ヤマハ同士の接触転倒に中須賀「台無しにしてしまった。岡本選手の勝利をふいにしてしまい、申し訳なく思っている」/全日本ロード第8戦鈴鹿
2023年10月15日(日)7時13分 AUTOSPORT web
10月14日に開催された2023全日本ロードレース選手権第8戦鈴鹿のJSB1000クラス決勝レース1でYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と岡本裕生がトップ争いを演じたが、最終ラップの日立Astemoシケインでふたりは接触して転倒。チームメイトでの同士討ちとなり、両車はチェッカーを受けることなくレースを終えた。岡本は完走扱いとなったが、中須賀は失格の裁定が下された。
第7戦岡山では中須賀がチャンピオンを決めて、2023年の最終戦鈴鹿を迎えた。第2戦鈴鹿2&4レースでは鈴鹿8耐のトライアウトも兼ねていたためガソリンとカーボンニュートラル燃料の選択が可能だったが、ほとんどのチームがガソリンを使用。以降はカーボンニュートラル燃料のワンメイクとなり、今季2度目の鈴鹿とはいえマシンへの適応に苦戦するチームが多い。
中須賀もそのなかのひとりで、予選では楽にポールポジションを獲得したわけではなく亀井雄大(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)が一時はトップタイムを記録するなどの展開があった。リザルト上は終盤のアタックでタイムを縮めた中須賀がダブルポールポジションを獲得、岡本が2番手につけていたが両者と3番手との差は小さいことが伺えた。
そのため午後のレース1では、中須賀と岡本が好発進を決めたものの水野涼(Astemo HondaDream SI Racing)が首位を奪うバトルもあり、清成龍一(TOHO Racing)を含めた4台がトップ集団となっていた。
そのままレースが進み終盤にはヤマハの2台が抜け出したが、多くのバトルの末に最終ラップに130Rを先頭で立ち上がった岡本をオーバーテイクしようと日立Astemoシケインで中須賀がインに入った。しかし、中須賀と岡本が接触転倒。ふたりはチェッカーを受けることなく岡本は完走扱いとなったがノーポイント。中須賀にはMFJ国内競技規則 付則3 3-2-5(危険な走行)により失格およびペナルティポイント2点の裁定が下った。
autosport webはレース後に両ライダーへの取材を試みたが叶わなかったのだが、ヤマハはレースレポートを公開しており、そのなかでライダーとコメントを発表している。
■岡本裕生(DNF)
「結果を残すことはできませんでしたが、マシンの加速や伸びが良く、レース自体は楽しかったです。ただ、この加速と伸びでしか中須賀選手に勝負ができなかったので、ここが大きな課題です。中須賀選手の深いブレーキングに対抗するにはどうすればいいか、レース2に向けてしっかりと対策したいです」
■中須賀克行(失格)
「本当にいいレースでしたが、それを台無しにしてしまいました。また、岡本選手は本当にいい走りをしていて、彼の勝利をふいにしてしまい、これを含めて申し訳なく思っています。明日は、いいレースをして、ファンの方々に喜んでいただけるよう頑張ります」
■吉川和多留監督
「2人に大きな怪我がなかったので、そこは良かったですし、接触するまでは本当にいい勝負でした。最後は、インの取り合いで、お互いの意地が出たようでしたが、こうしたレーシングアクシデントはレベルが上がればついて回るもので、改めて限界を見極めたクリーンなレースを心がけていきます。明日はレース2がありますが、今シーズンを締めくくるレースとして、2人にはいい戦いを見せてもらいたいと思っています」