樋口新葉、トリプルアクセル着氷。日本女子の競争がヒートアップ!

10月5日(月)6時10分 Sportiva

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10月3日、ジャパン・オープンでフリー演技をする樋口新葉
 
 例年であれば、世界のトップ選手たちが集結するフィギュアスケートのジャパン・オープン。新シーズンへ向けた調整も整い始め、それぞれの選手がフリープログラムを滑って北アメリカとヨーロッパ、日本の対抗戦となる大会だ。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた今年は、日本選手の男子4人と女子6人が出場し、チームをブルーとレッドに分けて戦う試合形式となり、10月3日にさいたまスーパーアリーナで開催された。
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 この試合を今季の初戦とした樋口新葉は、最終滑走者として登場。119.02点以上を出せば、先に演技を終えたチームレッドを逆転するという状況だった。
 樋口はコロナ禍の外出自粛期間中には、質と量を意識した陸上トレーニングに取り組み、6月からの氷上練習でも「今季はフリーに必ず入れる」と宣言していたトリプルアクセルを練習してきた。9月のアイスショー「ドリーム・オン・アイス」でも、キレのある動きを見せていた。プログラムはショートプログラム(SP)、フリー共に昨シーズンの「バード・セット・フリー」、「ポエタ」を継続することにし、プログラム作りに時間を取られることはなく、ジャンプの練習に集中できているという。
 ジャパンオープン前日の練習後に樋口はこのように意欲を口にした。
「トリプルアクセルを成功する確率は、最近の練習だと80%くらいまで上がってきている。あとは自信と気持ち。今回はバシッと決められるようにしたい」


演技後、笑顔を見せる樋口(左)
 
 本番の3日、「久しぶりの試合で緊張していた」という樋口だが、最初に挑んだトリプルアクセルは回転充分のジャンプで、片足でしっかり着氷。だが、尻が下がる体勢で堪える形になり、動きを制御できずにターンしたためGOE(出来栄え点)は1.60点減点される結果だった。さらに、中盤の3回転ループと最後の3回転ルッツで1回転になるミスをし、スピンでもレベルを取りこぼして合計は123.01点。チームとしては優勝したが、個人では本田真凛の欠場で急遽代役出場となった山下真瑚に3.93点負ける不満の残る結果になった。
「今回はとりあえず、トリプルアクセルを片足で降りることを目標にしていました。オーバーターンになってしまってバシッとは決められなかったけれど、転んだり回転不足になったりせずに降りられたのでよかったと思う。ただ、試合では跳べたか、跳べないかの100点と0点しかないので、その点では今日は0点でした。練習で100点にして試合に持っていきたい。次の大会へ向けては、しっかり加点がもらえるように練習をしていきたいです」
 トリプルアクセルをこう振り返った樋口だが、演技全体については「絶対にミスをしたくない」と考えていた他のジャンプでの失敗を悔しがった。
 今季はプログラムも2シーズン目で、つなぎの滑りやステップの目線、指先の動きといった細かなことも意識し、プログラム全体の完成度を高めようとしている。細部まで意識する滑りの中で、シーズン初戦ということもあり、失敗した2本のジャンプは少し集中力が切れてしまったのかもしれない。だが、それ以外の3回転ルッツ+3回転トーループ、3回転サルコウ、後半のダブルアクセル+3回転トーループ、3回転フリップからの3連続ジャンプは余裕を持って跳んでいた。その点では、2本のミスもこれから修正できる範囲と言えるだろう。
 昨シーズン、夏場にケガをして出遅れた樋口は、その時点で目標を全日本選手権へと切り替えた。食事などを見直した体づくりにも取り組み、全日本で2位という結果をしっかりと残した。

 そうした中、シニア1年目のロシア勢が高得点を出して旋風を巻き起こした。しかし樋口自身は、「彼女たちが強いのは知っていたので、焦ることなく、まずは自分のレベルを上げていこうと考えていた」と冷静だった。そんな樋口が見据えたレベルアップの第一歩がフリーでトリプルアクセルを跳び、SPと共にノーミスの演技をそろえることだ。
 今季、日本女子を牽引しながらロシア勢に挑む紀平梨花は拠点をスイスに移し、まだ試合に出場していない。坂本花織は近畿選手権に出場し、SPは新プログラムをノーミスで滑り、74.88点を獲得。フリーはわずかなミスはあったが、合計218.35点で優勝している。今季の坂本は4回転トーループ挑戦をやめ、プログラムの完成度を上げて合計230点台を安定して出すことを目標にして練習に取り組んでいる。
 2シーズン、ケガで苦しんだ樋口はまずトリプルアクセルを完成させ、目指すレベルへ到達することが第一段階での目標になるだろう。
 紀平、坂本、樋口に追随していく選手のひとりが、今季からシニア入りした河辺愛菜だろう。近畿選手権では、SP、フリー共にトリプルアクセルに挑み、失敗はしたが188.48点で2位。SPでは、連続ジャンプの基礎点が1.1倍になる後半にトリプルアクセルを入れており、これが成功すれば、大きくステップアップする可能性がある。
 そうした日本女子の状況で、樋口が一歩抜け出して紀平に迫るためには、トリプルアクセルを安定させ、次の目標でもあるSPでの導入へと進むことが必要だろう。

Sportiva

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