土曜スプリントはサンテロ、日曜決勝はバリオと、TGRAのトヨタ・カローラが完勝/STC2000第9戦

2022年9月16日(金)17時48分 AUTOSPORT web

 南米大陸で“技術的最高峰カテゴリー”を自負するハイテクFFツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)の第9戦が9月11〜12日の週末に開催され、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのエース、ジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)が土曜のスプリント戦を制覇。続く日曜ファイナルでも、その僚友を務める18歳の新鋭ホルヘ・バリオ(トヨタ・カローラSTC2000)が大逆転でのシリーズ2勝目を飾り、トヨタ陣営が週末“クリーンスイープ”を達成している。


 2018年に新設されたアウトドローモ・サン・フアン・ヴィリクムでの1戦を前に、地元アルゼンチンのTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)の契約ドライバーたちは国内のみならず海外でも印象的な活躍を演じ、8月27〜28日にアルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンドで開催されたTCRサウスアメリカ・シリーズ第6戦では、弱冠18歳のバリオが注目の実戦デビューとなった“南米発”の新型モデル『トヨタ・カローラGRS TCR』のステアリングを託されることに。


 レースでは一時5番手まで浮上し、序盤戦で快走を披露したものの、残念ながらサスペンションの問題でリザルトは残らず。それでもトラブルを解消し、再びコースインしてチェッカーを受けるなど、実戦でのロングランデータ収集という重要なミッションをこなした。


 一方、今季より先輩マティアス・ロッシの後継者としてチームのエースに就任したサンテロは、すでに“越境参戦の成功者”としての地位を確立するロッシの後を追うように、SCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”の第8戦にエントリー。


 普段慣れ親しんだ400馬力級のFFツーリングカーから乗り換え、600馬力超えのリヤ駆動ストックカーをぶっつけ本番でドライブしたサンテロだったが、ヴェロチッタのFP2でいきなりのトップタイムをマークして関係者を驚かせると、レース1でもトップ5を争うスピードを披露。レース2でも2位チェッカーを受けるなど、ジャンプスタートやアクシデントのタイム加算ペナルティで戦績こそ振るわなかったものの、鮮烈な印象を残す週末となった。


 その流れで迎えたSTC2000の第9戦は、快晴の公式練習でアクシオン・エナジー・スポーツSTC2000の2019年王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)の最速で幕を明けるも、その背後には0.383秒差でバリオとサンテロのカローラが続いていく。

スプリント戦は隣国チリ出身のフェリペ-バリオ・ブストス(ルノー・フルーエンスGT)のリバースポールで幕を明けた
セーフティカーからの最終サバイバルを経て、ポディウムの顔ぶれがガラリと一変する結果となった
日曜はシボレーYPFチームの王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)と17歳のイグナシオ・モンテネグロ(ルノー・フルーエンスGT)のフロントロウに


■土曜スプリントはサンテロ、日曜決勝はTGRAの新鋭が勝利を飾る


 そのまま決勝ペース重視の戦略を維持したTGRAに対し、14時20分からの予選ではシボレーYPFチームの王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)と17歳のイグナシオ・モンテネグロ(ルノー・フルーエンスGT)にフロントロウこそ譲ったものの、ここで2列目3番手としたバリオと、7番手に終わったサンテロともに、16時25分に開始される12周スプリントに向け手応えを得るセッションとなった。


 予選トップ8リバースのグリッド順により、隣国チリ出身のフェリペ-バリオ・ブストス(ルノー・フルーエンスGT)のポールで幕を明けたレースは、隣に並んだサンテロが労せずしてリーダーの座を手にすることに成功。


 周回を重ねるごとに首位の座を確かなものとし、シボレーのカナピノを筆頭にマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT)、フランコ・ヴィヴィアン(シトロエンC4ラウンジ)の間で繰り広げられる3番手争いを尻目にリードを拡大していく。


 しかし終盤戦に無情のセーフティカーが出動し、残り1周のリスタートで文字どおりの“ファイナル・スプリント”を強いられると、ここで動じなかったサンテロはトップのままフィニッシュラインに到達し、今季土曜3勝目をマーク。最後の接触バトルで王者カナピノがブストスから2位をもぎ取り、FDCモータースポーツのシトロエンに乗るヴィヴィアンも3位浮上でチェッカーを受けた。


 明けた日曜の40分+1ラップ勝負は、正真正銘のポールシッターであるカナピノが序盤から盤石のリードを築く展開に。その背後から、同じティーンエイジャーのモンテネグロとともにシボレーを追ったトヨタのバリオは、レース21分が経過したところで大きな機会に恵まれる。


 バックストレートエンドで警告のフラッグが振られていたオイルパッチに足元を掬われ、ブレーキングでオーバーシュートしたシボレーを視界に捉えたバリオは、そのまま現役チャンピオンとのバトルを強いられることなく首位浮上に成功。


 2番手を死守して追い縋るカナピノと、チームプレーにより後輩モンテネグロにポジションを譲られた2019年王者ペーニャが迫るなか、賢いレース運びを見せたバリオは、終盤フロントタイヤの1本にトラブルを抱えたものの、そのまま首位を守り切ってチェッカー。TGRAの新鋭が逆転でのキャリア2勝目を手にした。


 2位カナピノ、3位ペーニャと続いた結果、スタンディング上ではアクシオン・エナジー・スポーツのエースが228点でリーダーの座を守り、203点のカナピノ、199点のベルナルド・ラヴァー(シボレーYPFクルーズ)に続き、198点のサンテロ、167点のバリオが続く状況に。次戦のSTC2000第10戦はシリーズおなじみの耐久戦として、10月1〜2日に『ブエノスアイレス200km』が開催される。

ブレーキングでオーバーシュートしたシボレーを視界に捉えた18歳の新鋭ホルヘ・バリオ(トヨタ・カローラSTC2000)は、そのまま現役王者とのバトルを強いられることなく首位浮上に成功する
終盤フロントタイヤの1本にトラブルを抱えたものの、そのまま首位を守り切ってチェッカー。TGRAの新鋭が逆転でのキャリア2勝目を手にした
次戦のSTC2000第10戦はシリーズおなじみの耐久戦として、10月1〜2日に『ブエノスアイレス200km』が開催される

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