ローズSで狙うべきは「春の実績馬」か、それとも「夏の上がり馬」か

9月19日(土)6時30分 Sportiva

鷲見玲奈インタビューカット集>>

 3歳牝馬三冠レースの最終戦、GI秋華賞(京都・芝2000m)の重要なステップレースとなるGIIローズS(中京・芝2000m)が9月20日に行なわれる。
 過去10年の結果を振り返ると、1番人気は5勝、2着1回、着外4回。まずまずの成績を残しているものの、3連単では10万円を超える配当が7回も出ており、前哨戦の中でも"荒れる"傾向が強いレースと言える。
【写真】ローズSで狙える馬は他にもいる
そして今年は、阪神競馬場ではなく、中京競馬場での開催。しかも、通常の1800m戦ではなく、2000m戦で行なわれる。例年とは違う条件とあって、波乱ムードは一段と高まっている。穴党にとっては、願ってもないレースとなるのではないだろうか。
 さて、秋のトライアルレースと言えば、まず注目すべきは「春の実績馬」vs「夏の上がり馬」という構図である。それを読み解くことが、馬券的中への大きなポイントになる。はたして今年は、どちらが優勢なのか。日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。
「夏競馬のマイル以上の芝レースにおいて、現3歳世代は古馬相手に苦戦。昨年から降級がなくなったことを考えると、やや物足りない結果に終わったと言えます。秋競馬に突入し、先週のGIII京成杯オータムハンデでスマイルカナが2着、3勝クラス(旧1600万下)の特別戦でアドマイヤビルゴ、ケープゴッドらが勝利を挙げましたが、いずれも春のオープン以上のレースで結果を出していた実績馬です。
 また、先週行なわれたもうひとつのトライアル、GIII紫苑S(9月12日/中山・芝2000m)では、昨秋のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)の2着馬で、今春のGIIチューリップ賞(3月7日/阪神・芝1600m)を制したマルターズディオサが快勝しました。
 こうした状況を鑑みると、春の実績馬が優勢。ローズSでも、春のクラシック戦線を戦ってきた現有勢力を上に見たほうがいいのではないでしょうか。ちなみに、昨年も夏競馬で3歳馬が揮わず、ローズS、秋華賞ともに春の実績馬が上位を占めました」

 この松田記者の見立てについては、デイリー馬三郎の吉田順一記者も同意する。そのうえで、今開催の中京競馬場の特殊性にも目を向ける。
「今の中京は、例年初夏に施行される中京の舞台とはまったく別物。開幕週はやや重のスタートで、前半から外の馬が伸びていました。馬場が乾いてから内が優勢になりましたが、良馬場でも芝の塊が飛んでいて、路盤自体はいいとは言えない状況。超高速馬場になることは考えづらいですね」
 吉田記者はこれらのことを踏まえて、重賞勝ちこそないものの、今春までの実績が光る馬に注視する。
「紫苑Sでは、クラシック戦線を戦ってきたマルターズディオサが完勝。その観点からすれば、ローズSもクラシック戦線で奮闘してきたクラヴァシュドール(牝3歳)から入るのが得策であり、配当面での妙味もあります。
 現有勢力で考えれば、同じ中内田充正厩舎のリアアメリア(牝3歳)も気になりますが、同馬はGIオークス(5月24日/東京・芝2400m)で4着と善戦しており、ここでは1番人気になる可能性があります。対して、クラヴァシュドールはオークスで15着と大敗。その結果から、人気を落とすと見られ、穴馬候補に挙げるならこちらでしょう。
 また、この中間の攻め過程や馬体面を見ると、今回のリアアメリアは8〜9割ぐらいの状態。調教の負荷からすれば、クラヴァシュドールのほうが上。食指が動くのは、やはりクラヴァシュドールですね」
 さらに、クラヴァシュドールからは「春からの成長が感じられる」と吉田記者は言う。
「春先に比べて背丈が伸びて、馬体面は全体的にスケールアップしています。胴も伸びて、ゆったりとしたフォームになってきました。ひと夏を越しての成長は、想像以上だったと言えます。
 重馬場プラス、不利があって、ポジションを大きく下げたGI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)では、4着と盛り返して地力を示しました。しかしその反動が大きく、それがオークスでの惨敗につながったと思います。本来はどんな競馬でもできるタイプで、休養期間に立て直しを図って、さらなる成長を遂げた今なら、このメンバーでも主役を張れるのではないでしょうか」



ローズSでの一発が期待されるリリーピュアハート
 吉田記者はもう1頭、オークスで穴人気となったリリーピュアハート(牝3歳)を推す。
「現在の中京の馬場を考えると、先行脚質で、馬体重以上のパワーを感じさせる同馬が面白そう。立ち爪や短めのつなぎからも、通常より時計がかかる設定が合いそうなタイプです。キレる馬を封じる、早めの仕掛けができれば、上位争いが期待できます。
 過去4走連続で手綱を取っている福永祐一騎手が今回も騎乗。追い日の調教には、2週続けて同馬にまたがるほどの熱の入れようです。陣営も秋華賞出走への権利取りに意欲満々。好勝負必至と見ています」
 リリーピュアハートについては、松田記者も有力視している。
「昨年10月の未勝利戦を勝って、続く1勝クラスのゆりかもめ賞(2月9日/東京・芝2400m)も完勝。2走前のオープン特別・忘れな草賞(4月12日/阪神・芝2000m)こそ3着に敗れましたが、直後のオークスで3着となった勝ち馬ウインマイティーとはコンマ2秒差で、隠れた実力馬と言えます。
 オークスでは発馬につまずいて、後方からの競馬。先行力を生かす馬が、大舞台で慣れない競馬を強いられたのが痛恨でした。レース後、鞍上の福永騎手も『今日はスタートで大きくつまずいた。それが、すべて』と悔しさを露わにしていました。

 とはいえ、勝ち馬からコンマ7秒差の9着なら、大健闘と言っていいでしょう。流れに乗れれば、結果は違っていたはずです。
 2016年のGII青葉賞を勝った全兄ヴァンキッシュランに似ていて、競馬ではしぶとく、長く脚を使うタイプ。切れ味勝負になりがちな阪神・外回りより、直線がタフな設定となっている中京のほうが、リリーピュアハートのよさが生きると思います。これまでの2勝はどちらも間隔が開いたレースで挙げており、夏場の休養で430kg台だった馬体に成長が見込めるのも好材料です」
 松田記者ももう1頭、それも、冒頭で強調していた「春の実績馬」ではなく、あえて「夏の上がり馬」から推奨馬を挙げた。
「リリーピュアハートと同じ藤原英昭厩舎所属のシャレード(牝3歳)です。前走の1勝クラス(7月26日/新潟・芝2000m)では、直線でずっと内にもたれて、鞍上が左ムチで修正し続ける難しさがありながら、1完歩ごとに伸びて差し切り勝ち。2着とはクビ差でしたが、着差以上の強さを感じました。
 春先は脚を使い切れていない印象でしたが、距離を少しずつ延ばして、よさが出てきました。近親には海外のGI馬が複数いる良血で、素質はかなりのもの。前走が覚醒の予兆だったとすれば、重賞でもやれてもいいと思います」
 デアリングタクトが無敗の三冠を狙う3歳牝馬戦線。秋華賞で同馬を脅かす存在がここから出てくるのか。ここに挙げた3頭は、その可能性をも秘めた"穴馬"候補である。

Sportiva

「レース」をもっと詳しく

「レース」のニュース

「レース」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ