貴景勝と栃ノ心、2横綱休場の秋場所で明暗分かれたワケ

9月23日(月)7時0分 NEWSポストセブン

秋場所11日目、栃ノ心(左)を送り出しで破った貴景勝(写真:時事通信フォト)

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 白鵬(宮城野部屋)と鶴竜(井筒部屋)の両横綱が途中休場したことで、賜杯争いが混沌とした大相撲秋場所。そのなかで明暗が分かれた力士がいる。カド番ながら負け越して関脇への陥落が決まった大関の栃ノ心(春日野部屋)と10勝以上をあげたことで大関に返り咲きとなった関脇・貴景勝千賀ノ浦部屋)である。


 貴景勝は中盤で6日目の遠藤(小結、追手風部屋)戦、7日目の千代大龍(前頭5、九重部屋)戦と立て続けに敗れたものの、12日目には早々と10勝をあげて大関復帰を決めた。12勝3敗で本割の土俵を終え、御嶽海(出羽海部屋)との関脇同士の優勝決定戦こそ制することはできなかったが“1場所での大関復帰”を果たした。


 一方のカド番大関・栃ノ心は14日目に妙義龍(前頭6、境川部屋)との対戦で土がついて負け越しが決まる。千秋楽の結びの一番では大関・豪栄道(境川部屋)にも敗れて6勝9敗に終わり、“2度目の大関陥落”となった。出羽海一門の若手親方がため息交じりに解説する。


「まさしくガチンコ時代を象徴する場所だった。栃ノ心は10日目に5勝5敗と五分の星に戻したあと、貴景勝、御嶽海、竜電(前頭5)、妙義龍、そして大関・豪栄道と対戦している。貴景勝と竜電は二所ノ関一門だが、残りの3人はいつも稽古をしている出羽海一門の力士だった。


 優勝争いに絡んでいた御嶽海には敗れたものの、6勝7敗で残り2日となり、14日目、千秋楽は同じ一門の境川部屋の2人との対戦だから勝ち越せるのではないか、とも見られていた。ところが、“大関互助会”が発動する間もなく妙義龍戦で負け、千秋楽を前に大関からの陥落が決定した」


 誰にでも加減することなく全力でぶつかっていくガチンコ力士が全盛の時代だからこそ、先の計算が全く立たない終盤戦となったのだ。古参力士のひとりが続ける。


「両横綱が途中休場しなければ、違った結果になっていたかもしれない。そもそも、優勝ラインが12勝まで下がらなかっただろうし、とりわけ貴景勝と栃ノ心の明暗は逆転していた可能性がある。両横綱は、同郷の横綱・日馬富士(当時)による暴行事件を徹底的に追及した貴乃花親方とその弟子への反発が強く、特に白鵬は貴景勝との一番は厳しい相撲を取ることで知られている。


 実際、貴景勝は白鵬とは過去1勝4敗と分が悪く、鶴竜とも過去1勝3敗と負け越している。今場所は過去3勝6敗の高安も休場するなどして、貴景勝は本来なら対戦しないはずの前頭5枚目の竜電や6枚目の妙義龍あたりとも当たることになった。両横綱が出場していれば、1場所での大関復帰は厳しかったかもしれない」


 仮に白鵬、鶴竜、高安の3人が出場していて、貴景勝がその3番を落としていたら9勝止まりで大関復帰に届かなかったわけだ。


「逆に、両横綱は同じ外国人力士の栃ノ心に対しては、そこまで厳しい相撲内容にならないことが多い。栃ノ心は鶴竜とは4勝23敗、白鵬とは1勝27敗と分が悪いが、過去、大事なところでは栃ノ心が白星をあげている。栃ノ心が白鵬に対して初めて勝ったのが昨年5月場所の12日目。栃ノ心が大関昇進を決めた場所だった」(同前)


 栃ノ心は新大関場所(2018年7月場所)で5勝2敗8休と負け越していきなりカド番となったが、9月場所では白鵬には負けたものの鶴竜に勝って9勝6敗と勝ち越し。陥落危機を脱している。


「翌年(2019年)の1月場所は0勝5敗10休で再びカド番となり、3月場所も負け越して大関を陥落している。大関復帰をかけた5月場所は白鵬が全休したが、栃ノ心は14日目に鶴竜に勝って10勝で大関に返り咲いている。ここ一番では横綱に勝って踏みとどまっていたのです」(同前)


 今年の3月場所では、千秋楽で当時関脇の貴景勝と、大関だった栃ノ心と対戦。貴景勝は10勝目をあげて大関昇進を決め、栃ノ心は負け越して1度目の大関陥落が決まった。そんな因縁の2人。栃ノ心が10勝をあげての大関復帰を目指す来場所は、どんな戦いを見せるのか。

NEWSポストセブン

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