WEC:ル・マンでの『ハイパーポール』好評を受け、2021シーズンの予選方式を変更か

2020年10月1日(木)18時26分 AUTOSPORT web

 2020年のル・マン24時間レースで初めて行なわれた『ハイパーポール』方式の予選フォーマットが、2021年のWEC世界耐久選手権の予選方式の“進化”に影響を与える可能性が出てきている。


 WECでは過去7シーズンにわたって2ドライバーの平均タイムで予選順位を決定する方式が採用されてきた。しかしWECのCEOであるジェラール・ヌブーは、よりファン・フレンドリーな予選システムの導入を検討していることを示唆した。


 2020年のル・マンでは、全車が参加する45分間の予選セッションが行なわれ、そこで各クラスの上位6台が30分の『ハイパーポール』セッションに進み、各クラスのグリッド前3列を決定する方式が採られた。予選も、ハイパーポールも、ひとりのドライバーが出したタイムで争われた。


 このシステムは、エキサイティングな2ステージ制であることと、その分かりやすさから、パドックで好意的な反応を得ていた。


 ヌブーは、ル・マンとは異なるタイムテーブルを持つWECの週末にまったく同じフォーマットを実行することは難しいと示唆するが、シリーズは「より壮観な」予選フォーマットを確立しようとしていると語った。


「ル・マンは、この新しいプロセスを始めるのにうってつけのステージだった」とヌブー。


「FIAエンデュランス・コミッティとル・マンの担当者の希望は、予選セッションを世界選手権にふさわしくより壮観なものにする方法を見つけることだった」


「現時点では、来年のフォーマット構築に取り組んでいる。来年、WECの予選フォーマットが変わっても驚かないでもらいたい」


「ハイパーポールに関しては、注意が必要だ。ル・マンは特別なフォーマットであり、通常のWECのイベントとは何もかもが異なる」


「だが確かに、来季に新しいフォーマットを導入することは検討されており、ファンが親しみやすく、より魅力的で、純粋な(各車の)パフォーマンスとリンクしているものになるだろう」


「エンデュランス・コミッティは2週間前にこの作業に取り組むと決定したので、我々は現在その作業の最中だ。来季のスポーティング規則に確実に記載するためには、年末までには(詳細を)定めることになるだろう」


 ヨーロピアン・ル・マン・シリーズでは、シングルドライバー予選がすでに導入されている。ドライバーがアタックしようすいよう、各カテゴリーに10分間が与えられている。


 また、アジアン・ル・マン・シリーズもほぼ同じような形式で、クラスごとに15分間の予選セッションが設けられている。


 それらと比べると、現在のWECの予選システムは複雑だ。ふたりのドライバーが交代でアタックラップを敢行し、それぞれのべストラップの平均タイムによってグリッドを決定している。


 WECのこの方式は耐久レースにおけるチームワークの側面を際立たせる目的で2013年のシーズン2から導入されている。また、早々にべストラップを記録したマシンがその後ピットに留まるというシーンを回避し、セッションの最初から最後まで多くのマシンがコースを周回している状態を作るという意図もあった。


 ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長は、2020年のル・マンにおけるハイパーポールの好評によって、来年もこのル・マンでこの方式が見られることを示唆し、さらにWECのシリーズ戦でも予選方式に微調整が加えられる可能性があると付け加えた。


「この種の予選方式は壮観であり、またテレビにも適している」とフィヨン。


「観客にとっても良いことだ。来季のWECの予選方式について、引き続きFIAエンデュランス・コミッティと協力して作り上げていきたい」

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