防御率「1.38」で規定投球回到達&球団記録更新へ!中日・髙橋宏斗は新たな「日本のエース」に上り詰める

2024年9月30日(月)12時27分 ココカラネクスト

今季、圧巻の投球を見せつけた高橋宏。プレミア12でも奮闘が見られるか(C)産経新聞社

 セ・リーグのペナントレースは巨人の優勝が決まり、あとは各チームの順位確定と個人タイトルの行方に関心が移っていく。

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 そんな中、中日の若き右腕・髙橋宏斗は9月29日の広島戦で先発すると、3回2失点で降板。内容はともかくとして、ついに規定投球回に到達したのだ。最新防御率1.38はリーグ断トツの数字で、最優秀防御率のタイトルをほぼ手中に収めている。

 来週日曜のシーズン最終戦(DeNA戦@バンテリンドーム)に登板する可能性が全くないわけではないが、今回がひとまずの節目。球団のシーズン最高防御率を70年ぶりに記録更新することになるので、ここで終わっておいた方が収まりが良いだろう。

■開幕1軍漏れからの逆襲

 驚異的な数字を残した髙橋宏だが、開幕1軍でなかったことを覚えているだろうか。

 昨季はWBC日本代表に選出された勢いそのままに、自身初の規定投球回到達に加え、リーグ2位の145奪三振をマーク。4年目の今季はチームの柱として期待されるも、キャンプ〜オープン戦での調整に失敗し、3月中旬に2軍行きを言い渡された。

 2軍ではとにかく走り込んだという。一時はメディアの取材NGを出すほど、目の色を変えて日々のトレーニングに励んだ。実戦では4試合で3勝、完封勝利も記録。4月28日の広島戦(バンテリンD)で1軍初登板初先発となった。開幕から遅れて1か月のことだった。

■32イニング無失点で月間MVP

 2度目の先発、5月5日のヤクルト戦(神宮)で今季初勝利。この日は8回まで無失点投球を続けるも、9回に自らの失策が絡み3失点。完投・完封を逃し、最後はライデル・マルティネスの助けを借りた。

 その後はマウンドに登るたびに好投を披露。150キロを優に超える直球、鋭く落ちる高速スプリット、精度の上がったナックルカーブの3球種で打者を制圧していった。圧巻だったのは7月で、4試合32イニングで失点・自責はゼロ。初の月間MVPを受賞した。

 一時は村山実(元阪神)以来のシーズン防御率0点台も現実味を帯びていたが、8月以降は勝ち負けが交互に訪れるなどして、ややガス欠に。それでも毎試合のように試合を作り、先発としての役割を果たしてきた。

 これだけのピッチングを続けていれば、今や彼をエースと呼ぶことに異論はない。

■プレミア12開幕投手、あるか?

 チームは残念ながらBクラスに終わったが、髙橋宏の2024年にはまだやるべきことが控えている。侍ジャパンの一員として、プレミア12の優勝に貢献することだ。

 一部報道によると最終候補メンバーに入ったと伝えられており、故障さえなければ確実に選ばれるだろう。WBCではブルペンに入ったが、今回は先発陣の一角、なんならエース格に君臨してもおかしくはない。

 11月13日、オーストラリアとの開幕戦は慣れ親しんだバンテリンドームで実施。ここの先発マウンドに髙橋宏が立つことが、もうすでに見えているのは筆者だけか——。

[文:尾張はじめ]

ココカラネクスト

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