「本当に息詰まる試合」世界女王トルコを焦らせた速攻 粘った“火の鳥NIPPON”に敵紙も感嘆「勝負は分からなかった」【女子バレー】

2023年9月24日(日)11時43分 ココカラネクスト

大エースのバルガス(中央)を中心とした厚みのある攻撃は今大会でも屈指。日本にとって間違いない脅威だ。(C)Getty Images

 世界ランク1位の壁はやはり分厚かった。

 9月23日に東京・代々木第一体育館で『FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』の女子大会は第6戦が行なわれ、日本代表はトルコ代表と対戦。今大会全勝同士のマッチアップに大きな注目が集まった一戦は、日本が第1セットを先取するも、トルコの怒涛の反撃を受けて1-3で逆転負けとなった。

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 今年6月のネーションズリーグ(VNL)で初優勝を飾るなど、地力をつけるトルコに対して、日本は序盤から攻勢に出る。古賀紗理那、林琴奈らを中心とした速攻で次々と得点を重ね、第1セットを25-22で奪取。最強女王にペースを与えない。

 ただ、絶対的エースのメリッサ・バルガスのギアが上がり始めると、一転してトルコペースに。第2、第3セットはいずれも接戦(25-22、26-24)ながら日本を突き放すと、第4セットはヨーロッパの雄が圧倒。25-12と大差をつけて勝利をもぎ取った。

 無傷の6連勝を飾ったトルコは悲願のパリ五輪出場権を獲得。一方、今大会5戦連続ストレート勝ちの快進撃を止められた日本は、今夜に行なわれるブラジル戦に五輪切符を懸ける形となった。

 最終的に大差がついた試合となったが、中盤まではどちらに転んでもおかしくはない展開ではあった。ゆえにトルコ・メディアは日本の粘り強さを称賛している。日刊紙『Milliyet』は「開催国の日本が第1セットを先取したにも関わらず、トルコは諦めずに相手を3-1で撃破し、オリンピックの出場権を獲得した」と母国代表の勝利を称えたうえで、「本当に息詰まる試合だった」と回想している。

 とりわけ日本が中盤までリードしていた第2セットは衝撃的だった。「スコア以上の接戦で手に汗握る展開」とする同紙は「日本がアヤ・ワタナベ(渡邊彩)、アリサ・イノウエ(井上愛里沙)を中心に得点を重ねていく。トルコもバルガスがアタックを決めるが、日本は3連続得点で3点差とし、トルコにたまらずタイムアウトを取らせた」と苦戦を認め、こう記している。

「このセットを落としていたら勝負は分からなかった」

 結果的に敗れたが、世界一の実力を誇るトルコに食い下がったのは自信にしていいはず。勝者が残り1枚の五輪出場切符を手にできるブラジルとの一騎打ちは、“火の鳥NIPPON”(日本女子バレー代表の愛称)にとって文字通りの大一番だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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