ロッテは投手育成で実績十分の吉井理人氏が新監督就任 「井口派」一掃も前途は多難

2022年10月20日(木)12時9分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 ロッテは今季まで采配を振るった井口資仁前監督の辞任に伴い、ピッチングコーディネーターだった吉井理人氏が新監督に就任した。ロッテで元投手が指揮官を務めるのは1992〜94年の八木沢荘六以来、29年ぶりだ。

 チームは毎日、大毎など、オリオンズ時代を含めて5度のリーグ優勝、4度の日本一に輝いているが、そのうち投手出身監督は1950年の湯浅禎夫、74年の金田正一の2回。最後に日本シリーズを制した2010年は野手出身の西村徳文氏だった。

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 吉井新監督は自身のブログで「突然のことで驚きましたが、大変、光栄に思います。これまではコーチングを極めようと努力してきましたが、今度は全体を見るマネジメントが仕事になります。監督としては新米ですが、基本的にはやることは同じと思っています」などとコメントした。

 懸念されるのはロッテのコーチ陣だ。井口前監督の辞任に伴い、森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチ、木村龍治投手コーチ、鳥越裕介2軍監督ら7人が一斉に退団。福浦和也打撃コーチがヘッドに昇格し、球団OB投手の黒木知宏氏が新投手コーチに就任したものの、1軍コーチの半数を補充する必要があり、前途は多難だ。

 ただ、井口前監督とゆかりの深いソフトバンク(旧ダイエー)、母校・青学大出身のコーチ陣が一掃され、現役時代からロッテのユニホームを着用していたメンバーの割合は増える見通し。吉井新監督も現役最終年にロッテでプレーした。完全な外様監督でないこともロッテファンの間では評価されている。

 指導者としての手腕は絶品だ。日本ハムで投手コーチをしていた時代にダルビッシュ有(現パドレス)、大谷翔平(現エンゼルス)を育て上げたことで知られ、ロッテでも投手コーチとして佐々木朗希を指導した。高卒1年目は体力づくりに専念させて2軍を含めて1度も実戦登板させず、2年目も1軍デビューさせながらも肩の負担を考慮しながら登板後は出場選手登録を抹消させて10日以上の登板間隔を置く起用法で経験値を重ねさせた。

 現役時代は大リーグでもプレー。メッツ、ロッキーズ、エクスポズ(現ナショナルズ)と3球団を渡り歩いた。NPB12球団では、ヤクルトの高津臣吾監督、楽天の石井一久監督、日本ハムの新庄剛志監督、西武の新指揮官となった松井稼頭央監督を含めて5人がメッツ出身という顔触れになったことも話題になった。

 筑波大大学院で野球コーチング論を学び、修士号を取得するなど、野球指導に関する引き出しの多さでも知られ、大リーグにも精通している。監督就任前に侍ジャパンの投手コーチに起用されていたが、来年3月のWBCまでは異例の兼任の形を続ける。不在期間は福浦ヘッドがチームをまとめ上げるもようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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