F3タイトルを獲得したミック・シューマッハーに称賛と期待の声。「父ミハエルから天才ドライバーの遺伝子を受け継いでいることは明らか」
2018年10月15日(月)9時8分 AUTOSPORT web
7度のF1チャンピオン、ミハエル・シューマッハーの息子ミックが、ヨーロピアンF3選手権の2018年タイトルを獲得した。それにより、将来のF1参戦について、周囲からの期待がより一層高まってきている。
最終戦ホッケンハイムの第2レースで2位に入った時点でシューマッハーはチャンピオンの座を確保した。最終的にシューマッハーは合計365点を獲得、2位のダニエル・ティクトゥムに57ポイントの差をつけた。
シューマッハーは来年はF2に参戦するものとみられているが、ヨーロピアンF3タイトル獲得によりF1参戦の夢が実現に一歩近づいたのは確かであり、周囲もそれを期待している。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、シューマッハーにはモータースポーツにおいて素晴らしいキャリアを築いていく能力があると語った。
「シーズン序盤が低調だったこともあり、大きなプレッシャーに対処するのは簡単ではなかったはずだ。だからこそ、シーズン後半のパフォーマンスには感心させられる。彼は自分の能力を示した。モータースポーツにおいて最も偉大な存在のひとりになる力があることを証明したのだ」
元F1ドライバーで、現在はDTMを運営するITRのチェアマンを務めるゲルハルト・ベルガーは、シューマッハーが偉大なる父ミハエルの才能を受け継いでいることは明らかだと述べた。
「ミックが素晴らしい結果を出したことを私も喜んでいる。彼は父親に似ている。姿かたちや歩き方もそっくりだ。だが何よりも重要なのは、この数週間、彼が父親のレーシングドライバーとしての遺伝子を受け継いでいることを証明したことだ」
「今のようなパフォーマンスを発揮し続けることができれば、彼のキャリアはF1へとつながっていくだろう」
ミハエルと親しく、現在はF1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、ミックはF1参戦を急がず、十分に準備を整えてから挑戦するべきだと語っている。ヨーロピアンF3からF1に昇格し、現在ウイリアムズに所属するランス・ストロールは、チャンスが訪れたときにそれをつかむべきであるとの考えを示す一方で、F3からいきなりF1に乗る場合、差が大きすぎて適応するのは簡単ではないとも認めた。
「これが正解というものはない。F1に参戦するチャンスが訪れたら、それをつかむべきだと思う。でもドライバーごとに状況は異なる」とストロール。
「彼はシーズン後半、素晴らしい仕事をした。でもF3からF1というのはとても大きなステップだ。サーキットによっては1周15秒とか20秒も違う場合がある。パワーも違うし、マシンを最適化するやり方や、タイヤに関しても全然違う。F3との差はものすごく大きい」