LEXUS TEAM SARD 2018スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

2018年9月19日(水)17時11分 AUTOSPORT web

DENSO KOBELCO SARD LC500
第6戦SUGO、苦闘も10位で貴重なポイント獲得


SUPER GT第6戦SUGOレポート


2018 スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』(9/15〜16)
スポーツランドSUGO(1周3.704km)
入場者数:予選1万2900名、決勝2万8500名 合計4万1400名


 9月16日(日)、スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝が行われ、予選Q1で3番手タイムをマークした直後にコースオフ、赤旗原因車両でノータイムとなり15番グリッドから不退転の覚悟でスタートしたDENSO KOBELCO SARD LC500は、ヘイキが前方車両よりも速く走れる状況であったが狭いコースと厳しいハンディウエイトのためを抜きあぐね、チャンスを待つ展開に。
 
 全車がピットインしてもステイアウトする戦略で、前が開けると1〜2秒もペースを上げて猛プッシュするヘイキ。46周を終えピットイン、戦列復帰すると13位に浮上。交代した可夢偉も必死に前を追いかけていき、63周目に12位に。
 
 68周目にセーフティカー(SC)導入で前とのギャップが減り大きなチャンスが訪れる。再スタートし残り6周の中で前方車両に仕掛けていく闘志を見せる可夢偉であったが苦闘が続く。76周目に11位となったがそのままチェッカー。最終的にペナルティ車両があったため繰り上がり結果10位となったDENSO KOBELCO SARD LC500は、速さはあるものの実力をすべて発揮することができず苦闘のレースとなったが、貴重なポイントを獲得し、残り2戦にタイトルへの望みをつないだ。
 
 ドライバーポイントでは1点を獲得(計36点)でランキング7位、チームポイントでは4点を獲得(計50点)でランキング9位となった。10月8日(月)・9日(火)GTA公式テストもてぎを挟んで、タイトル争いの天王山となる次の第7戦は約1カ月後の10月20日(土)・21日(日)にオートポリスにて開催される。

LEXUS TEAM SARD


■公式練習


 前戦富士はウエイトハンディに苦しみポイント獲得ならず浮き沈みの激しいシーズンとなっているDENSO KOBELCO SARD LC500。約1カ月半近くのインターバルを経て開催される第6戦は、夏開催から秋口に開催時期が変わったスポーツランドSUGOが舞台。
 
 昨年優勝、一昨年2位と験の良いコースだけに、ここで前回奪われたランキングトップの座を奪い返しておきたいところ。コースは山間部にありつねにアップダウンの連続で高低差73m。コース幅も狭くテクニカルなマウンテンコース。
 
 1コーナーでのブレーキング競争、ヘアピン、馬の背、最終コーナーとオーバーテイクポイントが幾つもあり、つねにサイドバイサイドの超接近戦が展開され息の抜けない熾烈なバトルが続く。
 
 公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約2時間の300kmで争われ、ピットストップは1回。ウエイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる70kg。このウエイトハンディであるが燃料流量リストリクターが2段階(約7%減)絞られ、実際搭載するウエイト重量は36kgとなる。


 現在ドライバーランキングで5位につけるDENSO KOBELCO SARD LC500。タイトル争いへの生き残りを懸け1つでも順位を上げようと各所で激しい戦いが予想される難関の第6戦SUGO。
 
 サバイバル戦に生き残るべく確実に入賞を狙って行くところであるが、ランキングトップ奪回には大量得点が必要となるため、険しくとも表彰台に登ることを目指し、運や変わりやすい天候を味方につけ、一心不乱に前に突き進む不退転の覚悟でチーム一体となり、ひたすらに勝利を目指して挑んでいった。


 15日(土)午前中の公式練習走行は、9時から気温21度/路面温度23度で雲が垂れ込み若干雨がぱらついた曇り空のなかで開始。まずはヘイキがミディアム系タイヤを装着してコースイン。路気温が低くなかなかタイヤが温まらないなかで8周目に1分13秒122の3番手タイムをマーク。クルマのバランスは良好なので、続いてソフト系タイヤの評価を行なった。
 
 15周目には1分12秒886とタイムを更新。ヘイキはピークはソフト系の方が高いがミディアム系タイヤ方が安定してバランスも良いとのことで、20周目から可夢偉がドライブし、いつも通りヘイキが装着した2種類のドライタイヤを確認した。
 
 日曜の天候予測も含めミディアム系タイヤの方がロングも安定していてコンディションに合っていた。途中から強く降り出した雨により38周目からウエットタイヤの評価を実施。ウエットでも好タイムをマークした。公式練習走行の混走セッションではドライタイヤのタイムで9番手となった。
 
 10分間のGT500クラス単独セッションでは可夢偉がウエットタイヤの評価を引き続き実施。ドライとウエットの両方のタイヤを評価でき9番手で公式練習走行を無事終了。僅差の争いが予想される公式予選へ準備万端に整えた。


■公式予選


◆公式予選Q1:ヘイキがまさかのコースオフでノータイムに
 15日(土)公式予選開始時の天候は雨も上がり曇り。気温23度/路面温度25度のコンディション。22分ほど遅れて14時52分からQ1が開始。アタッカーのヘイキが公式練習走行でフィーリングの良かったミディアム系タイヤを装着して真っ先にコースイン。しっかりとタイヤに熱を入れて3周目からペースアップするヘイキ。5周目に本格的アタックに入ったヘイキは各セクターで自己ベストを更新していき、1分11秒817と3番手タイムを叩き出す。
 
 6周目もセクター1でコンマ2秒削りセクター2で若干遅れるもののタイム更新が期待された直後の鬼門のSPコーナーにてまさかのコースオフ、バリアに突っ込んでクラッシュするもヘイキに怪我はなく幸いとなった。
 
 結果、赤旗原因車両となってしまいすべてのタイムが抹消される判定に。6周目タイム更新が予想されQ1突破が見えていただけに悔しい結果に。だが速さはあるので決勝への巻き返しに懸けることとなった。

ヘイキ・コバライネン(LEXUS TEAM SARD)


■決勝


◆ウォームアップ走行
 16日(日)の天候は快晴に。クルマは前日のクラッシュにより深夜までリビルト作業が及んだが完全に修復され、再車検も合格。予選ノータイムであったが出走嘆願によりGT500クラス最後尾からのスタートが許された。
 
 気温25度/路面温度36度のコンディションのなか、20分間のウォームアップ走行が行われ、スタート担当のヘイキが7周走行。続いて可夢偉が6周にわたってクルマの確認を行なった。燃料を積んだ状態でクルマも問題なく心配されたQ1タイヤのダメージもなく安定したパフォーマンスを発揮し、決勝への準備を整えた。


◆決勝スタート
第1スティント:ヘイキが1stスティントを引っ張り順位を上げる
 16日(日)14時決勝スタート時点は気温26度/路面温度37度の晴れ。GT500クラス最後尾の15番グリッドから不退転の覚悟でスタートしたDENSO KOBELCO SARD LC500は、ヘイキが前方車両よりもペース的に速く走れる状況であったが狭いコースと厳しいハンディウエイトのためを抜きあぐね、チャンスを待つもどかしい展開が続いた。
 
 上位車両がペースが落ちていくなかでもヘイキからはタイヤは大丈夫と無線が入る。9位から連なる集団で一気に浮上する機会を窺いながらの走行に。全車がピットインしてもステイアウトする戦略で、前が開けると1〜2秒もペースを上げ、ここが頑張りどころと猛プッシュするヘイキ。ピットアウト後に想定されるギャップを縮めて満を持して46周を終えピットインとなった。


第2スティント:可夢偉がフィニッシュまで確実に運ぶ
 約37秒ほどの素早いピットワークで戦列復帰すると13位に浮上。交代した可夢偉も必死に前を追いかけていき、63周目に12位に。その後は膠着した展開が続いたが68周目にセーフティカー(SC)導入で前とのギャップが減り大きなチャンスが訪れる。
 
 再スタートし、フィニッシュまであと残り6周のなかで前方車両に果敢に仕掛けていく闘志を見せる可夢偉であったが苦闘が続く。レース終り近づくとコース上は波乱の様相となったがフィニッシュまで確実に運ぶ走りを可夢偉が続けていった。76周目にペナルティ車両があり11位となったがそのままチェッカー。
 
 最終的にふたたびペナルティ車両があったため繰り上がり結果10位となったDENSO KOBELCO SARD LC500は、速さはあるものの実力をすべて発揮することができず苦闘のレースとなったが、貴重なポイントを獲得し、残り2戦にシリーズタイトルへの望みをつないだ。
 
 ドライバーポイントでは1点を獲得(計36点)し、ランキング7位、チームポイントでは4点を獲得(計50点)し、ランキング9位となった。10月8日(月)・9日(火)GTA公式テストもてぎを挟んで、タイトル争いの天王山となる次の第7戦は約1カ月後の10月20日(土)・21日(日)にオートポリスにて開催される。


■ヘイキ・コバライネン


「予選はまったくの自分のミス。クルマが良い仕上がりだっただけに踏んでいけてSPコーナーでワイドになってしまい当たってしまった。メカニック達が良い仕事をして元通りに仕上げてくれ決勝を走ることができたことに感謝している」


「決勝では速く走れるポテンシャルがあったけど前に詰まってしまいなかなか抜けずステイアウトしてチャンスを待った。Q1突破して予選順位が上であったらと思うと残念だね。次のオートポリスは燃リスが元に戻りストレートでの速さが戻ってくるから期待して欲しい」


小林可夢偉


「厳しい週末でしたが何にせよ貴重なポイントを獲得できて良かったです。燃リスきつくコーナーでは遜色ないものの立ち上がりとかメインストレートの上りセクションとかが、もどかしかったですね」


「次から燃リスが通常になるのですが、タイトルへの望みはまだ残っているので残り2戦で逆転すべく、もてぎの公式テストでしっかりと走り込んでオートポリスに備えたいと思います。それと今週末9/23(日)にジェームスイベントが開催されますので是非ご来場ください。お待ちしています!」

LEXUS TEAM SARD


■総監督 佐藤勝之


「厳しい逆境のなかでしたが無事に決勝を出走できて貴重なポイントを獲得でき、残り2戦でタイトル獲得への望みがつながったことは喜ばしいことでした。この残り2戦にいかに集中して良い流れをたぐり寄せられるかにかかってくると思いますが、公式テストのもてぎでデータ取りを細かい所まで行ない、オートポリスへ向けて対策をしっかりと準備していきたいと思います。引き続き全力で戦って参りますので御声援のほどよろしくお願い申し上げます」


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