帰らないで!期限付き移籍先で活躍する5選手【J3リーグ2023】

2023年10月17日(火)18時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

残り試合数が1桁となり、いよいよ終盤戦を迎えている2023明治安田生命J3リーグ。上位2クラブがJ2へ自動昇格となる一方、今季は下位2クラブが日本フットボールリーグ(JFL)への降格もあり得るレギュレーション。J1やJ2同様、上位争いに加えて下位の争いにも注目が集まっている。そんな白熱するシーズンの中で、ひときわ輝きを放っているのが期限付き移籍中の選手たちだ。


ここでは、期限付きでの加入ながらも、今季チームの中心選手として躍動している5人の選手を紹介していく。




MF牛之濵拓(鹿児島ユナイテッド所属時)写真:Getty Images

牛之濵拓(ガイナーレ鳥取)


開幕2連勝を飾りながらも、シーズン序盤は勝ちきれない試合が多くあったガイナーレ鳥取。しかし、第15節からの7戦は無敗。直近も6戦負けなしの鳥取は、ただ負けないだけでなく接戦をものにする勝負強さも見せつつ昇格争いに加わることが出来る5位にまで上がってきた。そんな鳥取で7ゴールを挙げチームトップスコアラーとなっているのが、同じくJ3の鹿児島ユナイテッドから今シーズン期限付き移籍中のMF牛之濵拓だ。


2019年から鹿児島の主力として活躍していた牛之濵だが、2021年以降は怪我による長期離脱の影響などもあり出場時間が減少。しかし、今季はその鬱憤を晴らすかのように鳥取でベテランらしい働きを見せている。特筆すべきは、ゴール数からも分かるシュートの上手さ。相手が密集するエリア内であっても、的確にコースを突いたシュートでゴールに結びつける技術は一級品だ。残り8試合、鳥取にとって3年ぶりとなる1桁順位とJ2への昇格を目指すためにも、確かな経験値と技術を見せている牛之濵への期待は高まっていくに違いない。




FW古川大悟(ジェフユナイテッド市原・千葉所属時)写真:Getty Images

古川大悟(FC大阪)


今2023シーズン、JFLからJ3に参入しクラブ史上初めてJリーグの舞台で戦っているFC大阪。開幕から5戦は、J2からの降格組であるいわてグルージャ盛岡や現状のJ3トップ3(愛媛FC、鹿児島ユナイテッド、カターレ富山)との対戦もあり1勝4敗。Jリーグの洗礼を受けるスタートとなった。しかし、6月以降は11戦負けなしも記録するなど躍進を見せ、気づけばこの終盤にきて7位と昇格圏も狙える位置につけている。


そんなFC大阪で、今季いわきFCより期限付き移籍中のFW古川大悟がここまで8ゴールをマーク。チームトップスコアラーとして攻撃の核を担っている。ゴール数もさることながら、特に空中戦の強さやヘディングの上手さが際立つ。得点シーンはもちろん、起点として前線でのボールキープにも大きく貢献しており、Jリーグ初年度のチームを上位に引き上げる原動力となっている古川。2桁ゴールも見えているだけに、大きな自信を得られるシーズンを過ごしていると言えよう。


MF持井響太(東京ヴェルディ所属時)写真:Getty Images

持井響太(アスルクラロ沼津)


2018年の4位以来、上位争いはおろか1桁順位からも遠ざかっているアスルクラロ沼津。しかし、今季は第31節終了時点で8位。昨年の15位と比較すれば、明らかに飛躍のシーズンを送っている。そんな沼津を支える選手の1人が、東京ヴェルディから期限付き移籍中のMF持井響太だ。


主に中盤中央でここまで28試合に出場。7ゴール2アシストと結果も残し、沼津にとって要の1人として躍動している。パスはもちろん、前線でのキープや背後を狙う動き出しも魅力。7得点のうち3点はPKでの得点だが、絶妙な動き出しとスピードで自らPKを獲得していることからも、相手DFにとっていかに手を焼く存在かが分かる。今季から指揮を執る中山雅史監督のもと、復活の兆しが見える沼津。その中心にいる持井が期限付きであることは、その去就によって次シーズンの大きな課題にもなりかねない。それほどまでに、沼津のチャンスメーカーとしてまたスコアラーとして大きな存在感を放っている。




いわてグルージャ盛岡 写真:Getty Images

新保海鈴(いわてグルージャ盛岡)


昨2022シーズン、クラブ史上初めて進出したJ2の舞台からわずか1年で再びJ3へと降格したいわてグルージャ盛岡。短期間でのJ2復帰を目指す岩手は、今2023シーズンの開幕戦で現在J3の首位を走る愛媛FCを相手に5-1と大勝し勢いをつける最高のスタートを切っていた。しかし、4月以降は2度の連敗もあり失速。夏に持ち直したが、9月以降は3連敗からの3連勝といまいち成績が安定しないまま、現在は昇格圏の2位と勝ち点8差で11位に沈み苦しいシーズンとなっている。


そんな岩手で、レノファ山口から期限付き移籍中のDF新保海鈴が不動の左サイドとして躍動。ここまでに挙げた8つのアシストは、チームトップであると同時にリーグでも2番目に多い数字と攻撃面での貢献度を表す数字となっている。魅力は何と言っても高いキック精度。開幕戦ではフリーキックからの直接得点のほか、コーナーキックや自陣からの精度の高いフィードなどで3アシストと初陣から大暴れして見せた。昨年に引き続き、2年連続J3でプレーする新保。自信をつける武者修行になっていることは間違いない。




FW南野遥海(ガンバ大阪所属時)写真:Getty Images

南野遥海(テゲバジャーロ宮崎)


現在は18位と降格の可能性もある下位2クラブのすぐ上に位置するテゲバジャーロ宮崎。数字を見ても、失点数36はリーグで中位相当と可もなく不可もない状態だが、得点数24はリーグワースト3位。直下に迫る19位SC相模原と比較しても10点の開きがあるほど大きな課題となっている。


しかし、そんな得点力でさえ、今季ガンバ大阪から期限付き移籍中のFW南野遥海が居なければどうなっていたかわからない。ここまでに挙げたゴールは8つ、アシストも4つといずれもチームトップの数字。総得点が24であることを踏まえれば、実に得点の半数が南野絡みということになる。自陣にボールがある場面でも積極的に背後を狙う動き出しやシュートの上手さは、とても19歳とは思えないほどハイレベルだ。今季に関しては、残りの8試合でまず残留圏を維持することが目標となる宮崎。しかし、J3に踏みとどまれたとしても、南野が期限満了で不在となる怖さを覚悟しなければならないだろう。それほどまでに、今季の宮崎にとって南野の存在は大きなものと言えよう。

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