マンUはなぜ惨敗した? レスター戦でも改善されない2つの課題、敗戦の要因となったのは…【分析コラム】

10月17日(日)11時30分 フットボールチャンネル

後半足が止まり今季2敗目

 プレミアリーグ第8節、レスター対マンチェスター・ユナイテッドが現地時間16日に行われ、アウェーのマンチェスター・ユナイテッドが4-2で大敗。プレミアリーグでアウェーでの29試合負けなしだった同クラブは、打ち合いの末に今季2敗目を喫した。(文:阿部勝教)

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 今季、2勝3敗2分けと開幕から調子が上がらないレスターだったが、2季連続で5位フィニッシュしている同クラブは、やはり手強かった。選手1人1人のインテンシティーが高く、90分通してタフな試合を展開。後半に入り、チーム全体の運動量が落ちたマンチェスター・ユナイテッドは、後半に3失点の喫した。

 立ち上がりから押し込んでいたのは、間違いなくマンチェスター・ユナイテッドだ。19分にはメイソン・グリーンウッドの見事なミドルシュートで先制。その後、31分に追い付かれたが、レスターにほとんど決定機を作らせなかった。

 しかし60分以降、代表戦での疲れからかチーム全体の運動量が落ちると、徐々に相手を捕まえられなくなっていった。すると78分、途中出場のパトソン・ダカにいきなりDFの裏を取られ、決定機を作られると直後のコナーキックで失点。逆転を許した。

 それでも失点直後の82分、肩の怪我から復帰したマーカス・ラッシュフォードがすぐさま同点弾を決めたが、反撃もここまで。同点弾直後のキックオフからそのま失点すると、試合終了間際に4失点目。得意としていたアウェーで今季2敗目を喫した。

 代表戦直後で疲れがあったのも事実だろうが、敗戦の要因はほんとにそれだけだったのか。

課題は未だ修正されず…

 疲労を考慮しても、未だ改善されない2つの課題が敗戦に影響していた。

 1つは中盤の守備。この試合でのマンチェスター・ユナイテッドは、攻撃時は4-2-3-1、守備時はポール・ポグバが1列ポジションを上げた4-1-4-1の可変システムを採用。前がかりになりがちなポグバを最初から1列あげ、バイタルエリアをネマニャ・マティッチが1人で見ていた。

 しかし、機動力の高くないマティッチには荷が重すぎた。シンプルに縦に入るパスには対応できたが、左右に揺さぶられたり、FWが下りてきた際には対応できず決定機を作られた。そもそも4人が並ぶ2列目を簡単に突破されすぎたとも言えるだろう。

 そして、2つ目がゴール前での連係だ。ペナルティーエリア付近までは難なくボールを運ぶが、そこから相手DFを崩す動き出しや連係が極端に少ない。両サイドバックも攻撃には参加しているが、効果的な攻撃参加はできず、最終的に数的不利のペナルティーエリア内にクロスを上げるか、攻めあぐねる場面が多く見られた。

 開始10分場面がまさにそれだった。ペナルティーエリア右手前でパスを受けたアーロン・ワン=ビサカがドリブルを試みたが、距離を取られメイソン・グリーンウッドにパス。そこからマティッチ、ポグバと繋ぎ、最前線のクリスティアーノ・ロナウドにパスを入れるも、3人目の動きはなく、ルーク・ショーに落としてクロスを上げた。

 ブルーノ・フェルナンデス、ポグバとパスの名手はいるが、前線の選手にオフ・ザ・ボールの動きが少ないため、単調な攻撃になってしまう。この問題をチーム全体で解決しない限り、いくらシュート本数が多くても、決まるゴールは少ないだろう。

 試合後、オーレ・グンナー・スールシャール監督も「我々はチーム全体の体制やバランスを見直す必要があり、何かを変えなければならない。最近のチーム状態は良くなく、多くの勝ち点を失った。見直す必要がある。」と語っている。何を変えるのか、早期解決に向け、スールシャール監督の手腕が問われるだろう。

唯一見れた希望は…

 しかし、悪いことばかりではない。「期待している! 彼がピッチに戻ってきたのは朗報だ。これが今日の唯一のボーナスだろう。」とオーレ・グンナー・スールシャール監督が語ったように、この試合唯一見れた希望は、マーカス・ラッシュフォードの復帰だ。

 昨季通して肩の痛みに苦しんだラッシュフォードは、ユーロ2020決勝後に手術を決断。リーグ開幕から戦線を離脱していたが65分、ジェイドン・サンチョに代わり復帰を果たした。

 足元にパスを欲しがるサンチョとは異なり、スピードを活かして果敢に裏へ抜けるラッシュフォードは、チームに変化を与えた。76分のカウンターの場面では、チャンスと見るやすぐさま最前線を走り、相手DFの裏にこぼれたボールを拾うとクリスティアーノ・ロナウドの決定機を演出した。

 その直後に失点したが82分、ヴィクトル・リンデロフのロングパスから相手DFの裏に抜け出すと、GKとの1対1を冷静に沈めて同点に戻した。

 リンデロフのパスも正確だったが、この日初めての裏への抜け出しを見せたマンチェスター・ユナイテッドに対し、レスターは完全に対応に遅れていた。シンプルではあるが、攻めあぐねていた同クラブに変化をもたらし、同点弾を上げたラッシュフォードの存在は、チームの復調に欠かせない。

 先述した通り、スールシャール監督はチームの変化が必要と語ったが、復帰したラッシュフォードの存在により、選択肢が増えることは間違いない。システムや戦術を大きく変更するのは、すれとも細かな修正で済むのか。いずれにしても、ラッシュフォードの今後の活躍は、チームの結果に大きく関わってくるだろう。

(文:阿部勝教)

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