ホンダ田辺TD初日インタビュー:初走行となった山本尚貴は、「F1マシンに乗せられるのではなく、しっかり乗っていた。チームからも高評価」

2019年10月12日(土)12時58分 AUTOSPORT web

 ホンダにとって最重要レースと位置づけられるF1第17戦日本GP。しかし大型の台風19号の襲来で、土曜日のセッション中止が決まった。2回だけとなったフリー走行ではマックス・フェルスタッペンがフェラーリ2台を抑え、メルセデスに次ぐ総合3番手に付けた。そんな初日を、田辺豊治F1テクニカルディレクターが振り返った。

2019年F1第17戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は初日のFP2で3番手


ホンダ田辺豊治F1テクニカルディレクター(以下、田辺TD):FP1の真っ最中に、予選の中止が発表されました。われわれスタッフもサーキットに入ることができず、金曜日の2回のセッションだけで予選、レースの準備をしなければならなくなった。そんな中、FP1は路面コンディションも悪くて、そこそこの走りに留まったんですが、午後のFP2はいろんな状況を想定した作業ができました。


 レッドブル・ホンダは2台ともバランスが悪かったんですが、データを見直したFP2ではかなり改善されました。ただふたりともまだ、十分に満足できるレベルではないと言っていました。トロロッソ・ホンダも、ほぼ同様でしたね。


——山本尚貴選手がF1デビューを果たしました。
田辺:
はい。われわれ日本人にとっては、非常に大きなトピックでした。初走行でしたが、チームの面々から高評価をいただいた。実際、F1マシンに乗せられるのではなく、しっかり乗っていたと思います。


 車体だけでなく、パワーユニット(PU/エンジン)側も技術フィードバックをしていました。今日は全車スペック4を搭載し、さらなるパワーアップが期待されるエクソンモービルの新燃料も投入しました。出力向上は確認できましたし、4台ともに信頼性の問題も出ていません。

2019年F1第17戦日本GP フリー走行1回目に出走した山本尚貴(トロロッソ・ホンダ)


——フェルスタッペンが総合3番手タイムでしたが、日曜日に向けて力づけられる順位ですか?あるいは前にいる2台のメルセデスに比べて、まだ差があると感じていますか?
田辺:
まだ初日ですので何とも言えませんし、まだやるべきことはたくさんある。車体側の伸び代はあると、思っています。


——万が一日曜日の予選が中止になった場合、FP2の結果がグリッド順になるとのことですが、レッドブル・ホンダは予選アタックはしなかったですか?
田辺:していないですね。


■FP1で走行できなかったトロロッソのピエール・ガスリーに影響は?


2019年F1第17戦日本GP金曜 ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)

——今回FP3がキャンセルされて、フリー走行が2回だけになってしまった。トロロッソはそれに加えてガスリーが最初のセッションを山本選手に譲っています。いつも以上に、難しい初日だったのでは?
田辺:
山本選手も車体、パワーユニットともにきちんとフィードバック出来ていますし、影響は最小限だったと思います。ただガスリー選手は乗ってないだけに、馴れるまである程度時間はかかったようですが、結果的にいい順位に付けていた。ネガティブな影響は、なかったと思います。


——ホンダスタッフは、土曜日はホテル待機ですか。
田辺:
まだ決まってないです。サーキットには来れないので、どうしようかと。


——できればモナコの金曜日のようにしたいところでしょうが、サーキットで作業ができない。たとえばパソコンをホテルに持ち込むことで、ある程度のことはできますか?
田辺:
FIAが例外的な対応を許すか、カーヒュー(門限)を伸ばすのか、これから話し合うことになっています。走行データはさくらR&Dに行ってますから、ホテルでそれを見ることはできる。ただ通信速度の問題はありますけどね。


 台風で仕方のない部分もありますが、せっかく楽しみにして来ていただいてるファンの皆さんには、本当に申し訳ないです。と同時にわれわれとしても、ホームレースの鈴鹿は通常のプログラムをこなした上で、万全のコンディションで予選レースに臨みたかったですね。そこは少しガッカリしています。

2019年F1第17戦日本GP金曜 ホンダ田辺豊治F1テクニカルディレクター


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