【ビデオ】ポルシェやヒュンダイが、公道とサーキットで役立つAR技術を手掛けるWayRayに約90億円を投資

9月25日(火)20時0分 日本版Autoblog



固体電池やレベル5の自動運転、拡張現実(AR)といった創成期にある未来のテクノロジーの数々は、大衆市場に拡散できる飛躍的な進歩の瞬間をただ待っている。それらのうち、ARが飛躍的進歩の瞬間にまた一歩近づいた。ポルシェが主導するシリーズC投資ラウンドとして、設立から6年になるARを手掛けるスイスのスタートアップ企業、WayRayへ8,000万ドル(約90億円)を投資するというニュースが入ってきた。ポルシェはヒュンダイ、JVCケンウッド、中国の政府系ファンドChina Merchants Capital、そして以前から投資を続けてるアリババグループとともに、ARの開発を支援することになる。

今年2月、ポルシェは欧州が先導する自動車向けイノベーションを主に扱う「スタートアップ・アウトバーン」で、WayRayとARプロジェクトにおける提携を結んだ。WayRayは成果を挙げたようで、ポルシェは次のように述べている。「彼らの革新的なアイデアと製品には大きな可能性があります。我々は、これを基に顧客に対しカスタマイズされたポルシェのソリューションを提供できるようになると確信しています」。そしてフロントガラスに投影される技術に投資することにした。

WayRayが優良株とされるのは、そのホログラフィックAR技術が他よりも優れているからだ。競合のユニットより小さく、あらゆる製品やモデルに適応できることに加え、さらに広い視界に使用可能で、ドライバーの目にかかる負担も軽減できる。ヒュンダイは、そうしたテクノロジーを自社の自動車や、さらには自動車の域を超えてスマートビルやスマートシティを具現化するARエコシステム全体といったアプリケーションに活用したいと話している。

一般的な安全面に関しては、WayRayのARシステムは横断歩道、警告標識、駐車スペース、建設区域を強調したり、ドライバーの自然な視線に収まる形でより正確な道順のナビゲーションを提供することができる。当然ながら、ポルシェはパフォーマンス面についても考えており、顧客に提供できる一連のデジタルサービスを拡大しようとしている。今回公開された短い動画と画像は、WayRayシステムの可能性が、特にサーキットでのドライビング・エクスペリエンスを高めることを示している。ポルシェの乗るドライバーの目前には理想的な走行ラインのイメージが映るだけでなく、ブレーキやステアリングを切るタイミングも表示される。また"ゴースト化した"クルマが先導することで、タイムを縮めることができるポイントや遅れているポイントを教え、ラップタイム、コースにおける走行位置などの情報を提供する。

このような機能はポルシェ・ブランド、そして地元のサーキットで自己最高記録を狙う新型「ケイマンGT4」のオーナーにとって有意義なものになる。ハイパーカーの購入者にはWayRayが持つ可能性がさらなる恩恵をもたらすだろう。ブガッティ「ディーヴォ」やアストンマーティン「ヴァルキリーAMR Pro」のオーナーは、サーキットのコースに出て何年も練習走行に費用を投じることなく、購入してすぐにクルマの性能を引き出せるようになるはずだ。このARが普及すれば、ニュルブルクリンクのクラッシュ映像を見ることも減っていくに違いない。



WayRayは4カ国で250人以上の従業員を雇用している。社内勤務の8割が研究開発から試作品製造に従事し、ウィンドシールド・ディスプレイのポリマーや新たなレーザー技術の開発などを行っている。2015年にも我々はWayRayについて話を聞いたことがある。当時はまだ、同社がナヴィオンと呼ばれていた頃で、WayRayとはナヴィオンが開発を手掛けていたアフターマーケットの拡張現実製品の名称だった。社名の変更に加え、この新興企業はアフターマーケット・ソリューションではなく自動車メーカーへの部品供給に力を入れるようになる。同社CEOは、自動車メーカーはAR技術を取り入れようと待ち望んでいる状態であるため、そこに利益が潜んでいると主張していた。

同社はさらなる研究開発に資金を投じるという。完成品を生産する拠点をドイツに建設し、またAR製品の提供を自動運転車のような新しい自動車産業の分野にまで拡大していく。他にもスマートホームや建築業界といった自動車を越えた分野も視野に入れている。自動車用ヘッドアップディスプレイだけでも市場価値は2023年までに10億ドル(約1,130億円)を超えると予想されている。

By JONATHON RAMSEY

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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