奇跡の逆転優勝。「令和の怪物」渋野日向子の快進撃が止まらない

9月23日(月)7時0分 Sportiva

「シンデレラ」というより、日本女子プロゴルフ界に登場した「令和の怪物」と言ってもいいかもしれない。8月の全英女子オープンで優勝し、日本勢42年ぶりの快挙を達成した渋野日向子(20歳)が、またとんでもないことを成し遂げた。

 デサントレディース東海クラシック(9月20日〜22日/愛知県)の最終日、首位と8打差の20位タイでスタートした渋野が、一日で8つスコアを伸ばして奇跡の逆転優勝を飾ったのだ。

「いや〜、まさか逆転で優勝できるとは思っていなかったので、私もびっくりです。(首位と)8打差あったので、さすがに『(優勝は)無理だなぁ』と思いながらも、今日は『(自分にとって)最高の、いいプレーができたらいいな』と思っていて、最初からしっかり攻めていきました。それで、このスコアが出せましたけど、自分でも正直びっくりです」

 8打差という大差での逆転Vは、ツアー史上2位の記録。今大会も大観衆が詰めかけて「シブコ・フィーバー」に沸いたが、その声援に見事に応えた。


大ギャラリーの声援に応えて、見事な逆転優勝を飾った渋野日向子

 最終日、トップは通算13アンダーの申ジエ。それに、10アンダーのイ・ミニョン、9アンダーのテレサ・ルーらが続いていた。

 最終組でプレーしたのは、その3人。今季の賞金ランキング1位(申ジエ)と3位(イ・ミニョン)、さらに毎年賞金女王争いに加わっている実力者(テレサ・ルー)である。優勝争いは彼女たちが中心になると、誰もが思っていたに違いない。

 一方、その最終組から7組前にスタートしたのが、通算5アンダー、20位タイだった渋野。この日も、多くのギャラリーが渋野の組に付いて回っていたが、スタート時点で、その後の”ミラクル”を想像していた人はおそらくいなかったのではないだろうか。

 しかし、2日目を終えて「明日(最終日)は悔いが残らないように攻めていく」と語っていた渋野は、その宣言どおり、序盤から果敢に攻めて、強気にカップを狙っていった。4番(パー3)、5番(パー5)、6番(パー3)で連続バーディーを奪うと、難ホールの9番(パー4)でもセカンドをピタリと寄せてバーディー。さらに、続く10番(パー4)でも長いバーディーパットを沈めて、スコアをふた桁に乗せた。

 その後も勢いが止まらない渋野は、12番、15番とロングホールできっちりバーディーを決めて、ついに首位の申ジエをとらえる。圧巻だったのは、その直後だ。渋野は栄冠を手繰り寄せる、劇的なチップインバーディーを奪ったのだ。

 16番、194ヤードのパー3。渋野はティーショットをグリーン左奥に外した。ボールはラフに沈み、渋野には難しいリカバーが課せられた。だが、渋野はそこから絶妙なアプローチを披露。ボールは、グリーンを取り囲んだギャラリーのどよめきが膨らんでいくなか、カップに吸い込まれていった。

 ギャラリーの絶叫がこだまするなか、2度、3度と力強く右腕を振った渋野。ボールを拾い上げると、満面の笑みでギャラリーの喝采に応えた。これで、この日8つ目のバーディーを奪った渋野は、スコアを13アンダーまで伸ばし、単独トップに立った。

 そんな渋野の勢いとは逆に、申ジエ、イ・ミニョンは、ショット、パットともに冴えず、スコアを伸ばせずに後退。最終組では唯一、2つスコアを伸ばしたテレサ・ルーが最後まで粘りを見せたが、結局、渋野をとらえることはできなかった。

 結果、通算13アンダーの渋野が大逆転V。全英女子オープンから帰国後、5試合目での凱旋優勝だった。

「全英女子オープンで優勝してから、およそ1カ月ちょっと経ちますけど、その間、自分のいいプレーや、自分のスタイルでのプレーがなかなかできませんでした。でも、今大会の初日にやっといいプレーができたんです。その(いいきっかけを作ってくれた)大会で優勝できたのは、すごくうれしいです」

 そして渋野は、今季の目標としてきた獲得賞金1億円突破も達成した。

「この試合で(目標の)1億円が突破できるとは思っていませんでした。すごくうれしいです。これでまた、新しい目標が持てると思う。それはたぶん、みなさんも思っているかもしれないですけど、賞金女王かな、と思います」

 渋野日向子の伝説は、まだまだ終わらない。

Sportiva

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