阪神が初戦勝利のCSファイナルステージ、球界OBは広島バッテリーのピッチングに苦言「ちょっと配慮が足りない」

2023年10月19日(木)17時50分 ココカラネクスト

佐藤氏は広島バッテリーの配球に苦言を呈した(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 10月18日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが開幕し、甲子園ではセ・リーグ覇者の阪神がファーストステージを勝ち上がった広島を4−1で下した。阪神は6試合制で行われるファイナルステージの初戦に勝ったことで、アドバンテージの1勝を加え2勝とした。

【動画】5回に阪神は村上、近本の連続適時打で一挙3点を奪った

 阪神が村上頌樹、広島は九里亜蓮の先発でスタートしたこのゲーム、両チームとも3回まで無得点で進んだ。4回に広島が犠牲フライで1点を先制すると、その裏に阪神が3番・森下翔太のソロ本塁打で同点に追いつく。

 その後、追加点を挙げたのは阪神だった。7番・坂本誠志郎が死球で出塁し、8番・木浪聖也がライト深い位置へのヒットで1・3塁となり、チャンスを広げた。その後、打席に立ったピッチャー村上が初球のチェンジアップを振り抜くと、これが一塁線を破るツーベースとなりランナー1人が生還。1番・近本光司も続き、九里が投じた2球目のツーシームをセンターにはじき返し、2点を加えた。

 これで4-1とした阪神が、7回から継投で広島の攻撃を封じ、最後は岩崎優がマウンドに登り、3つの三振を奪い、試合を締め括った。

 阪神は試合を通して5安打ながらも、打線の繋がりから確実にランナーを還し得点、さらに先発、リリーフ陣がリードを守るという、シーズン中と変わらぬ戦い方で貴重な白星を手にした。一方、「下剋上」を狙う広島は先制しながらも、中盤での失点が重くのしかかった結果となった。

 また、この試合の決勝点が阪神の村上のバットから生まれたことについて、球界OBからは広島バッテリーに対し、厳しい言葉が投げかけられている。

 阪急、オリックスでリーグ優勝や日本シリーズ制覇の経験もあり、球界随一の投手コーチとしても知られる佐藤義則氏がYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』をこのゲーム終了後に更新。その動画の中で佐藤氏は、5回の阪神の攻撃時、村上への九里のピッチングについて「ランナー1・3塁の状況で、ヒッティング、スクイズなどいろんなパターンが考えられる中、村上に初球を打たれた。これは投手コーチの立場からみて、一番よくないこと」とコメント。

 さらに「それも(打たれた相手が)ピッチャーに。9人の中で一番打たない打者に、初球を打たれツーベースのタイムリーというのは、厳しくいったら最悪(の結果)ですよ」と苦言を呈し、その上で「ちょっと時間をかけるなり、もうちょっと気を使って投げることによって、打たれる確率は少なくなる」と投球内容への見解を語っている。

 また、勝ち越しを許した後、2・3塁で近本を迎えたシーンについても、1ボール後からストライクを取りにいった2球目のコースが甘かったとして「ちょっと配慮が足りない」と指摘。ここでは、近本がシーズンで得点圏打率が最も高いバッターであることを考慮すべきと述べ、「得点圏で近本と(次打者の)中野と、どっちが凄いかを考えないと」と攻め方を論じていた。

 佐藤氏はこの試合の最も活躍した選手として、投・打で結果を残した村上を挙げており、4回に同点本塁打を放った森下にも「チームに勢いをつけた」とバッティングを称えている。打線全体で相手バッテリーを攻略し、少ないチャンスを得点に結びつけるという試合巧者ぶりを発揮し、今季のCS初戦を勝利で飾った。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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