WEC富士:自動車メーカーがしのぎを削る世界選手権ならでは! 豪華ピット設備を目撃せよ

2018年9月30日(日)12時0分 AUTOSPORT web

 2018年も静岡県・富士スピードウェイで開催されるWEC世界耐久選手権の日本ラウンド『WEC富士』。10月12〜14日という日程で行なわれる今季もまた、ル・マンを頂点に世界各国を転戦する世界最高峰のレーシングチームが集結する。ここではそんな海外チームの“ピット”に焦点を当てる。


 2017年から2018年にまたがる“スーパーシーズン”の第4戦として行なわれるWEC富士には都合23チーム(合計34台)が参加する予定となっているが、この中のLM-GTEプロクラスは欧米の自動車メーカーワークス、または準ワークスチームが派遣されており、そのバトルの激しさはシリーズ随一と言えるほどだ。


 そんなGTEプロクラスに参戦する5メーカーの各チームは、いわば各社の“ブランド”を背負って立つ存在。彼らはコース内での競争もさることながら、国際映像やサーキットを訪れたファンの目に留まるピットスペースにも気を使っている。


 そこで今回はル・マン24時間の舞台、フランスはサルト・サーキットでみられた各メーカーチームのピットを一挙にご紹介しよう。


■アストンマーチン・レーシング


アストンマーチン・バンテージAMR(95号車&97号車)


 まずは現行シリーズの発足当時、2012年から参戦を続けるアストンマーチン・レーシング(AMR)だ。


 創業100周年を超える歴史を持つイギリスのプレミアムブランドは、そのレーシング部門もまさに優雅。清涼感溢れるピットは白を基調としており、ドライバーが使用するヘルメットは間接照明を用いた専用の置き場に、まるでショーケースのバッグのように置かれている。

白と基調とするピットには今季から投入された新型バンテージAMRのカラーも随所に取り入れられた
まるでショーケースのようなヘルメットスペース。国際映像でも度々見かけるため、気になっていた方も多いのでは
バックヤードには予備のカウルやパーツが整然と並ぶ


■AFコルセ(フェラーリ)


フェラーリ488 GTE Evo(51号車&71号車)


 アストンマーチンと同じく初年度から参戦するAFコルセはフェラーリの準ワークスチーム。そのピットはフェラーリらしく真っ赤に染め上げられているが、他チームのきっちりとしたイメージの“ワークスらしさ”よりも、落ち着いている印象だ。

AFコルセのピットはマシンカラーに合わせて赤一色に。ひと目でフェラーリのチームであることがわかる
ピットガレージの中にはVIPスペースが用意され、招待客はここからピットの様子を一望できる
ル・マンでは一部鏡面仕上げの巨大ホスピタリティスペースを展開。内部では美味しいイタリアンが振る舞われたそう


■フォード・チップ・ガナッシ・チームUK


フォードGT(66号車&67号車)


 2016年にデビューしその年のル・マン24時間でデビューウインを飾った『フォードGT』を走らせるのは、その名のとおりフォード・チップ・ガナッシ・レーシングのイギリス部隊だ。それでもピット内には“アメリカン”な雰囲気が各所に見られ、ヨーロッパ式とアメリカ式、双方のいいとこ取りがなされた空間になっている。

フォード・チップ・ガナッシ・チームUKのピットガレージは余計なものを置かないシンプルなスタイル
ピット内に設けられたパーツショップとマシニングスペース
ボディカウルが並べられたバックヤード。1台分の外装がオブジェのように専用のラック掛けられる


■BMWチームMTEK


BMW M8 GTE(81号車&82号車)


 2018年に満を持してワークス参戦を開始したBMW陣営のピットは、メーカーのイメージどおりの白を基調としている。大柄のM8 GTEが並ぶガレージ内は若干手狭に感じるものの、その設備は最高峰のLMP1チーム並み。初来日となる富士ではぜひチェックしたいピットのひとつと言えるだろう。

2011年以来、7年ぶりにル・マンに復帰したBMWは、豪華設備で知られるDTMのそれを上回るような巨大ホスピタリティを持ち込んだ
大柄なM8 GTEが収まるピットガレージはホワイトを基調とした明るい空間に。設備はLMP1クラス級だ
ピット内を案内してくれた82号車BMWのアレクサンダー・シムズ
所せましにカウルやパーツ、タイヤウォーマーが並んだバックヤード
ピットウォークでは各チームのサインガードのチェックもお忘れなく!


■ポルシェGTチーム


ポルシェ911 RSR(91号車&92号車)


 ル・マンでのポルシェはイレギュラーの空間を作り出したことで大きな話題を集めた。“ピンクピッグ”と“ロスマンズカラー”という往年のポルシェレーサーのカラーを纏ったマシンに合わせてピット内の壁、床に加えて収納棚に至るまで、すべてをレトロな雰囲気で統一したのだ。残念ながらこの仕様はル・マン限定だったが、前年までLMP1クラスを戦っていたポルシェの設備はGTEワークス随一。今季のル・マン優勝車の92号車とあわせて目にしておきたいところだ。

70周年を記念し、レトロ調のテーマで統一されたポルシェのピット
ピット内の壁はポルシェ初の本社ビルがレンガ造りだったことから、実際に凹凸のあるレンガ風シートで覆われた
ポルシェの徹底ぶりはすさまじく、収納スペースは木目調にリデザインされ、床も昔風になっている
一方、ピット裏は近代的でラックにはサスペンションパーツやブレーキなどが実に美しく収納されている
LMP1クラス参戦時よりは規模が縮小しているものの、それでも豪華といえるホスピタリティ


 まもなく迎えるWEC富士はシリーズのフライアウェイ・ラウンドとなることから、各チームともホスピタリティ等の設備は縮小するものの、その雰囲気は国内レースとは別物。レースウイークではそんなWECの独特の世界観をパドックエリアから、またピットウォークの時間帯を使って堪能してみよう。なお、パドックからガレージ内を覗き見る際には、チームスタッフや関係者の迷惑にならないよう充分注意してほしい。


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