「阪神はきちんと放れる」四死球リーグ最少、抜群の制球力を見せた投手陣を1985年V戦士も称賛「懐を攻めるピッチャーはやっぱり強い」

2023年10月17日(火)18時30分 ココカラネクスト

内角を的確に攻めた伊藤らのピッチングをOBが称賛している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 10月18日から始まる、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで、セ・リーグ覇者の阪神は広島と対戦する。2014年以来の日本シリーズ出場を懸け、ファーストステージを連勝で勝ち抜けた広島を甲子園で迎え撃つ。

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 大一番でも、阪神はシーズン中と変わらないスタイルで臨むことが予想されており、やはりリーグ優勝の原動力となった投手力がアドバンテージとなることは間違いないだろう。

 シーズンでは大竹耕太郎、村上頌樹、伊藤将司の3人は何れも二桁の白星を挙げ、村上は最優秀防御率タイトルも獲得した。また抑えの岩崎優も最多セーブを挙げ、守護神としての存在感を示した。先発、リリーフ、それぞれがシーズンを通して安定した投球を披露しており、個々のパフォーマンスはリーグトップであるチーム防御率2.66という数字に表れている。

 さらに投手成績では、チーム全体の与四死球も今季セ・リーグ最少だ。特に与四球315個はリーグ2位DeNAの359個をも大きく下回る数字となっている。今季は打線で各打者が効率よく四球をチャンスに結び付けたことがフォーカスされたが、投手陣も四球を『与えなかった』ことが数多くの勝利を生む要因の1つとなった。

 記録にも映し出されている、レギュラーシーズンでみせた阪神投手陣のコントロールの精度には、かつての日本一戦士からも称賛の言葉が発せられている。

 1985年の阪神日本一達成時のリリーフエースだった中西清起氏が自身のYouTubeチャンネル『中西清起の虎の穴チャンネル』の中で、同じく阪神OBである掛布雅之氏とともに、今季の投手陣のピッチングについて語った。

 10月16日に更新となった動画の中で、シーズン中でのピッチングについて両者とも、村上や伊藤などの投手が、相手打者のインコースを上手く攻めることができていたと振り返っており、中西氏は「懐を攻めるピッチャーはやっぱり強い」と印象を述べた。

 さらに、他球団の投手陣との違いとして中西氏は「よそのチームは、打者に当たるような制球じゃないですか。阪神はきちんと(内角に)放れる」と指摘。

 掛布氏も打者の視点を踏まえ、「投手がインコースを攻めることは絶対に必要」としながらも、「だが、そこに投げられる精度は上げなければならない。そうでなければ(死球で)怪我につながってしまう」と話している。

 その上で中西氏は「今年の阪神投手陣は四死球が少なかった。制球力の良さが四球の数に表れている」として、今季の投手陣全体の投球内容を称えながら、「安藤(優也)コーチがストライクゾーンで勝負することを投手陣に求めていた。その為のボールを身に付けることをシーズン中に言っていました」として、昨年までと違いを生むこととなった、チーム内での指導内容も明かしていた。

 今季、大幅にクオリティを向上させたピッチングスタッフがチームを牽引し、18年ぶりのペナント奪還を成し遂げることとなった。12球団一との呼び声も高い自慢の投手陣を前面に押し出し、さらなる頂点を目指す戦いに挑む。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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