値千金の代打満塁弾!大城卓三の背中を押した阿部ヘッドの存在と哲学

2023年9月22日(金)12時57分 ココカラネクスト

阿部コーチは現役時代4番を務めるなど、球界屈指の強打者としても知られた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人は敗れれば自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消える9月21日の阪神戦(甲子園)に5−3と勝利。6回に出た大城卓三の代打満塁弾が大きかった。

【動画】価値あるひと振り!6回に代打で出た大城が青柳から満塁弾を放ったシーン

 両軍ともに無得点で迎えた6回、丸佳浩が先制打を放つと、1−0で迎えた二死満塁の好機にベンチは動いた。岸田行倫に代わって大城を送り込む。好投を続けていた赤星優志をリードしていた岸田を替えるのも勇気がいる決断だったが、阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチの進言もあり、指揮官はコール。

 気合のこもった表情で打席に入った大城は青柳晃洋の初球カットボールを迷いなく振りぬくと、打球はぐんぐんと伸びて右翼ポール際へ飛び込む値千金のグランドスラムを放った。

 大城はそのままマスクをかぶり、赤星をリード。代打満塁弾を放った後に守備についたのは、球団史上初の快挙ともなった。

 大城の4打点がなければ、終盤、大勢が3点を失ったため、試合をひっくり返されていた可能性もあった。これで3位・DeNAとは3差とぎりぎりの戦いを続けるチームにとって大きなパフォーマンスとなった。

 今春のWBCにも出場、今季は一時、クリーンアップを務めるなど「打てる捕手」として存在感を示している大城は、阿部コーチから日々、薫陶を受けている。

 自身も現役時代「サヨナラ慎ちゃん」などの異名を持ち、4番を務めるなど勝負強さが持ち味だった同コーチは5月に更新された球団OBの上原浩治氏のYouTubeチャンネル「雑談魂」に出演し、大城について言及している。

 動画内で上原氏から大城にどんなことを伝えているのか聞かれると「とにかく配球って難しいので」と話しながら、「とにかく打て!」と伝えていると応えた。

 自身も現役時代、リードの問題に関しては悩まされてきたとあって、正解はないとしながら、まず捕手としてベンチから信頼感を高め、選択順位を上げるためにも、打撃を強化してほしいと伝えていると語っていた。

 同動画内では打撃で結果を残すための方策として、切り替えの大事さを説く場面もあった。

 この日、先発マスクこそ譲ったが、ここぞというときの集中力の高さは阿部コーチの教え含め、日頃から大城が取り組んでいる努力が結実した形となった。

 残り8試合、負けられない戦いが続く。大城には扇の要としての役割とともに勝負強いバットでの貢献も引き続き、期待されそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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