途中出場からハットトリック以上!?…試合の流れを変えた欧州屈指の“スーパーサブ”を紹介

2023年10月2日(月)19時30分 サッカーキング

欧州屈指の“スーパーサブ”たち [写真]=Getty Images

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 先週末のセリエAで偉大な記録が誕生した。交代出場の選手が4ゴールを叩き出しチームを勝利に導いたのである。

 現地時間9月30日に行われたセリエA第7節のサレルニターナ戦にて、インテル所属のアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスが偉業を成し遂げた。ベンチスタートとなったインテルの26歳の主将は、後半10分からピッチに立つと62分に待望の先制ゴールをマーク。そして、そこからの27分間で計4ゴールを叩き込み、チームを4−0の勝利に導いた。



 頼れるエースは今シーズンのセリエAで得点ランク1位を独走しており、今回の4得点で得点数を「9」に伸ばした。データサイト『Opta』によると、インテルの選手がセリエAの開幕7試合で9ゴール以上を奪ったのは、1958−59シーズンのアントニオ・アンヘリージョ(14点)、1973−74シーズンのロベルト・ボニンセーニャ(9点)に次いで史上3人目だという。そしてセリエAの試合において、途中出場の選手が1試合4ゴールを決めるのは1994−95シーズン以降では初の快挙だという。

 途中出場からハットトリックでは満足せずに“ポーケル”(1試合4得点)を達成したラウタロは「僕は4得点して得点ランク1位にいるが、そんなことは関係ない。重要なのは勝利だ」と試合後にキャプテンらしい発言を残し、記念品として持ち帰るマッチボールは「先日生まれ息子にプレゼントする」と語った。この快挙にネット上ではインテルのファンが大興奮。イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』によると、SNS上には「セクシー」「ブレーキのない雄牛」と同選手を称える投稿が続出したそうで、あるファンに至っては異次元の活躍を「違法!」と表現したという。

 当然、シモーネ・インザーギ監督もエースの4得点に満足気で、試合後には冗談を口にする余裕さえあった。47歳の指揮官は「私のマルセイユ戦での“ポーケル”の方が上さ。私はPKを失敗していたので、本当なら5得点できたのだからね!」と、23年前のラツィオ時代にチャンピオンズリーグ(CL)で4得点した自慢話を出してきた。

 いずれにせよ、ラウタロの途中出場からの4得点はセリエAの歴史に刻まれる快挙となったが、他のリーグではどうなのか? 今回は欧州5大リーグの「スーパーサブの得点」について見てみよう。

[写真]=Getty Images

■プレミアリーグ


 1992年に産声を上げたイングランドのプレミアリーグの歴史において、途中出場からハットトリックを達成した選手は7名いる。ジミー・フロイト・ハッセルバインクやエマニュエル・アデバヨール、ロメル・ルカクなどのほか、直近では昨年9月にトッテナムの韓国代表FWソン・フンミンがレスター戦で途中出場からの13分間で3得点を挙げ、チームを勝利に導いている。

 だが、7名のうちハットトリックを超えて4得点したのは1人しかいない。それが“歴代最高のスーパーサブ”の呼び声高い、元マンチェスター・ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャールだ。途中出場から幾度となく“赤い悪魔”を救ってきたノルウェーの点取り屋は、1999年2月6日のノッティンガム・フォレスト戦で偉大な記録を打ち立てる。

 この試合でベンチスタートとなったスールシャールは、72分に投入されると8分後にネットを揺らし、その後は88分、90+1分、そして90+4分にも得点を奪って4ゴールを達成。コーチからは「既に4−1で勝っているので、変なことはせずにボールをキープすればいい」と指示を受けていたそうだが、プレミア史で唯一となる“変なこと”をやってのけたのだ。結局、8−1の大勝を収めたマンチェスター・ユナイテッドは、4カ月後に伝説のトレブル(主要タイトル3冠)を達成するのだった!

■ラ・リーガ


 スペインでハットトリックと言えば、リオネル・メッシ(現:インテル・マイアミ)とクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)の名前が真っ先に思い浮かぶはず。しかし、歴代最多36回のハットトリックを誇るメッシも、34回のロナウドも常に先発出場していたため途中出場からは一度もない。

 現地時間の今月1日にはアルメリアのコロンビア代表FWルイス・スアレスが「5分間」でハットトリックという偉業を達成したが、彼もまた先発出場だった。ラ・リーガでは途中出場によるハットトリックは少ないようで、前回それを達成したのは日本にも馴染みのあるケニア代表FWマイケル・オルンガ(現:アル・ドゥハイル)だという。

 オルンガは、柏レイソルに加入する半年前の2018年1月、ジローナの選手として出場したラス・パルマス戦で後半から投入されると見事に3ゴールをマーク。これはケニア人選手としてだけでなく、2017年にクラブ史上初めてスペイン1部に昇格したジローナにとっても、トップリーグでの初のハットトリックだった!

■ブンデスリーガ


 ブンデスリーガの“スーパーサブ”の快挙はあまりにも有名な話だ。2015年9月、当時バイエルンに所属していたポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキ(現:バルセロナ)がヴォルフスブルク戦で途中出場から5ゴールを叩き出したのだ。

 ハーフタイムに投入された点取り屋は51分、52分、55分、57分、そして60分と立て続けにゴールを奪い数々の記録を打ち立てた。まずは「3分22秒」というブンデスリーガ最速ハットトリックの記録。さらに5分42秒での4得点、8分59秒での5得点も同リーグの最速記録となっている。そして、交代出場から5ゴールというのも60年の歴史を誇るブンデスリーガでは史上初の快挙だった。

■リーグ・アン


 今シーズンからドイツのライプツィヒで活躍するベルギー代表FWロイス・オペンダが、昨シーズンのリーグ・アンで快挙を達成していた。23歳の若きアタッカーはRCランス時代の昨年10月、トゥールーズ戦で56分に投入されると3ゴールを奪ってチームを勝利に導いた。21世紀に入ってからリーグ・アンで途中出場の選手がハットトリックを達成するのは4人目の快挙だったという。

 だがオペンダはこれだけに留まらず、3月のクレルモン戦でシーズン2度目のハットトリックを記録した。その時は先発出場だったが、31分に先制点を決めると34分と35分にもネットを揺らし、わずか「4分31秒」でハットトリックを達成。リーグ・アンの歴史において1967年以降で最速のハットトリックを決めたのだ!

■チャンピオンズリーグ


 1992年に誕生したチャンピオンズリーグ(CL)ではハットトリックが生まれやすいようで、これまで実に6選手が途中出場からハットトリックを達成している。ウーヴェ・レスラー、ホセバ・ジョレンテ、ワルテル・パンディアーニ、キリアン・エムバペ、マーカス・ラッシュフォード、そして直近ではリヴァプールのエジプト代表FWモハメド・サラーが偉業を成し遂げた。

 サラーは昨年10月のレンジャーズ戦で68分に投入されると75分、80分、81分にネットを揺らして交代出場からわずか13分間で3ゴールをマーク。1点目から3点目までかかった時間はわずか「6分12秒」だった。これはCL史上最速のハットトリックとなっている!

今シーズン、欧州サッカー界では今後もハットトリックが生まれるはずだが、途中出場から3ゴール以上の離れ業を成し遂げる選手は現れるのか? 驚異の“スーパーサブ”に注目したい。

(記事/Footmedia)


【動画】セリエA初の快挙! インテルの主将ラウタロが途中出場から4ゴール

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