スペインの知将が日本代表4人を称賛。南野拓実の輝きぶりに感嘆した

10月19日(土)6時50分 Sportiva


モンゴル戦、タジキスタン戦で計3ゴールを決めた南野拓実

「相手との力量差を考えれば、モンゴル、タジキスタンとの2試合は、”イージーなゲーム”だった。しかし、簡単な試合など存在しない。イージーな試合を戦う難しさもある。そのなかで日本の選手たちは集中してプレーすることができていた」

“スペインの名伯楽”ミケル・エチャリ(73歳)は、W杯アジア2次予選「10月シリーズ」をそう振り返っている。

 ホセバ・エチェベリア、フランシスコ・デ・ペドロ、シャビ・アロンソなど、スペインを代表する選手たちに影響を与えてきたエチャリは、現場で選手を扱う難しさを肌で知っている。本当の意味で簡単な試合はない。そして、たったひとつの試合で、チームの歯車が狂うこともある。

「この2試合で日本の選手たちはポジティブなプレー姿勢を見せている。相手が格下でも、少しも侮らなかった。常に攻守のバランスを保ち、無失点に抑えた。その点は、正当に評価すべきだろう。2試合で複数の選手がプレーし、層の厚さも見せている。たとえば、モンゴル戦に出場した伊東純也(ゲンク)、遠藤航(シュツットガルト)、鎌田大地(フランクフルト)、安西幸輝(ポルティモネンセ)は、これまでの主力と遜色のない能力を示した」

 そしてエチャリは、10月シリーズでとくに目立った4人の選手の名前を挙げ、次のように評価している。

■南野拓実(ザルツブルク)

「モンゴル戦、右サイドとの連係を中心に才能の輝きを見せた。伊東との壁パスなど、コンビネーションプレーの質が高かった。プレーの連続性を感じさせる。セカンドボールに対するポジション取りや準備もよく、高い集中力で常にゲームにコミットできている。

南野を初めて見たのは、2013年、セレッソ大阪時代のJリーグの試合だった。当時のスカウティングでは、『俊敏で、フィジカルインテンシティも平均以上。フェイントをかけながら右足でインサイドに入り、ダイアゴナルの動きでピッチを広く、有効に使えるプレーは非凡だ。スピードを生かし、的確な技術でシュートコースに入る才覚を感じる。しかし、周りの選手との連係がうまくいっていない。柿谷曜一朗とは唯一、相互理解が成立しているが、まだコミュニケーションに難がある』と、メモに記している。

 しかし、欧州でプレーを積んだことによるものか、前線で周りを生かし、自分も生かされる選手に成長した。

 タジキスタン戦では、鎌田と呼吸のあったところを見せている。後半、南野がトップ、鎌田がトップ下の位置を取ると、流れるようなパスが増えた。ポストワークでボールを受ける動きは出色。なにより、ストライカーの嗅覚を感じさせた。1点目はファーポストでマークを外してのヘディング、2点目はグラウンダーのクロスに飛び込みながら、コースだけ変えて流し込んだ。

トップとしても質の高いプレーができることを示したと言えるだろう。鎌田との関係は今後のオプションになりそうだ」

■鎌田大地(フランクフルト)

「モンゴル戦で代表初得点を記録。主力選手たちと比較しても、遜色のないプレーを見せた。ボールプレーに強固な自信があるのだろう。

 タジキスタン戦はトップで先発出場した。前半はうまくフィットし切れず、自陣でボールを失い、相手のカウンターを誘う場面もあった。真骨頂は後半、ひとつポジションを下げ、トップ下でプレーするようになってからだろう。

 南野と縦関係を作ることによって、次々にチャンスを作り出した。下がってボールを受け、持ち運ぶことができるし、強度の高いシュート、精度の高いパスも出せる。ラインの間にポジションを取って、ボールを受ける技術に長けている。そこでためを作って、組織を崩せるのだ。ディフェンスラインの前で決定的な仕事ができるプレーヤーだ。

 2点目は酒井宏樹からのクロスをインサイドで受け、相手の守備陣を動揺させた後、戻したボールが得点につながっている」

■酒井宏樹(マルセイユ)

「モンゴル戦とタジキスタン戦、ともにサイドバックが高い位置を取って攻めるチームコンセプトのもと、与えられた任務を遂行している。モンゴル戦では、伊東と2人で好きなようにサイドを崩した。タジキスタン戦では、左利きの堂安律(PSV)を中央に入らせ、サイドで幅を作りながら、奥深くまで侵入し、決定的なクロスを配給している。2点目の南野へのクロスは秀逸だった」

■伊東純也(ゲンク)

「右サイドで、スピードによって深みをつけられる選手。モンゴル戦は、縦方向では酒井との連係がよく、横方向では南野との関係が潤滑だった。主力である堂安律や久保建英(マジョルカ)とはまた違う役割を果たし、それとともに遜色ない動きができることを証明している。ひとりでシュートまで持ち込むシーンもあり、このチームでプレーを重ねることで、可能性は高まるだろう」


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