阪神は失策数12球団ワースト。大学屈指の「名手」をW獲りせよ

10月3日(土)11時10分 Sportiva

チーム事情から見るドラフト戦略2020〜阪神編

◆2020年ドラフト戦略〜巨人編>>

 セ・リーグ2位(10月2日現在)とはいっても、首位・巨人に11.5ゲーム差も離されてしまっては......あらためてチーム編成を見直す必要があるだろう。

 西勇輝(8勝4敗、防御率2.25)、秋山拓巳(6勝2敗、防御率2.77)、青柳晃洋(6勝7敗、防御率4.29)の3投手の奮投もあって、チーム防御率3.53はリーグ2位。

 一方、野手はというと、チーム打率.247(リーグ5位)と低調で、それよりも失策数63はリーグワーストどころか12球団ワーストのお粗末ぶりである。


軽快なフィールディングを見せる国学院大の遊撃手・小川龍成
 たしかに、現在在籍している野手のなかで"守備力"を買われて入団した選手は、捕手の坂本誠志郎と内野手の熊谷敬宥(たかひろ)ぐらい。

ここ数年、「打てない阪神」をなんとかせねば......と打力最優先で選手を獲得してきたことが、失策数に大きく影響しているのではないか。

 だが、打力を買って上位で獲得したはずの伊藤隼太、北條史也、陽川尚将、高山俊が奮わず、いまだ定位置を奪えずにいる。結局、打線の核となる選手の不在が、苦しい戦いを強いられる最大の要因になっている気がしてならない。

 というわけで、今年も未来の"主砲"探しがテーマになる。

 競合覚悟で佐藤輝明(近畿大/外野手)にいくか、一本釣りで高校生の元謙太(中京学院中京/内野手)か井上朋也(花咲徳栄/内野手)を狙うかだ。

 元の身体能力はすばらしく、今夏は遊撃手だったから内野手と表記したが、外野も同様に高いレベルでこなせて、マウンドに上がれば145キロ前後のボールを連発する。打っても、こすったような打球があっさりとフェンスを越え、スイングスピードの速さは全国トップクラス。まさに、鈴木誠也(広島)二世である。

 井上の武器は集中力と長打力だ。ウエイティングサークルの段階から、すでにマウンドの投手と対峙できるメンタリティーはプロ仕様。今夏の独自大会は本来の"野球勘"を取り戻せないまま終わってしまった印象があるが、昨年秋から守り始めた三塁の守備力......とりわけ、正確かつ強烈なスナップスローの見事さに驚かされたものだ。

 昨年のドラフトで阪神は2位で履正社の主砲・井上広大を獲得。その井上は1年目からファームの中軸を任され、7本塁打を放つなど将来のクリーンアップ候補として早くも頭角を現している。

 広大、朋也の"井上コンビ"が実現すれば、猛虎打線復活のきっかけになるのではないか。球界に数少なくなった"右の大砲"を2枚揃えられる絶好のチャンスだ。ここは迷いなく、1位で獲得してほしいものだ。

 さて、ディフェンスの弱さについてだが、スーパープレーをする派手な選手より、守備範囲に飛んできた打球を確実にアウトにしてくれる、そんな堅実無比タイプが必要。欲をいえば、"走攻守"三拍子揃った選手が理想だが、今年のアマ球界にそういう内野手は見当たらない。

ドラフト1位指名候補はこの12人だ!>>

 もっとも、三拍子と見込んで上位で獲った選手ほど、プロに入って見たら意外と"一芸"だったり、逆に一芸だと思っていた選手がメキメキと力をつけて三拍子揃った選手になったり......。

 源田壮亮(西武)や福田周平(オリックス)はその代表的な存在だし、ルーキーの小深田大翔(楽天)にもその兆しが感じられる。

 そんな可能性を感じる守備タイプの選手が大学にいる。小川龍成(国学院大)と矢野雅哉(亜細亜大)は、昨シーズンから不動のショートストップとして活躍している名手である。

 小川のフィールディングには"年季"を感じる。大学生に"年季"という言葉は違和感があるかもしれないが、小川の守りを見ていると、捕って投げるという動作を何千回、何万回と繰り返しやってきた確かな技術が見てとれる。派手さはないが、確実にアウトにしてくれる安心感。チームとして守りを根本的に変えていくなら、こういう人材は絶対に必要だ。

 一方の矢野は強肩がウリの遊撃手で、その強さはプロでもトップクラスだろう。それでいて、強肩の選手にありがちな強引さはなく、間違いないなくプロで売り物になるスローイングだ。昨年秋のリーグ戦では打率.415をマークして首位打者を獲得。決して守備だけの選手ではないことを証明して見せた。

 ポジションは被るが、ふたりとも獲ればいい。それぐらい守れる選手が必要なのだ。ひとりだけ獲得して済ませるのは、単なる"補充"にすぎない。ふたり獲ってこそ本当の意味での"補強"である。

 矢野は二塁のポジションを守らせても面白い。あの肩があれば、併殺も取れるし、カットプレーでも大いに貢献してくれるはずだ。

 昨年のドラフトでは1位から5位まで、素質豊かな"甲子園球児"をズラリと並べてアッと驚かせた阪神。今年は"右の大砲"と"名手"に絞って、「これでもか!」というぐらいの補強を期待している。

Sportiva

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