羽生結弦が10代の一番好きなスポーツ選手に選出…その凄さの「意味」

2022年10月17日(月)17時0分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 笹川スポーツ財団の「スポーツライフに関する調査」といえば、アスリートの「いま」を知る上での由緒あるランキングとして定評があります。

 1992年から2年ごとに、全国の18歳以上を対象として実施。今年の夏に行われた調査結果がこのほど発表され、興味深いデータが出そろいました。

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 「好きなスポーツ選手」では、1位が大谷翔平(29・1%)、2位・羽生結弦(5・5%)、3位・イチロー(3・2%)、4位・井上尚弥(2・6%)、5位・松山英樹(2・2%)という、なるほどとうなずく結果になったのですが、注目のポイントは10代(18歳・19歳)です。なんとここでは大谷ではなく、羽生が1位に輝いたのです。

 スポーツ新聞のデスクは言います。

 「18歳、19歳といえば、人生の中で最も『美しいもの』をキャッチするアンテナの感度が高い時期。彼ら、彼女らが『一番好き』と認定したことに大きな価値があります。ある意味、大谷選手がトップに来るのは分かりやすいんです。メジャーリーグという活躍が全て可視化される世界で、前人未到の数字を残している。日本人として誰もが誇らしく思います。その奮闘がほぼ毎日報じられるので、いわば『タッチポイント』も多いわけですから」

 そして、こう続けるのです。

 「大谷選手はメジャーの強打者や剛腕投手から結果を残すという明快さがあるわけですが、羽生選手は北京五輪以降、競技会に出場しない考えを明かしています。明確なライバルがいて、それを超えていく−という単純なスポーツドラマが用意されているわけではない。それなのに10代の間で『大谷超え』を果たすのですから、これは極めて素晴らしいことと言えるわけです」

 なぜここまでティーンエイジャーの心をつかむのか。スポーツ専門のネットメディア関係者は、その発信力にカギがあると見ています。

 「羽生選手の試合後の談話からは、周囲への感謝や好敵手への敬意が自然と放たれる。その姿勢が世界的に称賛され、先月は日中国交正常化50周年記念式典の特別ゲストに招かれたことも話題を呼びました。グローバルな視野を持つ一方で、自身を育んだ故郷・宮城への愛も隠すことなく、ローカルな見地も大切にしている。このような地に足が着いたスポーツ選手としての活動が、新時代を担うヤングジェネレーションの間でも支持を集めているのでしょう」

 10代の中には「親子そろって羽生ファン」という方もいるかもしれません。今年も様々な活躍を見せた羽生にとって、「10代で人気ナンバーワン」というデータは、今後の自身を後押しする「栄冠」にもなりそうです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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