サッカーのインドネシア代表がオランダ人だらけと話題に → 現地民に「今どういう気持ち」か聞いてみた結果
2024年9月19日(木)20時2分 ロケットニュース24
サッカーのインドネシア代表がほぼオランダ人らしい。なんでも、帰化選手だらけでスタメン9人が欧州組なんだとか。国立競技場にサッカーの試合を観に行くくらいサッカーが好きなYoshioが言っていた。
私(中澤)は初耳な話だったので、調べてみたところ、確かにインドネシア代表に近年帰化選手が激増していることがサッカーメディア中心に報じられている。これ、現地の人はどういう気持ちで見てるんだろうか。素朴な疑問を抱いたので現地在住のインドネシア人に聞いてみた。
・インドネシア人記者
話を聞いたのはロケットニュース24のインドネシア人記者であるアキルくん。アキルくんによると、インドネシアはかなりサッカー熱が高いらしく、モールや広場でスクリーンに映して大勢の人が見に来たり、アキルくんの通う大学でもワールドカップになるとスクリーンに映して皆で見ているのだとか。
また、ワールドカップに限らず国内リーグも熱度が高く、熱狂的なファンが多いので、事件や事故が起きることもあるという。現地の事情を聞くとますます「大丈夫なのか」と思わずにはいられないのだが、代表の状況について気持ちを聞いてみたところ……
アキルくん「あっ、僕は恥ずかしながらサッカーに全く興味がなく、試合も見ないしゲームもやらないんですよ。だから、スクリーン観戦も参加したことなくて。でも、お父さんは時々見たりしてるので、お父さんとか友達に聞いてみます」
──とのこと。ちなみに、そんなサッカーに興味がないインドネシア人としてのアキルくんの意見は「インドネシア人選手と一緒にインドネシアを優勝に持っていってくれるならありがたい」というものらしい。
・一般インドネシア人
次に、たまに試合を見るくらいにはサッカーに興味があるアキルくん周りの知り合いの意見。平成の日本で言うなら、晩酌で野球中継を見るオトンくらいのレベルだと思われる。そんなインドネシア現地の意見は以下の通り。
お父さん「まあ、どうせなら代表は我々の人間からの方が良いけど。一緒に戦ってくれるわけだし良いんじゃない?」
友人A「どうも思ってない。インドネシア人だけじゃどうせ力不足、勝てるかわかんないからな。監督も韓国人やし」
友人B「出来れば全員インドネシア人が良いなとは思ってるけど……インドネシア代表だしね」
──知り合いだけあって外向けに構築されたものじゃないリアルな声の温度感が感じられる。どちらかと言うと、あまり深くそのことを気にしていない感じがするが、引っかかっている人も否というレベルではないっぽい。
・ネットの声
最後に、インドネシア人のネットの声。アキルくんいわく、まとめると以下の雰囲気になっているようだ。
アキルくん「僕みたいに『インドネシアのために戦ってくれればそれでいい』という人が多く、『サッカーに政治を混ぜるな』という声も多数上がっています。
対して、『選手は我々の種から来なければならない』『陶酔に対する欺瞞』という否定の声も少数派ですがあります。でも、否定派に対して『何故今さらそんな意見を出すんだ』『暗黒時代お前らどこに行ってたんだよ』という怒りの声も噴出してますね。
個人的に納得した意見は『ローカルの選手達は国際レベルから見るにスキル・メンタル的にまだまだなので仕方ない。インドネシアのために一緒に戦ってくれるなら個人的に問題無い』というものですね。まとめると、問題ないという声が多い印象です」
──というわけで、現地の大勢は受け入れていることが判明した。表面的に見ると、これが日本だったら賛否両論になりそうな事態ではあるものの、前述の知り合いたちのリアルな温度感の声やネットの声を見るに理想と現実のギャップは大きそうだ。インドネシアサッカー界も色々あっての今なのかもしれない。
・オランダ人が多い理由
なお、インドネシアは長い間オランダの植民地であったことは世界史で習うことだが、参照したメディアの1つ「超ワールドサッカー」の記事によると、オランダにはインドネシアにルーツを持つ子孫が多いらしい。そして、今年に入ってオランダからの逆輸入で、インドネシア系オランダ人のインドネシア国籍取得が激増しているという流れなのだそうな。
最初、シンプルにサッカーが強いからオランダ人の帰化選手が多いのかと思ったが、オランダ人が多いことにもどうやら繋がりがある様子。ちょっとクスッとできる話のネタ程度の話題かと思いきや、追っていったら大河が見えた気分である。サッカーも歴史だなあ。
参考リンク:超ワールドサッカー
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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私(中澤)は初耳な話だったので、調べてみたところ、確かにインドネシア代表に近年帰化選手が激増していることがサッカーメディア中心に報じられている。これ、現地の人はどういう気持ちで見てるんだろうか。素朴な疑問を抱いたので現地在住のインドネシア人に聞いてみた。
・インドネシア人記者
話を聞いたのはロケットニュース24のインドネシア人記者であるアキルくん。アキルくんによると、インドネシアはかなりサッカー熱が高いらしく、モールや広場でスクリーンに映して大勢の人が見に来たり、アキルくんの通う大学でもワールドカップになるとスクリーンに映して皆で見ているのだとか。
また、ワールドカップに限らず国内リーグも熱度が高く、熱狂的なファンが多いので、事件や事故が起きることもあるという。現地の事情を聞くとますます「大丈夫なのか」と思わずにはいられないのだが、代表の状況について気持ちを聞いてみたところ……
アキルくん「あっ、僕は恥ずかしながらサッカーに全く興味がなく、試合も見ないしゲームもやらないんですよ。だから、スクリーン観戦も参加したことなくて。でも、お父さんは時々見たりしてるので、お父さんとか友達に聞いてみます」
──とのこと。ちなみに、そんなサッカーに興味がないインドネシア人としてのアキルくんの意見は「インドネシア人選手と一緒にインドネシアを優勝に持っていってくれるならありがたい」というものらしい。
・一般インドネシア人
次に、たまに試合を見るくらいにはサッカーに興味があるアキルくん周りの知り合いの意見。平成の日本で言うなら、晩酌で野球中継を見るオトンくらいのレベルだと思われる。そんなインドネシア現地の意見は以下の通り。
お父さん「まあ、どうせなら代表は我々の人間からの方が良いけど。一緒に戦ってくれるわけだし良いんじゃない?」
友人A「どうも思ってない。インドネシア人だけじゃどうせ力不足、勝てるかわかんないからな。監督も韓国人やし」
友人B「出来れば全員インドネシア人が良いなとは思ってるけど……インドネシア代表だしね」
──知り合いだけあって外向けに構築されたものじゃないリアルな声の温度感が感じられる。どちらかと言うと、あまり深くそのことを気にしていない感じがするが、引っかかっている人も否というレベルではないっぽい。
・ネットの声
最後に、インドネシア人のネットの声。アキルくんいわく、まとめると以下の雰囲気になっているようだ。
アキルくん「僕みたいに『インドネシアのために戦ってくれればそれでいい』という人が多く、『サッカーに政治を混ぜるな』という声も多数上がっています。
対して、『選手は我々の種から来なければならない』『陶酔に対する欺瞞』という否定の声も少数派ですがあります。でも、否定派に対して『何故今さらそんな意見を出すんだ』『暗黒時代お前らどこに行ってたんだよ』という怒りの声も噴出してますね。
個人的に納得した意見は『ローカルの選手達は国際レベルから見るにスキル・メンタル的にまだまだなので仕方ない。インドネシアのために一緒に戦ってくれるなら個人的に問題無い』というものですね。まとめると、問題ないという声が多い印象です」
──というわけで、現地の大勢は受け入れていることが判明した。表面的に見ると、これが日本だったら賛否両論になりそうな事態ではあるものの、前述の知り合いたちのリアルな温度感の声やネットの声を見るに理想と現実のギャップは大きそうだ。インドネシアサッカー界も色々あっての今なのかもしれない。
・オランダ人が多い理由
なお、インドネシアは長い間オランダの植民地であったことは世界史で習うことだが、参照したメディアの1つ「超ワールドサッカー」の記事によると、オランダにはインドネシアにルーツを持つ子孫が多いらしい。そして、今年に入ってオランダからの逆輸入で、インドネシア系オランダ人のインドネシア国籍取得が激増しているという流れなのだそうな。
最初、シンプルにサッカーが強いからオランダ人の帰化選手が多いのかと思ったが、オランダ人が多いことにもどうやら繋がりがある様子。ちょっとクスッとできる話のネタ程度の話題かと思いきや、追っていったら大河が見えた気分である。サッカーも歴史だなあ。
参考リンク:超ワールドサッカー
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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