1位指名の可能性は低いけど…“掘り出し物”になりそうなドラフト候補たち

10月3日(土)10時36分 フルカウント

磨けば光る——、今年のドラフト戦線で一芸に秀でた“原石”は?

 10月を迎え、22日に行われるドラフト会議へ向け、スカウト戦線もいよいよ佳境に突入した。1年間、担当選手を追ってきたスカウトたちの腕の見せ所が近づいている。

 今年のルーキーでいえば、新人王有力候補に挙がっているDeNA山崎康晃、日本ハム有原航平のように1位指名選手が前評判通りに力を発揮してくれることも重要だが、それ以上にスカウトの真価を問われるのは、順位(=期待値)以上の結果を残してくれる“掘り出し物”を見つけることだろう。

 チームで唯一、ローテーションを守った巨人・高木勇人(ドラフト3位)、8月に故障するまで打率3割4厘で新人王当確とも言われていたオリックス・西野真弘(ドラフト7位)も、その一例といえよう。果たして今年のドラフト戦線で“掘り出し物”は、どれほど発掘されるのか。

 1位での指名の可能性は低いが、磨けば光る——そんな一芸に秀でた原石たちを、それぞれの武器とともに紹介したい。

◯ウイニングショット

 投手にとって、アマからプロへの壁の一つが空振りを取れなくなることだろう。その点で注目したいのが、秋田商・成田翔だ。サウスポーから繰り出すスライダーは一級品。夏の甲子園・龍谷戦で大きくタテに落ちる魔球を武器に16三振の快投を演じた。

 U−18W杯の高校日本代表にも選ばれた。168センチの小兵で同じ高校という共通点から、ヤクルト・石川雅規になぞらえられている。この勝負球でプロの壁を打ち破り、「小さな大投手」として名を馳せる可能性も小さくない。

◯鉄腕

 いくら好投手であっても、シーズンを通して活躍できなければ、チームに貢献できない。プロで1年間、ローテを守れるタフな投手として、東洋大の右腕・原樹理は期待大だ。春は東都大学リーグ2部の11試合で驚異の10登板7完投で4完封。そのすべてを1−0でシャットアウトしたというから、いかにタフで勝負強いかが分かる。

 立命大の右腕・桜井俊貴も3年春にリーグ戦11登板で4完投3完封した実績があり、原同様に頑丈な身体は評価に値するポイントとなるはずだ。

国学院大・柴田は「守備だけなら今すぐにプロの1軍で通用する」

◯パンチ力

 プロ野球でファンを最も沸かせるのはホームラン。その点で初芝橋本の捕手・黒瀬健太は魅力たっぷりだ。右の大砲が放った高校通算本塁打は実に97本。甲子園出場経験はなく、全国的な知名度は低いが、スラッガーにとってボールを遠くに飛ばすのは天性の部分もある。大化けすれば、日本ハム・中田翔のような魅力的なスラッガーに育つかもしれない。

 日大三時代に4番として甲子園を制した慶大・横尾俊建はリーグ戦通算11本塁打と、こちらも長打力十分。ファンの間では「東京六大学では弱い東大がいるから数字を評価しにくい」といわれるが、本塁打全てを東大以外の4大学から放っている珍しいタイプで、こちらもホームランアーチストとして魅力的な選手である。

◯バットコントロール

 ヒットを量産し、チャンスメークできる1、2番候補であれば、立大の遊撃手・大城滉二が面白い。東京六大学では歴代タイ記録の127安打を放っている明大・高山俊ばかりに話題が集まっているが、大城も108安打。それも、高山と比べて10試合34打席少ないという点を差し引けば立派な数字である。7季中5季で打率3割とハイアベレージを記録している点も、特筆すべき点だ。

◯守備職人

 国学院大・柴田竜拓は、アマ球界NO1といわれる守備力で飛躍が期待できる。ショートを主戦場とし、世界一となった7月のユニバーシアード大学日本代表でも不動の遊撃手として活躍した。167センチと小柄ながら、難しい打球をいとも簡単に処理してしまう守備センスには目を見張る。セ・リーグスカウトも「守備だけなら今すぐにプロの1軍で通用する」と評しており、内野の守備力強化を図りたい球団は是が非でも欲しい存在だろう。

50メートル5秒7の外野手、「人間力」を高く評価される選手も

◯俊足

「足にスランプはない」との格言もある通り、俊足を武器にする早大・重信慎之介なら息の長い活躍ができそうだ。50メートル5秒7の外野手。塁に出ると極端に大きなリードを取って相手投手を揺さぶる。巨人・鈴木尚広のような足のスペシャリストになれる可能性を持つ。打撃でも重心を低く構え、しぶとくバットに当てて粘るリードオフマン。相手にしたら厄介な、いわゆる“うるさい選手”だ。

 走力の面では、大商大の遊撃手・吉持亮汰もアマ球界屈指のスプリント能力を誇っている。

◯人間力

 グラウンド以外で注目される選手もいる。法大の外野手・畔上翔は、第一に語られるのがプレーより人間性という希有なタイプだ。日大三、法大と高校、大学の名門で主将を任された。大学日本代表、U−21日本代表を経験しており、練習にひたむきに取り組む姿勢には、どの指導者も舌を巻く。「努力する才能」が最大の能力というべきか。

 打撃面など課題は残っているが、あるパ・リーグスカウトは「アマ時代に走攻守が平均的にまとまっていて、人間性が高く評価されていたという点では鈴木大地(東洋大—ロッテ)が同じだった。そういうタイプの選手は過去にサンプルが少なく、彼がプロに入ったら、どういう選手になるのか興味深い」と分析している。実直な正確で知られる鈴木はコツコツと実績を積み重ね、ロッテ入団3年目で主将を任された。同じような成長曲線を描くことができるのか。

 明大・坂本誠志郎も2年春から名門の正捕手を務め、その間に3度のリーグ制覇。監督に次ぐ第2の頭脳としてリード面に定評があり、大学日本代表の主将も務めた。守備の要であり、チームの要にもなれる。闘志を発揮できる昔ながらの捕手といえる選手で「捕手が少ない」といわれる今年のドラフト戦線で人気が高騰してもおかしくはない。

 こうして見ると、今年のドラフト候補にもオンリーワンの個性を持ったタレントがズラリ。それぞれの才能をスカウトがどう評価し、誰を指名するのか。その検討作業は22日のドラフト直前まで続いていくことになる。

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