残り6試合!J2リーグ残留争いの展望【2024】
2024年9月26日(木)18時0分 FOOTBALL TRIBE

2024明治安田J2リーグは第32節までの日程が終了。いよいよシーズンは最終盤へと入っている。ここまでは、前節の勝利で清水エスパルスが首位へと返り咲き、1年でのJ1復帰を目指す横浜FCが勝ち点1差でそれを追う。また、プレーオフ圏内の6位ジェフユナイテッド千葉から10位藤枝MYFCまでの勝ち点差がわずかに4と、こちらも最後まで順位の変動を予感させる展開だ。
その中で、次節は首位清水と2位横浜FCによる天王山が国立競技場で行われる。さらに3位V・ファーレン長崎と4位ファジアーノ岡山のゲームも予定されており、上位勢同士の直接対決が楽しみな1節となる。白熱する優勝争い、プレーオフ圏争いといった上位対戦が注目を集める一方で、来季もJ2を戦うための残留争いもまた重要な局面を迎えている。
未消化試合のあったロアッソ熊本がヴァンフォーレ甲府を破り降格圏である18位栃木SCとの勝ち点差を試合前の7から10へと広げたことで、残り試合数を考慮すると実質的な残留争いは4クラブに絞られたと言っていい。ここでは、J3降格の可能性が大きい下位4クラブについて、残りの対戦カードも含めて展望する。

風前の灯火:20位ザスパ群馬
【残りの対戦カード】熊本、千葉、栃木、徳島、大分、いわき
昨2023シーズンは序盤から上位をキープし、夏には11戦負けなしなどでプレーオフ圏に肉薄したザスパ群馬。結果は11位で終えたものの、2020シーズンのJ2復帰以降続いていた下位からの脱却が見えたシーズンとなっていた。
躍進を遂げた昨季の主力が多くチームに残り、今季はさらなる飛躍を期待されたが、開幕から6戦未勝利と大きく出遅れた。さらにその後も7連敗を含む15戦未勝利と低迷が続き、その間には2022シーズンから指揮を執っていた大槻毅監督の解任を決断するも好転することはなく、現在残留圏である17位とは勝ち点16ポイント差の最下位となっている。
早ければ次節にも降格が決まってしまう群馬。残りの対戦カードでは残留を争うライバルとの直接対決もあるが、その他のカードも含めもはや1つの敗戦も許されない状況に変わりはない。また、たとえ残りの試合を勝利で終えたとしても、常に他クラブの結果を祈るように見守るしかないというまさに崖っぷち。その中で最後まで降格の危機に抗い続ける姿を見せられるか注目だ。

直接対決に敗れ窮地に:19位鹿児島ユナイテッド
【残りの対戦カード】水戸、横浜FC、愛媛、長崎、徳島、岡山
5年ぶりにJ2復帰を果たした2024シーズンの鹿児島ユナイテッド。前回のJ2昇格時は1年で降格を味わい、今回こそはJ2への定着とさらに高みを目指す戦いぶりを見せられるか注目されたが、残念ながら現在19位と再び降格の危機に瀕している。
直近のゲームでは同じく降格圏にいる栃木SCとの直接対決に敗れ、残留圏との勝ち点差が10と開いた。この危機的状況の中で何とか残り6試合に望みをかけたいが、対戦カードを見るとそれがいかに厳しい道のりかがわかるだろう。残留を争うライバルとの直接対決はすでに終え、横浜FCや長崎、岡山といった上位勢との対戦を多く残している。特に横浜と長崎には今季大敗を喫しており、白星はおろか勝ち点1の確保さえ難しい相手と言わざるを得ない。その他のクラブを相手に白星を挙げることができたとしても、上位勢との対戦で勝ち点を得られなければ残留は不可能だ。
わずかな希望を糧に残り6戦に挑む鹿児島。直近は8連敗中と先が見えない状況であるものの、もはや悔やんでいる暇はない。まずは次節の水戸ホーリーホック戦で確実に勝利を掴んで連敗を止め、上位勢を相手に金星を狙うための勢いをつけたい。

ここからの3試合がカギ:18位栃木SC
【残りの対戦カード】いわき、愛媛、群馬、清水、横浜FC、徳島
前節は鹿児島との下位直接対決を接戦の末に制し連敗を止め、残留に向けて大きな1勝を手にした栃木SC。6試合未勝利から抜け出し、17位大分トリニータとの勝ち点差を4としていよいよ最終盤に臨む。
今季の栃木は開幕こそ2連敗スタートとなったものの、その後は現在2位につける横浜FCに勝利、3位につける長崎に引き分けるなどで勝ち点を伸ばした。しかし、その長崎戦を皮切りに以降は6連敗を含む13戦未勝利と失速。結果シーズンを通して低空飛行の続いた昨季同様、残留争いに巻き込まれることとなっている。
残る6試合のうち、2試合は優勝争いを繰り広げる清水、横浜FCとの対戦が組まれている。いずれも栃木との結果次第で優勝が決定する可能性もある時期の対戦となることから苦戦は必至だ。一方で、ここからの3試合はプレーオフ圏に迫るいわきFCとの対戦があるものの下位勢がメイン。上位勢や終盤戦に入り好調な相手との対戦が続くライバル大分に比べ勝ち点を伸ばせる可能性が高く、ここで順位を逆転できるかが大きな分岐点となるだろう。鹿児島戦勝利の勢いに乗り、一気に勝ち点を積み上げられるか注目だ。

後半戦好調な中位勢を叩けるか:17位大分トリニータ
【残りの対戦カード】藤枝、長崎、水戸、秋田、群馬、仙台
今季は3シーズンぶりにチームに帰ってきた片野坂知宏監督のもと、新たなスタートを切った大分トリニータ。前半戦の第19節までが終了した時点では5勝9分5敗と、引き分けが多いもののプレーオフ圏まで勝ち点7差で中位につけていた。しかし、前半戦の終盤から続いていた不穏な気配は後半戦に入り一層大きなものとなった。第20節から2連敗すると、その後も低調が続き直近は6戦未勝利。じわじわと下がり続けた順位は、いよいよ降格圏の1つ上である17位まで落ちてしまった。
残りの対戦カードにおける今季の戦績は2勝3分1敗と決して悪くない。同様の結果を得られるのであれば残留の可能性は高いだろう。だが、シーズン後半戦に入ってからは前半戦に引き分けた相手に対しても複数失点や無得点で完敗するゲームも多く、一切安心はできない。
第37節の現在最下位に位置する群馬戦での勝利は絶対条件だが、次にカギとなるのは次節の藤枝MYFC戦と第35節の水戸戦。終盤戦に向かうに連れ調子を上げてきたこの2チームを相手に勝ち点を挙げられるかが最終的な順位を左右するだろう。もちろん間に行われる長崎戦でも勝ち点を得られれば、より残留の可能性が高まる。クラブ史上2度目のJ3降格を避けるべく、残留を争うライバルたちが勝ち点を伸ばす可能性の高いここからの3試合、逃げ切りを果たすためにも踏みとどまれるかがカギになる。