MotoGPタイGP:戴冠の可能性高まるマルケス、予選アタック中に再び転倒。ポール獲得はクアルタラロ

2019年10月5日(土)17時44分 AUTOSPORT web

 MotoGP第15戦タイGP MotoGPクラスの予選がチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がポールポジションを獲得した。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は予選Q2のアタック中に5コーナーでスリップダウンを喫し、3番グリッドからチャンピオン獲得がかかる明日の決勝レースを迎える。


 予選日のチャン・インターナショナル・サーキットは朝から激しい雨に見舞われ、この日最初のセッションであるMoto3クラスのフリー走行3回目のスタートがディレイ。Moto3のフリー走行3回目終了後、さらにセッションディレイとなり、MotoGPクラスのフリー走行3回目は当初の予定よりも約1時間15分遅れ、走行時間を35分に短縮して始まった。


 雨は止んだものの、路面状況はウエット。セッション序盤にトップに立ったのは、初日のフリー走行1回目でハイサイド転倒を喫し、病院に搬送されて検査を受けたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)だったが、セッションが進むにつれ、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)やアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)などにトップが入れ替わる。


 路面状況は徐々に回復していき、セッション残り時間5分になるころには、リンスやアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)など数名がスリックタイヤで走行。さらに終盤にはレインタイヤ勢よりもスリックタイヤ勢のタイムの方が上回り、1分36秒250をマークしたドヴィツィオーゾがトップでセッションを終えた。2番手はモルビデリで3番手がリンス。マルケスは4番手だった。5番手にはビニャーレスが続いている。


 路面状況はMoto3の予選を迎えるころにはすっかり回復。MotoGPのフリー走行4回目はドライコンディションで行われ、トップタイムをクアルタラロがマーク。2番手にマルケス、3番手にビニャーレスが続き、4番手にミラー、5番手にドヴィツィオーゾがつけた。


■予選Q2でマルケスが再び転倒。ポール獲得を逃す


 予選Q1が始まるころには、気温は28度、路面温度は46度にまで上昇した。中上、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)、ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)などがこのQ1から予選に臨んだ。


 最初のアタックを終えてトップはポル・エスパルガロ、2番手にはクラッチローが続く。中上はトップから0.319秒差の4番手につけていた。


 ほぼすべてのライダーがセカンドアタックに入って間もなく、ペトルッチがトップタイムをマーク。クラッチロー、ポル・エスパルガロもタイムを更新するも、ペトルッチのタイムには及ばない。フリー走行2回目でトライしたカーボンスイングアームでこのQ1に臨んでいた中上は、最後のアタックでタイムを詰めたが、トップには0.703秒届かず、Q1突破を逃し14番手から決勝レースを迎える結果となった。


 Q2進出を決めたのはトップのペトルッチとポル・エスパルガロ。3番手のクラッチローはわずか0.013秒届かずにQ1で予選を終えている。


 続いて行われた予選Q2。ビニャーレスがトップタイムをマークしたかと思えば、マルケスがそのタイムを更新。そしてそのタイムをさらに上回るタイムを叩き出したのがクアルタラロだった。クアルタラロは1分29秒920をマーク。オールタイムラップ・レコードを更新するタイムでトップに立つ。マルケスも続いて1分29秒931をマークするも、クアルタラロのタイムに0.011秒及ばない。


 こうした状況のなか、9番手につけていたバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が5コーナーでスリップダウンを喫する。


 続々とライダーたちがピットインしてタイヤ交換を行うなか、最初のアタックのお時間を長めにとり、ひとりアタックを重ねていたビニャーレス。他のライダーがセカンドアタックに入ったところで残り3分を切ってピットイン。タイヤ交換ではなくマシンを乗り換え、セカンドアタックに入る。


 Q2も終盤。残り時間1分でアタックを行っていたマルケスだったが、5コーナーで転倒。フロントタイヤを切れ込ませてスリップダウンを喫したマルケスが、マシンとともにグラベルに滑っていく。マルケスに大きな怪我はなかったようだが、タイムの更新を逃すことになった。


 トップをキープしていたクアルタラロはさらにタイムを縮め、1分29秒719をマーク。続けてチェッカー後のラストアタックを臨んだクアルタラロだったが、マルケスと同じく5コーナーでスリップダウンを喫した。それでも前周に記録したタイムで、ポールポジションはクアルタラロが獲得する結果となった。


 2番手に入ったのは終盤にタイムを更新したビニャーレス。ヤマハ勢がフロントロウのワン・ツーを占めた。転倒を喫したマルケスは、序盤に記録したタイムで3番グリッドを獲得。ポールポジションは逃したものの、フロントロウからタイトル獲得に挑む。4番手はモルビデリ、5番手はQ1からQ2へ進出したペトルッチだった。


 チャンピオンシップ2番手のドヴィツィオーゾは7番手で、3列目からのスタート。グリッドの状況を考えればマルケスのチャンピオン獲得の可能性はかなり高いと言えるが、一方でフリー走行1回目のハードクラッシュと、あまり見せない予選のアタック中の転倒が気がかりではある。通算6度目のMotoGPタイトルを、マルケスはタイGPで手にすることができるだろうか。


AUTOSPORT web

「MotoGP」をもっと詳しく

「MotoGP」のニュース

「MotoGP」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ