セッテ・カマラ「コールドタイヤはやはり慣れていなかった」【スーパーフォーミュラ第3戦決勝】
2020年10月18日(日)18時25分 AUTOSPORT web
10月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦。SFデビュー戦ながら初のポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing with B-Max)だったが、スタートで2番手に後退。その後ピットインを行った後のアウトラップには4コーナーでクラッシュを喫し、35周でレースを終えることになった。
F1レッドブル/アルファタウリのテスト/リザーブドライバーを務めるセッテ・カマラは、その速さからヨーロッパでも将来を嘱望される存在。そんなセッテ・カマラのSF参戦はシーズン開幕前から多くの話題を集めていたが、フルシーズンの参戦を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響により、ようやくこの第3戦がデビューとなった。
ウエットコンディションの金曜専有走行/フリー走行ではコースアウトで赤旗中断の原因になったこともしばしばあったが、速い外国人ドライバーにとっては、クルマを壊さず限界を探っていく過程でコースを外れることはよく見る光景でもある。「セッションを重ねるごとに進歩を重ねることができたし、正しい判断をしてきていると信じていた」というセッテ・カマラは、公式予選で圧巻のパフォーマンスをみせた。
Q1こそ赤旗の影響もありギリギリの通過だったが、Q2では大きく順位を上げ、さらにQ3ではチェッカーとともに1分04秒235をマーク。デビュー戦、さらにスポーツランドSUGOもほとんど経験のない状態で驚きのポールポジション獲得を果たす。
もちろんレースでは、2番手スタートの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)をはじめ、SFの経験豊富なドライバーが周囲にひしめいていた。またセッテ・カマラ自身も初めての日本での、SFでのレースだ。「もちろんレースについては、できる限りのことをするつもりだったよ。この週末やオフのテストも含めて、それほどこのクルマをドライブしているわけではないし、今年初めてのレースなんだからね。レースでは経験あるライバルたちに、なるべくついていこうとした」とレースに臨んだ。
セッテ・カマラは迎えた決勝レースでは、「ストールしないことが目標みたいなものだった。ひとつポジションを失っただけだったしね」という初めてのスタートも無難に決め、2番手につけていく。
「序盤の数周のフィーリングは良かったし、タイヤをマネージメントしていったんだけど、ヒラカワは追いきれず、ヤマモトにはかわされてしまった。ペースが保てなかったことは今解析しているけれど」と3番手でピットストップを行った。
ただここで、右リヤタイヤの交換にわずかに時間を要してしまう。「ピットストップでは、クルーのみんなはすごくたくさんの練習をしてくれているんだけど、少し時間がかかってしまった」というセッテ・カマラは、タイトなSUGOのピットレーン出口でも曲がりづらそうにしながら、そのまま3コーナーをターンしたものの、4コーナーで激しく白煙を上げクラッシュしてしまった。
「コールドタイヤでピットアウトしてから、ターン4でクラッシュしてしまった。思い出したくないけどね(苦笑)。2年間、タイヤが温まっている状態でレースしてきたから、この状態はやはり慣れていなかったよ」とセッテ・カマラは、タイヤが冷えた状態でレースに戻る、日本ならではの難しさに泣かされたことを明かした。
とは言え、初めてのスーパーフォーミュラで確実にそのスピードを見せつけたセッテ・カマラ。「この週末でミスもあったけれど、とても多くのことを学ぶことができたと思うよ。いちばん大事なことは、チームの向上心を感じることができたし、チームも僕もお互いにモチベーションを与えることができたことだ」と初のレースウイークを振り返った。今後、ライバルにとっても最も警戒する存在になるのは間違いないだろう。
「またオートポリスに向けて頑張るよ」とセッテ・カマラは笑顔をみせSUGOを後にした。