広岡達朗氏「巨人が勝てないのは監督コーチがダメだから」

10月19日(木)7時0分 NEWSポストセブン

頼みは「カネ」?(写真:時事通信フォト)

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 原辰徳・監督時代、巨人は若手育成に力を注ぎ、かつての「欲しい欲しい病」を封印していたはずだった。しかしいつのまにか、1990年代さながらの“4番・エースコレクション”的大補強を復活させてしまった。かつての新人王で、ゴールデングラブ賞外野手の松本哲也が今季限りでユニフォームを脱いだことは、「『育成の巨人』の終焉」の象徴的な出来事だった。


 こうした状況に憤るのは、球界のご意見番こと巨人OBの広岡達朗氏だ。


「引退した松本は、チャンスをもらったらセンターに打ち返し、とにかく走れという巨人伝統の教えを守って新人王にも輝いた。しかしそんな選手も、次から次によそから選手を獲って来るから、9年間いてもほとんど試合に出ることができなかった。何のための補強か、理解できない」


 阪神の元球団社長・野崎勝義氏も続ける。


「育成の巨人を構築した立役者・清武英利GMが解任されて以来、当時のスタイルを否定しなければいけないという雰囲気ができあがっている。それが育成制度を弱体化させてしまった」


 若手が補強戦力との競争に負けて成長しきれない状況は、今季のサード・岡本和真、セカンド・山本泰寛、吉川尚輝らにも当てはまる。


 そのように選手を飼い殺す状況のなか、当然ながら聞こえてくるのは監督やコーチの采配や資質を疑問視する声だ。


◆「選手より指導者を獲れ」


 広岡氏は、「巨人が勝てないのは、監督とコーチがダメだから」と続ける。


「野球を分かっている監督が、若い選手とベテランを一緒に練習させ、ついていけないベテランがいれば引退を勧告する。そうしないと、下にいる優秀な選手が上へ上がっていけない。それなのによそから好待遇の選手が来たら、若いのがやる気をなくすのも当然。日本ハムに行ってのびのびプレーしている大田泰示を見れば一目瞭然です」


 選手の飼い殺しの責任は、監督の采配にもあるという指摘だ。


「今季引退した片岡治大も、2013年オフに移籍して二塁に入ったが、当時の原監督が退任した2015年を境に出場機会が激減した。類まれな走力と野球センスをチームに活かす術はもっとあったはずだ。2014年オフに入団した捕手・相川亮二も引退したが、なかなか成長しない小林誠司の教育係にすればいいものを、単なる代打としてベンチに置いておくだけだった。コーチ陣の無策に泣かされた選手は多い」(前出・スポーツ紙デスク)


 野球評論家の江本孟紀氏はこんな補強プランを提唱した。


「巨人に最も補強が必要なのは指導者ですよ。バクチのように長距離砲にカネを払うくらいなら、育成の実績がある広島のコーチを呼んだほうがいい。ただ、コーチは実績がないと説得力もなく、選手も言うことを聞かない。その意味では、今年でカープを退団した石井琢朗は適任でしょう」


 そんな忠告も巨人フロントの耳には届かず10日に発表された来季コーチ陣の“新戦力”は7年ぶりに復帰した吉村禎章・打撃総合コーチのみだった。一部メディアでは「マイアミ・マーリンズから退団濃厚なイチローを将来の監督含みで獲得する」というトンデモ計画まで報じられる始末。


「欲しい欲しい病」が寛解しない限り、常勝軍団へ変貌するのは無理そうだ。


※週刊ポスト2017年10月27日号

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