MotoGP:ホンダのマネージャー、プーチも高く評価する小椋藍。初表彰台獲得でルーキー・オブ・ザ・イヤーの期待高まる

2019年9月28日(土)6時0分 AUTOSPORT web

 2019年シーズンからMoto3クラスにレギュラー参戦した小椋藍(Honda Team Asia)が第14戦アラゴンGPでグランプリ初表彰台となる2位に入賞した。


 小椋はポケバイでレース活動を始め、ミニバイクを経て、2014年にロードレースにステップアップ。国内地方選手権ロードレースの筑波選手権と、もてぎ選手権のJ-GP3クラスに参戦する。


 この年にはアジア・タレントカップ(ATC)のセレクションに合格し、2015年よりATCにレギュラー参戦。ATC参戦初年度には1勝を記録し、2回2位に入賞、ランキング7位を得る。2001年生まれの小椋は、同じ道を歩む鳥羽海渡、佐々木歩夢、真崎一輝と幼いころからのライバルでもある。


 2016年、2年目のATCでは通算3勝を記録してランキング2位に躍進。この年はレッドブルMotoGPルーキーズカップにも参戦し、ランキング11位を得る。そして、続く2017年にはアジア・タレントチームのライダーとしてMoto3ジュニア世界選手権(CEVのMoto3クラス)に参戦。第6戦ヘレスのレース2では初優勝を達成した。


 2年目のルーキーズカップでは2勝をマーク。CEVのシーズン序盤のケガによる欠場が響き、CEV1年目はランキング8位、ルーキーズカップではランキング5位となったが、次世代のグランプリライダー候補として、着実な成長を見せた。

小椋藍の走り


 そして、2018年にはMoto3ジュニア世界選手権に継続参戦。1勝、2位に2回、3位に2回入賞し、ランキング5位を獲得。また、この年は、スペインGPのMoto3クラスにワイルドカードで参戦しグランプリデビューを飾る。スペインGPでは15位入賞と初ポイントを獲得。そのほか、オランダGP、ドイツGP、オーストリアGPの計4戦にワイルドカード参戦し、グランプルフル参戦に向けての準備を進めた。


 レプソル・ホンダ・チームのチームマネージャーで、ATCシリーズの初期からカップディレクターを務めるアルベルト・プーチは、小椋の才能をATCやMoto3ジュニア世界選手権時代から高く評価しており、2019年より小椋はホンダ・チーム・アジアのライダーとして、世界グランプリレギュラー参戦を果たす。


■初表彰台獲得でルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得の期待が高まる


 開幕戦カタールGPでは11位に入賞。第5戦フランスGPでは予選で初フロントロウとなる3番手を獲得。決勝は1周目に転倒してしまい、左手を骨折したことから続く第6戦イタリアGPを欠場することになったが、復帰した第7戦カタルーニャGPでは予選2番手、決勝自己ベストとなる6位でフィニッシュ。その後、4戦連続でシングルフィニッシュを果たし、日本人ライダーの中でランキング最上位につけた。

左手の手術を受けた小椋藍


 第13戦サンマリノGPでは最終ラップまでトップ争いに加わるが、他車の転倒に巻き込まれてリタイアに終わる。


「今年1番悔しいレースでした。次戦アラゴンGPに向けて気持ちを切り換えます」とレース後に語った小椋。


 そして、迎えたアラゴンGPでは、初日は予定していたメニューをこなしながら総合9番手につけると、予選Q2では単独でアタックを行ない、予選2番手を獲得。決勝ではアロン・カネト(Sterilgarda Max Racing Team)には逃げられたものの、接戦の2位争いを制してグランプリ初表彰台を獲得した。

2位争いを制した小椋藍(Honda Team Asia)


「初めて表彰台に立つことができました。最高の気分です」と小椋。


「表彰台に立つことが、ルーキーイヤーの目標のひとつでした。それを達成することができました。序盤の2、3周は、カネットについていこうとしましたが、できませんでした。その後は、2番手グループの先頭を走りました。できるだけグループの前にいようとがんばりました。その戦略が成功しました」


「前戦サンマリノGPでは、最終ラップに他者の転倒に巻き込まれて表彰台を逃しました。その雪辱を果たしました」

小椋藍(Honda Team Asia)


 小椋はここまでの14戦中10戦でポイントを獲得。速さと勝負強さを持ち、クレバーなレース展開ができるライダーであることを証明している。第15戦タイGPから始まるフライアウェイラウンドには、ホームグランプリの日本GPも含まれている。終盤戦に初優勝とルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得の期待が高まる。


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