ハミルトンのアブダビテストでのフェラーリ合流をウォルフが拒否か。一方サインツはウイリアムズからも出走へ

2024年10月9日(水)11時30分 AUTOSPORT web

 フェラーリF1のチーム代表であるフレデリック・バスールは、よき友人でありライバルでもあるトト・ウォルフに、7度の世界チャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンがシーズン終了後のアブダビテストでフェラーリのテストに参加することを許可するよう要請したが、却下されたという。


 ハミルトンの早期離脱要請をメルセデスが拒否したため、フェラーリと初めて直接コンタクトを取るには2025年の初めまで待たなければならないだろう。


 メルセデスとハミルトンの契約上の義務は12月31日まで続き、それにはブラックリーのファクトリーで行われるシーズン終了後の恒例のクリスマスパーティーへの参加、そしてシーズン終了後にいつも行われているクアラルンプールのペトロナス本社訪問などいくつかのスポンサー行事への出席が含まれている。


 バスールは、メルセデスが彼の要請を拒否した理由について詳しく述べようとはしなかったが、「ルイス(・ハミルトン)がアブダビで我々のテストに参加しないとしても、それは私が頼まなかったからというわけではない。分かってもらえると思うがね」と笑顔で語っていた。


 言い換えれば、バスールはこのために厚意を求めたが、ウォルフに拒否されたということだ。ウォルフは、ライバルチームにスタードライバーを奪われたことにまだ腹を立てており、ハミルトンが将来のチームに早く溶け込むのを助長する気はなかったのだろう。

ルイス・ハミルトンとトト・ウォルフ代表(メルセデス)


 ハミルトンがテストに参加できないため、フェラーリはアブダビGP後の火曜日に、シャルル・ルクレールをヤス・マリーナ・サーキットで1日中走らせることになるだろう。またバスールは、カルロス・サインツも同じサーキットでテストに参加するが、彼は2025年のチームのためにも走ると明かした。


 バスールは、「我々の観点から言えば、ウイリアムズとカルロス(・サインツ)の要請を拒否する理由はない」と語る。


「我々はカルロスと良好な関係で別れることになった。彼は我々との最後のシーズンだと分かっていても、これまで通り完璧なプロフェッショナルであり続けている。なので、ウイリアムズとの1日のテストのために解放してほしいという彼の要望を受け入れている」


「カルロスは間違いなくマラネロのクリスマスパーティーに来るだろうし、チーム全員が彼の将来の幸運を祈っている。だが我々は、ウイリアムズがアブダビで彼のためにどんな走行を用意したとしても、彼にやらせるつもりだ」

カルロス・サインツとフレデリック・バスール代表(フェラーリ)


 ドライバーがチームを移籍する場合、これはかなり普通のことだ。フェルナンド・アロンソは2022年、アルピーヌでの最後のレースの2日後にアストンマーティンでテストを行い、バルテリ・ボッタスはメルセデスを離れ、アルファロメオ・ザウバーでテストを行った。


 異例なのは、長年にわたり会社に貢献して多大な結果を出してきたドライバーに、新チームでの最初のテストの機会を与えることをチームが拒否したことだ。メルセデスがハミルトンの新天地への移籍の決断と、12年間の大成功だった関係に終止符を打つことをまだ受け入れていないのは、誰の目にも明らかであるようだ。

2025年からはフェラーリへ移籍するルイス・ハミルトン


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