WRC:トヨタ、2017年最後の欧州戦、ラリーGBへ挑む「今までと違うアプローチを発見」

2017年10月20日(金)17時53分 AUTOSPORT web

 2017年からWRC世界ラリー選手権に復帰参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが挑む次なる戦いは、10月26〜29日に行われる第12戦ラリーGB(グレートブリテン)。ヨーロッパ地域で行われる2017年最後の1戦だ。


 かつてRACラリーとして開催され、長い歴史と伝統を誇るグラベル(未舗装)イベントのラリーGB。以前はイングランド、ウェールズ、スコットランドとイギリスの広範囲で行われていたが、現在は主にウェールズを中心に争われている。


 舞台となるSSは、丘陵地帯や森林地帯に設定され、ドライコンディションならば高速バトルが展開する。しかし、この時期のウェールズは降水量が多く、ドライコンディションになることはまれだ。


 雨が降ると、路面は泥状になり滑りやすいコンディションに一変するため、マシンには他大会以上に高いコントロール性が要求される。


 また、雨のほかに濃霧や雹などが発生する可能性もあり、ドライバーはウエット路面だけでなく、悪天候からくる障害にも対応する必要がある。


 ラリーの拠点となるサービスパークはウェールズ北東部のディーサイドに設置され、競技は26日(木)夜にウェールズ北部の競馬場に設けられたショートSSで開幕する。


 翌27日から伝統のイギリス戦が本格的にスタート。27日はSS2〜7の6SSが、28日はSS8〜16の9SSが、最終日の29日はSS17〜21の5SSが行われる。


 全21SSの合計距離は304.36km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1183.74kmだ。


 今大会にもトヨタはヤリ-マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネン、エサペッカ・ラッピの3名を起用。3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入する。


 指揮を執るチーム代表のトミ・マキネンは「私にとって現役最後のシーズンだった2003年、その最終戦となったラリーGBでは、コリン・マクレー選手と表彰台争いをした。だから、このラリーには個人的に素敵な思い出がある」と語っている。


「ラリーGBのSSは、見た目よりも路面のグリップ力が高いことが多く、速く走るためにはクルマに対し充分な自信を持つ必要がある。また、雨や霧にもうまく対処しなければならない」


「前戦ラリー・スペインの後、我々は今までとは少し違うアプローチを見つけたから、それが今回どのように作用するのか楽しみだよ。ラリーの事前テスト時は通常よりも暖かい気候だったが、本番にそれほど大きな影響はないだろう」


「最終的にクルマを道の特性に合わせ込むことができるかどうかが重要だ。ラリーに向けて、きちんと準備が整っていると思っているよ」


 前戦ではラリー序盤にリタイアへ追い込まれたラトバラは「最近のラリーではクルマにいくつか技術的な問題が生じたが、チームはすでにそれらを完全に解決済みであると確信している」と自信を覗かせた。


「イギリスは私がラリードライバーとしてのキャリアをスタートした場所で、ラリー・グレートブリテンは初めて出場したWRCイベントだ。だから、イギリスは第2の故郷のように感じるよ」


「ラリーGBには、メイヘリンやディフナントなど素晴らしい歴史的なSSがあり、とても楽しみだ。今季残る2戦で良い結果を残して、この素晴らしいシーズンを終えられることを願っている」


 また、2017年限りでチームのドライバーラインアップから外れるハンニネンは「自分にとっては今年最後のラリーとなるため、とにかく楽しんで走りたい」と語っているほか、ラッピは「テストではサスペンションのセッティングを少し変え、それ以外にも、ラリー・スペインで得た教訓に基づく改良をいくつか施した。その結果、大きな進化を果たすことができたと思う」と事前テストに好感触を得たことを明かしている。


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