MotoGP日本GP:中上、「声援のおかげで走り切れた」と2019年最後のレースで渾身の16位

2019年10月20日(日)21時23分 AUTOSPORT web

 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)がMotoGP第16戦日本GPの決勝レース16位でフィニッシュを果たした。右肩の怪我を抱え、「何度もリタイアを考えた」というほど厳しい状態のなか、母国グランプリで奮闘した。


 初日を終えた中上は、右肩の状態によりレース参戦すら危うい状況だった。しかし土曜日はウエットコンディションでの走行となったことが幸いして、体への負担が減ってフィジカル面の状況が上向きになり、レースに出ることを決める。


 そうは言っても、厳しいレースを強いられたことには変わりなかった。本人としても、現状のフィジカルコンディションに負担の大きいツインリンクもてぎで、それを覚悟していただろう。自身が心配を感じていた24周のレース後半には、腕のしびれも非常に強くなった。「今思えば、どうやってバイクをゴールまで運んだのか覚えていない」「途中でリタイアしようと何度も思った」とも語るほどだ。そんな中上の力になったのは、レース中のファンの応援と周囲の支えだった。

2019年の母国グランプリは、中上の今季ラストレースとなった


「旗を振ってくれたり、声援を送ってくれているのを見て、あきらめずに走り切れました。今週末、応援してくれたファンのみんなに感謝の気持ちでいっぱいです。そして、チームもここ数戦、ずっと僕を気にかけて支えてくれました。僕がベストを尽くしているのをわかっていてくれたので、チームにも感謝したいです」


 この母国グランプリをもって、中上は2019年シーズンを終えた。次戦マレーシアGPからは欠場して右肩の手術と、そのリハビリに専念する。「悔いは一切ない」と中上は2019年シーズンを振り返った。


「(2019年シーズンは)浮き沈みがあるシーズンでした。(他者との接触により転倒を喫した)アッセン後には肩を痛めたことでパフォーマンスが少しずつ下がってしまいましたが、シーズン序盤はムジェロ(イタリアGP)では、5位でフィニッシュするなど、とてもよかったと思います」


 中上は2020年2月にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われる公式テストから復帰する予定だ。医者の見たてでは、完治に三カ月かかると言われているという。


「時間があるので、質のいいリハビリを心掛けたいです。2020年シーズンは、セパンテストからの復帰になりますが、周りのライダーは(2019年最終戦バレンシアGP後の)バレンシアテスト、ヘレステストを終えて、セパンテストを迎えます。でも僕はその2回のテストに参加できません。その分、しっかり準備して、強くなって帰ってきたいですね」


 実は中上、タイGPでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)のオフィスを訪れ、肩のリハビリや快復にかかった期間などについて事細かに聞いたのだそう。マルケスは2018年シーズンを終えたオフシーズン中に、左肩の脱臼癖を治す手術を受けている。


 余談ではあるが、日本GP木曜日のプレスカンファレンスでもマルケスはこの話題に触れ「ドクターに完治まで三カ月かかると言われたのだけど、僕はもっと短期間ですむだろうと思っていたんだ。でも結局、ドクターが正しかった。だから、ドクターの言うことに従ってね」と、中上にアドレスを送るシーンがあった。


 中上は「2020年シーズンには、きっと本来のパフォーマンスを見せることができると思います」と来季への抱負を語る。2019年シーズン残りの3戦で中上が戦う姿を見ることができないことは残念だが、しっかりと傷を癒して来季、活躍する姿が見たい。


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