NASCAR第29戦:最終周の最終コーナーでトップ2台が絡む波乱。トヨタのトゥルーエクスJr.が勝利逃す

2018年10月3日(水)6時20分 AUTOSPORT web

 モンスターエナジーNASCARカップは9月30日、ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで第29戦が行われ、ファイナルラップの最終コーナーで逆転したライアン・ブレイニー(フォード・フュージョン)が優勝した。


 NASCAR独自のチャンピオン決定戦“プレーオフ”第3ラウンドとなるシャーロット戦は、シャーロットのオーバルオースと、その内側に新設されたロードコースを組み合わせた“ローバル”で争われた1戦だ。


 このローバルはグリップレベルの低さなどから事前のテスト段階からクラッシュが多発しており、シリーズ戦でも波乱が予想された。決勝は25周、25周、59周の3ステージ合計109周で争われた。


 ステージ1は予選5番手だったカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)がスタート早々に2番手までポジションを上げると、6周目にはラップリーダーのカート・ブッシュ(フォード・フュージョン)を交わしてトップに浮上する。


 その後、ラーソンは約3秒までギャップを広げてトップチェッカーを受けて、ステージ1を制した。


 続くステージ2は4番手でスタートしたブレイニーが着実に順位を上げていくと、前を走るケビン・ハービック(フォード・フュージョン)がグリーンフラッグ下でピットインしたタイミングでラップリーダーに。そのままブレイニーは3.6秒のマージンを築いてステージ2を制している。


 最終ステージ3は序盤からアクシデントなどによりイエローコーションが複数回出される展開となり、チームごとにピット戦略が分かれることに。


 レースは残り8周となったタイミングでクラッシュによりイエローコーションが発生。その2周後に再スタートが切られる。


 この再スタートでは、先頭を走っていたブラッド・ケゼロウスキー(フォード・フュージョン)やラーソンなどがターン1への進入で曲がりきれずタイヤバリアに激突。これに後続が巻き込まれ、計13台が絡む大クラッシュが起きてしまう。


 レースはこれで赤旗中断。回収作業を終えて、レースはトゥルーエクスJr.を先頭に残り3周で再開される。そのトゥルーエクスJr.の後方にはジミー・ジョンソン(シボレー・カマロZL1)が続き、2台はテール・トゥ・ノーズのままファイナルラップへ。


 そして迎えたフィニッシュライン手前のシケイン、このアプローチでジョンソンはトゥルーエクスJr.に並びかけるべくハードブレーキをかけるが、リヤタイヤがロックしてしまい、白煙を上げながらバランスを崩す。


 一瞬、体勢を立て直したかに見えたジョンソンだったが、そのままイン側へ巻き込むようにスピン。シケインを飛び越える形でコース上に飛び出すと、先行していたトゥルーエクスJr.に追突してしまう。


 このクラッシュでトップだったトゥルーエクスJr.も最終コーナー立ち上がりでスピン。優勝を争っていた2台がチェッカー目前でストップする波乱の展開に。


 2台が失速するなか、間を空けて走行していた3番手を走行していたブレイニーがレーシングスピードで近づくと、危なげなく2台を交わして、そのままチェッカー。ファイナルラップの最終コーナーで大逆転劇を演じてみせた。

最終周の最終コーナーで逆転したライアン・ブレイニー(フォード・フュージョン)


 ブレイニーにとっては、これが2018年シーズン初優勝でキャリア通算2回目のカップ戦制覇。またこの勝利でプレーオフ第2ステージへの切符も手にした。


■トヨタのトゥルーエクスJr.「ブレーキに利用された。最悪の気分だよ」


「いろいろなものを避けなくてはいけないタフな週末だった」とブレイニー。


「今日、トラック上でベストな2台が、ああいった形で絡むのを見たくはなかったけど、これもレースだ」


「僕たちは正しいタイミングに正しい場所を走っていたということだね。ビクトリーレーンにマシンを進めることができてうれしいけど、次のレースにも集中していく」


 最終コーナーでの接触で勝利を逃したトゥルーエクスJr.は「最終コーナーのアクシデントは自暴自棄が原因」との言葉を残している。

最終周に交錯したマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)とジミー・ジョンソン(シボレー・カマロZL1)


「(最終シケインにアプローチするオーバルで)僕は彼(ジミー・ジョンソン)に内側のラインを残した。だから僕は厳しいライン取りになったけど、彼がイン側につく形でシケインへ向かったんだ」


「彼の走りは限界を超えていて、マシンをコントロールできる状態ではなかった。ブレーキに利用されたんだ。最悪の気分だよ」


「サイド・バイ・サイドのまま最終コーナーを立ち上がって勝利を争う最高の展開になるはずだった。ファンもそれを期待していたはずだよ。結局、僕は14位でフィニッシュし、彼はプレーオフ敗退になってしまった」


 この第29戦終了時点で、プレーオフ進出者16名中獲得ポイントの少ない4名は脱落。ジョンソンのほか、オースティン・ディロン(シボレー・カマロZL1)、デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)、エリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)が姿を消した。


 モンスターエナジーNASCARカップ第30戦は10月7日、デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで決勝が行われる。



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