ル・マン24時間:失格処分に控訴のGドライブ/TDSが敗訴。アルピーヌのP2クラス優勝が確定

　10月2日、WEC世界耐久選手権／ル・マン24時間を運営するACOフランス西部自動車クラブは、暫定扱いとなっていた第86回ル・マン24時間レースの正式結果を発表した。これによって失格処分に対して控訴していたGドライブ・レーシングとTDSレーシングの敗訴が明らかになるとともに、シグナテック・アルピーヌ・マットムートのLMP2クラス優勝が確定している。

　ロマン・フシノル率いるGドライブ・レーシングの26号車オレカ07・ギブソンは、6月16〜17日に行なわれた2018年のル・マンで決勝レース序盤からクラス首位を走行すると、最終的に2位の36号車アルピーヌA470・ギブソンに3ラップ差をつけてトップチェッカーを受けた。また、Gドライブのオペレーションを担うTDSレーシングが走らせる28号車オレカもクラス4番手、WECフル参戦チームの中では2番手という好結果を残していた。

　しかし決勝後の検査において、両チームの給油装置内からレギュレーション違反のパーツが見つかったことから、レースディレクターはGドライブとTDSレーシングの2台を失格とする処分を下した。

　FIAの報告によれば、両チームは追加パーツによって燃料タンクから車両に向かうガソリンの流量を約25パーセント引き上げており、1回のピットストップにつき6〜8秒のゲインを得ていたという。実際に2チームのピットストップタイムは他陣営に対して短いことがデータ上でも確認することができる。

　決勝後の失格処分に対して2チームは「すべての備品がレギュレーションに適合していると考えており、スチュワードの裁定を残念に思う」との声明を発表。同時に裁定への控訴する構えを示しFIAの国際控訴審判所に判断を委ねていたが、レースディレクターの裁定が覆ることはなく、レース結果からの除外が正式に決定することとなった。

これによって2位でチェッカーを受けたシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌ（ニコラ・ラピエール／アンドレ・ネグラオ／ピエール・ティリエ組）の勝利が確定。また、グラフ-SO24の39号車オレカがクラス2位に、ファン・パブロ・モントーヤを起用したユナイテッド・オートスポーツの32号車リジェJS P217・ギブソンが同3位に繰り上がっている。

■2018／19年WEC世界耐久選手権第2戦『第86回ル・マン24時間』 決勝正式結果

＊WECフル参戦チーム