良くなるように設計されている。また、改良されたカーボンチップで打ち出しが低くなるようにも仕上げられ、ソフトフィーリングでありながら距離感とコントロール性を両立する。日本のツアーで使うのはおそらく片山が初めてとなるだろう。
「できてきたのが一昨日で、試したのは昨日。シャフトの振動が安定する。ラフからも打ちやすいからちょうど良かった」。これは深いラフからのアプローチで威力を発揮しそうだ。ちなみに、この『RED ZNE』はゴルフショップで注文すれば購入することが可能。オープンプライスで実勢価格は税込3万9600円となっている。
深いラフ対策としてドライバーを抜いて、ティショット用のミニドライバーと古いユーティリティの2本を用意し、そしてウェッジ専用シャフトを投入する片山。らしいとも言えるクラブセッティングで2008年以来となる日本タイトル制覇を目指す。
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