WRCチリには全10台のラリー1が集結。今季最後のグラベルラウンドにトヨタが4台投入

2024年9月18日(水)14時9分 AUTOSPORT web

 9月26日(木)から29日(日)にかけて、南米チリで開催される2024年WRC第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』。2024年シーズン最後のグラベル(未舗装路)イベントとなる大会を前に、エントリーリストが発表されている。


 2024年シーズンは残り3戦となり、今ラウンドは第5戦ラリー・ポルトガルから続いてきたグラベル連戦を締めくくる一戦だ。


 南アメリカ大陸の西側に位置し、太平洋に面する国チリの大自然を舞台に行われる『ラリー・チリ・ビオビオ』は、2019年に初めてWRCが開催され、今回が3度目のシリーズ開催となる。


 ステージの特徴としては、路面はややスムースなグラベルで構成されており、スピード域は中高速区間とツイスティな区間が繰り返される。またアップダウンが大きい点や、タイヤの摩耗が比較的厳しいこともポイントに挙げられるだろう。


 前戦アクロポリス・ラリー・ギリシャで表彰台独占を果たしたヒョンデ・シェル・モービスWRTは、マニュファクチャラー選手権で35ポイントをリードしており、ドライバーおよびコドライバーの選手権でも同チームのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組がリードする。

第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャで勝利し選手権のリードを大きく広げたティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)


 そのヒョンデ勢は今回、ヌービル/ウィダグ組と選手権3位のオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組に加え、3台目にはエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組を擁してラリー・チリ・ビオビオに挑む。


 ヒョンデ勢を追うTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームは、今季ともに3勝を挙げているセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組とカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組と、レギュラークルーのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組をマニュファクチャラーエントリー。


 さらに今回4台目には、今季WRC2ですでに3勝を挙げ、第9戦ラリー・フィンランドで最高峰クラスデビュー戦ながら総合5位入賞を見せたサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組を登用。そのため、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は今ラウンドをスキップし、終盤のターマック(舗装路)2戦へ向けて準備を進める。


 残るマニュファクチャラーのMスポーツ・フォードWRTは、レギュラークルーのアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組とグレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ組の2台に加え、今回はノンハイブリッド車両で3台目をエントリーさせた。


 ノンハイブリッド車両に関する規定では、プラグインハイブリッドシステムを外す代わりに100kgのバラストを載せることとなっており、そのマシンには今季3度目のエントリーとなったマルティン・セスク/レナ—ル・フランシス組が名を連ねた。


 前戦アクロポリス・ラリー・ギリシャではヒョンデ勢が完勝をあげ、各選手権は埋めがたい差が開いてしまった印象だが、今大会は4台をエントリーさせてギヤを上げてきたトヨタ勢の追い上げに注目したいところ。さらに、“新星”として期待の集まるパヤリやセスクらの走りからも目が離せない。第11戦チリのエントリーリストは以下の通りだ。

トヨタの4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1に乗り込むサミ・パヤリ
今季3度目の最高峰クラス出走となるマルティン・セスク(フォード・プーマ・ラリー1)


■2024年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ(9月3日付)

















































































No.TeamCarDriver&Co-DriverEligibility
11ヒョンデ・シェル・モービスWRTヒョンデi20 Nラリー1ティエリー・ヌービル
マルティン・ウィダグ
M
17トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1セバスチャン・オジエ
ヴァンサン・ランデ
M
8ヒョンデ・シェル・モービスWRTヒョンデi20 Nラリー1オット・タナク
マルティン・ヤルヴェオヤ
M
33トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1エルフィン・エバンス
スコット・マーティン
M
16Mスポーツ・フォードWRTフォード・プーマ・ラリー1アドリアン・フルモー
アレクサンドル・コリア
M
69トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1カッレ・ロバンペラ
ヨンネ・ハルットゥネン
M
4ヒョンデ・シェル・モービスWRTヒョンデi20 Nラリー1エサペッカ・ラッピ
ヤンネ・フェルム
M
13Mスポーツ・フォードWRTフォード・プーマ・ラリー1グレゴワール・ミュンスター
ルイス・ルッカ
M
22Mスポーツ・フォードWRTフォード・プーマ・ラリー1マルティン・セスク
フランシス・レナール
5トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1サミ・パヤリ
エンニ・マルコネン


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