ハミルトン好調も10グリッド降格が確定「ICE交換はリスクと損失を最小限に抑える最善の策」とメルセデス/F1第16戦
2021年10月9日(土)16時23分 AUTOSPORT web
2021年F1トルコGPの金曜、メルセデスのルイス・ハミルトンはフリー走行1=1番手/2=1番手、バルテリ・ボッタスはフリー走行1=4番手/2=3番手だった。
FP1スタート直後、FIAは、メルセデスがハミルトン車のパワーユニット(PU)のエンジン(ICE)4基目とエキゾーストシステム4基目を投入したと発表した。このうちICEについては、シーズン中に使用できる数を超えたため、ハミルトンは決勝10グリッド降格ペナルティを科された。
今回のエンジン交換について、メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、『Sky Sports』に対して、レース中にトラブルに見舞われることを避けるため、残り7戦すべてについて検討した結果、オーバーテイクのチャンスが比較的高いと考えられるトルコでの新パワーユニット投入を選択、さらに最小限のポジションダウンで済むようICEのみを交換とした、と説明している。
「今年の残り全レースについてシミュレーションを行っている。信頼性の問題が起こるリスクを考慮してバランスをとる必要があるのだ。レース中に壊れて、結局ペナルティを受けるようなことは絶対に避けたい。さらに、パワーユニットは寿命が近づくなかで馬力が少し落ちてくるので、そういうパフォーマンス面の要素もある」
「信頼性とパフォーマンスの要素において最も大きな影響を持つのがICE本体だ。それに、最後尾からスタートするよりは10グリッド降格の方がいい」
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)
フリー走行1=1番手(1分24秒178:ソフトタイヤ/26周)/2=1番手(1分23秒804:ソフトタイヤ/30周)
路面の感触が昨年とは全然違うね。2020年には、新しい舗装からオイルが浮いてきて、グリップを見付けるのがすごく難しかった。今週末はどうなのか、全く予想できないままここに来たけれど、走ってみると、グリップレベルがとても高くて素晴らしかった。このトラックを走るのが、去年よりもずっと楽しくなったよ。
FP1の最初のセットアップは最高で、今朝は強さを発揮できた。午後に向けていくつか変更を加えたところ、路面の進化と相まって、マシンのフィーリングがそれほどいい感じではなくなった。それでも大事な学習ができたことは確かだ。
このパッケージから引き出せる最大限に近づいているけれど、一晩研究すると、いつだって何かを見つけられるものだ。自分たちのペースを明日につなげられるように、努力していくよ。明日は雨が降らなければいいな!
日曜日にはやるべき仕事がたくさんあるので、明日、最大の結果を出すために集中する必要がある。もちろん、ペナルティによる損失を抑えるために、ポールを狙っていくよ。
■バルテリ・ボッタス(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)
フリー走行1=4番手(1分24秒842:ソフトタイヤ/28周)/2=3番手(1分24秒214:ソフトタイヤ/31周)
去年よりタイムがずいぶん速くなったね! 今日のFP1は去年より10秒以上速かったんだ。いまやこのサーキットはカレンダー中、最もグリップの高いサーキットのひとつと言っていい。走っていてすごく楽しいよ。
2020年はグリップが低く、アンダーステアを修正するためにバランスをとっていたが、今はマシンに関してもっとアグレッシブな方向を選ぶことができる。
FP1では誰もが、新しいコンディションに適応し、バランスを読み取ることに集中していた。僕たちの場合、出だしはあまりいい状態ではなかったけれど、FP2までにマシンはかなりいい感じになった。大きなトラブルもなく、赤旗も出なかったので、たくさん走ることができた。僕らにとって力強い週末になる予感がするよ。
タイミングボードを見ると、フェラーリはここで調子がよさそうだ。でもレッドブルもこれから大幅に改善してくるだろう。もちろん全員が同じだけどね。今回も接戦になりそうだ。